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ミミック・ギミック:ダイナミック  作者: 財天くらと
第一章 環境順応編
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4 大脱出計画

(ミミゴン、元の体に戻れるか?)

「ちょっと待っててくれ」



 残念ながら化けた後の戻り方、知りない。

 こういった分からない時には……。



「助手さん!」

〈はーい、かわいい助手の出番ですねー〉

「どうやって、元の宝箱みたいな姿の機械に戻れるんだ?」

〈『解除』と唱えれば、元に戻れますよー〉

「ありがとう、助手さん」

〈では、またー〉







「『解除』!」

(ほう、元に戻った)



 俺の体は再び、宝箱のロボットに戻った。

 そうだ、素の俺のステータスを見てみるか。



「『見破る』!」



 名前:ミミゴン

 レベル:1

 種族:兵器

 称号:なし

 戦闘用スキル:『見破る』

 常用スキル:なし

 特殊スキル:『ものまね』『機械』『助手』



 あれ? エルドラに化けたのにスキル、あんまり増えてないな?

 こういう時も頼るしかない。



「助手!」

〈はーい! どうされましたー?〉

「化けた相手のスキルを取得できるんだよな? 増えてないですけど」

〈エルドラが強すぎて、取得できなかったのですー〉

「俺がエルドラぐらいに強くなれば取得できるのか?」

〈その通りですー。今は無理ですが、強くなればいけますよー〉

「分かった、助手。あと、スキル『機械』って何の効果があるんだ?」

〈はい、スキル『機械』は『全障害ステータス無効』の耐性などが追加されたりしますー〉

「つまり、毒とか麻痺が効かなくなったということか?」

〈その通りですー〉



 『機械』は、使えるはず。

 生き抜く自信がちょっと出てきた。

 さて、やる気が出てきたところで……。

 


「なあ、エルドラ。この迷宮から、どうやって抜け出すんだ?」

(今から言う作戦なんだが……。いいか、我は出られない。辛いがミミゴン、お前だけ外に出てほしい)

「俺だけ!?」

(我が持つ『テレポート』という行きたい場所に転移できるスキルがあるのだが、使えないのだ。

 そこで、もう一つのスキル『強制送還』の相手を強制的に転移させる効果で、ミミゴンを迷宮の外に出す。ここからが重要だ。ここを出たら、迷宮の封印された扉を開けることができる奴を探すのだ。そいつが開けたら……我は無事、迷宮から脱出! どうだ? 我の作戦は? これは『ものまね』を使えるお前なら簡単に出来るはずだ)



 俺が外に出て、迷宮の扉を開けられる者を探すということか。



「迷宮の扉は、エルドラでも開けられないのか?」

(無理だ。【英雄の迷宮】は我を完全に封印するために造られた建物なのだ)



 エルドラの表情を見るに何をやっても無駄だったらしい。

 最強の神龍人、エルドラでも逃亡不可能な【英雄の迷宮】。

 誰が造ったんだ?



「エルドラ、そもそも何でここに封印されてるんだ?」

(昔、神龍に進化した時だ。その頃、我は自分の国を造って調子に乗っていた。そんな時に一人の青年が我に挑んできたのだ。……油断して、あっさり負けた。まあ、我は『不死身』のスキルで死なないからな。そいつが迷宮を、その場でササッと造って中に封印された)



 その青年、さすがにもう生きてないよな。

 俺がここの封印を解くと知ったそいつは、殺しに来るかも。

 エルドラでも勝てない相手だ、外に出ても慎重に行動しないと。

 生きてなくても青年の子孫とか、【英雄の迷宮】について知っている者に気を付けないとな。

 というよりも、エルドラって悪い奴なのか?



(どうだ、外に出る準備は大丈夫か?)

「ああ、いつでも『強制送還』してくれて構わない」

(……では、行くぞ! 『強制送還』!)



 俺、異世界に来れて満足している。

 最初、戸惑ったがもう慣れちまった。

 こんな体験、ものまね芸人だった時できたか?

 俺は幸せ者だよ、だったら……。

 楽しまないとな!

 俺、頑張れ!

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