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ミミック・ギミック:ダイナミック  作者: 財天くらと
第一章 環境順応編
3/256

3 『ものまね』

「説明してほしいです、全部」

(すまん、今から色々と考えるから説明は出来ないのだ。だが、このスキルを与えよう。いろいろと教えてくれるはずだ)



《スキル『助手』を獲得しました》



〈どうもー! あなたの助手を務めまーす。分からないことがあった時、「助手!」と私に助けを求めてくださーい!〉



 女の子の声が、脳に響く。

 伸びる語尾が妙に頭に残る。

 とりあえず『助手』を使うか。



「『助手』!」

〈はいはーい! なんでしょーう?〉

「俺、ものまね芸人じゃなかったのか?」

〈あなたは……死んでしまって、エルドラのロボットに転生したようですねー〉

「何が原因で死んだんだ」

〈それは、分かりませーん。私が知っているのは、ここの世界だけですー。あなたの前世は知りませーん〉



 さすがに前世のことは知らないか。



「じゃあ次に、この異世界について説明してくれ。スキルとか」

〈この世界は、あなたの生まれた世界と違って『魔力』が存在しますー。魔力は全生物に宿る力。魔力によって、魔物やスキルなどが現れるようになったのですー。スキルとは魔力の使用によって、不可能を可能にする特殊能力のことを言いますー〉



 コンピューターRPGの世界と思っていいだろう。

 冒険して魔物と闘うゲームは、ちょっとプレイしたことがある。

 最初は避けていたけど、知り合いに勧められてかなりハマってしまったんだよな。

 それと同じ感覚で進むことにしよう。

 他にも質問しておくか。

 自分に関する情報は大切だしな。



「スキル『ものまね』って、どんな効果があるんだ?」

〈『ものまね』とは、視界に捉えている生物や物に化けることができるスキルですー。自身のステータスは、化けた相手のステータスになりますー。また、化けた相手のスキルを使用することができますー。更には、化けた相手のスキルを取得することもできますー〉

「助かった、助手」

〈では、またー〉



 『ものまね』、使えるスキルじゃないか。

 だって、俺が弱くても強い相手に化けたら良いんだろ。

 その上、相手のスキルも使えて自分のものに出来る。

 うーん、そうだなあ。

 化けながら進む生活をしていたら、いつの間にか強くなっているわけだ。

 よし、そんな進み方で新たな生活に馴染むとするか。

 そして運が良いことに、たぶん最強クラスのエルドラに化けたからロボの体でも強いはずだ。

 エルドラのスキルを手にしている。

 多少の余裕があるな。

 エルドラが不意に、でかい図体で風を起こしながら振り返った。



(ミミゴン、我と協力くれないか? 我には夢があるのだ。お前にも夢があって、やりたいことがあるだろう。もちろん、すぐに「はい、協力しよう」とは言えないだろう。今すぐとは言わない、覚悟が出来たら我に言)

「おー! 協力するよ、エルドラ! 一緒に夢、叶えよう!」

(いいのか? この我に協力してくれるのか!)

「俺一人じゃこの世界、生きていくことが難しいからな。それに俺たち『親友』だろ? 俺、あんまり力になれないかもしれんが、助けにはなるし相談相手にもなれるだろ?」

(おお! これが親友か! ありがとう、ミミゴン。ミミゴンも我の助けが必要だったら、いつでも呼んでくれ! 神龍である我、エルダードラゴンは強いぞ。勝てない生物などいない! ドンドン頼ってくれ! ま、囚われておるがな)



 ずっとお世話になると思います。

 ヤベー、ただならないくらい頼れる姿に見えてきた。

 ゲームで言うと序盤でレベル最大の味方が東京ドームの収容人数くらい、いるって感じ。

 例えたら、こんな感じだ。

 けど、囚われている?



「エルドラ、お前の夢ってなんだ?」

(我の夢。それは……ここを脱出したのち、種族の壁を越え、どんな存在とも仲良く暮らす国を作ることだ! 差別など全くない、争いもない。そんな平和な国を作るのだ! ミミゴン、我の夢は叶うと思うか?)

「できるだろう。だって元は俺、人間だ。今こうして、エルドラと親友になれたんだから」

(無意味な心配など、いらぬかったな。話せてよかったぞ。さて、こっから脱出する方法を思いついたのだ。ミミゴン! 行くか!)

「フッハハハ! 頼りにしてるぜ!」



 俺は、魔王かよと思うぐらいの笑い声が出たと思う。

 悪役の笑い声が好きで、魔王みたいなカッコいい? 悪になりたかった。

 なら、この異世界、魔王みたいな生き方でもしてみるか!

 今思ったんだけど、こいつ閉じ込められてんの?

 だったら頼りにならなくない? と口に出そうになったが飲み込む。

 そして、エルドラとこの迷宮からの脱出方法を聞くことにした。

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