福島 兜の特典
短いです。次の海原特典も短いです。
〜福島 兜〜
「それでは、お二人共異世界転生をなさるということでよろしいでしょうか?」
「「おう!」」
俺とジンが力強く返すと、ノアはクスりと笑う。
「それでは、異世界転生の準備に入ります。お二人共転生後に出会うまでお別れになりますが、互いに言いたいことがありますか?安心してください、転生先で相手のことがわからないということにはなりませんので。」
転生先でも見たらジンだってわかるわけか…
うーん、言いたいことかぁ…
俺が考えているとジンが声をかけてくる。
「カブト」
「ん?なんだ?」
ジンはスーと息を吸うと高らかに宣言する。
「俺はハーレムを築く!!」
おっおまえ、ハーレムってww
ジンらしすぎると思い笑いながら聞く。
「なんだ?宣言してどうしたんだ?」
「やっぱ気合入れないと思ってな」
ジンも笑いながら答える。
「俺はハーレム作るかわからんぞ?」
「お前昔から一途なとこあるもんなぁ。じゃあ、もし魅力的な女性が何人もいたらどうすんだ?」
「そん時はハーレム作るんじゃないか?」
「そうか、じゃあ互いに頑張るか!」
「頑張るって…ハーレムもそうだが、世界平和を忘れるなよ?」
「わかってるよ」
そう言うとジンはもう言うことはないと言わんばかりに満足そうな顔をする。
ほんとに俺達らしい別れ方だな…向こう行ってもすぐに会えないだろうに…。
俺は苦笑しながらノアに言う。
「てことで言いたいことは言った」
「わかりました。それでは準備に入ります。」
ノアはにこやかに微笑むとノアの身体中から白い光が
溢れ出す。その光は徐々に大きくなり俺達のことを包みこもうとする。
ジンの方を向くと目が合いジンは親指を突きつけdポーズで言ってくる。
「じゃあな!」
なので俺も親指を突きつけbポーズを取りながら
「じゃあな!」
ジンに答える。そして光の奔流に飲まれていった…。
目を開けると先ほどとは違う真っ白な空間になっていた。目の前にはノアがいるが、ジンの姿はない。
「ようこそ福島様、お待ちかねの特典タイムです。」
「どうすればいい?そこの水晶に手をかざせばいいのか?」
ノアと俺の間に机があり、水晶と真っ白な紙が置かれている。
「説明が楽で助かります。それでは水晶に手を置いて貰えますか。」
ノアに言われたとおり水晶の上に手を置く。すると水晶が白色に輝きだす。さらにノアが質問してくる。
「あなたは、どんな力を望みますか?」
「俺が望む力は…やっぱ万能な力かな多種多様な力は持ってて1番困らないと思うし…」
おそらく、この質問はステータスないし成長する方向性、あるいは覚える能力のものだろう。万能ならば平均的なステータスだったとしても一般のものよりは高いだろう…
だが、あることを思い出す。ずっと昔に後悔したこと…気持ちを切り替えて歩き出し、それでもふとした瞬間に思い出すとチクりと胸を痛める。
本当はいるはずだった、妹のことを…
「すまん、俺が望む力は万能な力だ…でも本当に欲しいのは、俺が救いたいものを救う力が欲しい!」
ノアは目をパチクリさせ、水晶の方を見ると眩しいくらいの笑顔を見せてくれた。俺も吊られて水晶に目を向けると水晶が緑色に輝いていた。
「よかったですね。きっとあなたの望んだ力が手に入りますよ。」
ノアがそう言うと白紙だった紙に文字が書かれていく、明らかに日本語でも英語でもない見たことない文字だ。考えている間にも文字は書き進めれていき紙の下までいくと一瞬カッとひかる。
「これで、最後にやることは終わりです。異世界ライフを楽しめることを祈っています。」
足元が光り出し、異世界転生が始まることを予感させる。
「ありがとう、楽しめるように頑張るよ。」
「お二人なら必ず元の世界に帰れると信じてます。」
「居心地が良かったらそのままいるかも知れないけどね。」
俺はそう言うと光に包まれた。
カブトは実は姉の他に妹がいました。
福島 若と言います。
カブト達が小さい頃海へ遊びに行ったときに
溺れてしまい、カブトはそのとき凄く後悔します。ジンや周りの人の助けも会って少しずつ前のように明るくなり、立ち直ることができました。
が、それでも時折胸を痛めるようです。
辛気臭くなってしまいましたが、次回が終わればいよいよ異世界生活がスタートします!