ジェイド・ブルーフィズ 中編
ジンの中編です。
とりあえず調べてわかったことは
STR=力 CON=耐・持久力 GRD=防御力 INT=知力
AGL=敏捷性 DEF=器用さ LUK=運 MAC=魔力
究極の防御技=自動防御
究極の召喚技=生体召喚
自動防御は発動しておくと防御できるなら勝手に防御してくれるらしい。対象も俺の成長次第で範囲対象にもできるようになるらしい。
生体召喚…これがヤバい。生体召喚単体の効果だけだと自律意志のある生命体を召喚〔俺に敵対行動はしない〕だけなのだが…俺の他のスキルのせいでかなり強力なのができそうなのだ。
だが、3歳の時点でスキルの存在に気付けたのはデカい。といのもこの生体召喚…最速だと1ヶ月で召喚できるのだが、時間をかけるほど強くなるのだ。
デメリットは召喚の準備中は他の召喚技が使えないのである。なので生体召喚を使用してしまうと最低1ヶ月は普通の召喚も使えなくなる。だけど3歳という低い年齢なら、そうそう危険なこともない。なので俺はたっぷりと長い年月をかけることにしたのだ。
早速、究極召喚スキルを発動する。
『【星穿龍】究極召喚スキルが発動されました。』
俺の目の前に水晶が現れる。触ろうと思って触れようとするが通り抜けてしまう。
『現在、生体召喚に必要な時間が足りていませんので、生命核に触れることはできません。』
この水晶は生命核と言うらしい。
『どのような生体を希望しますか?』
人間で同い年くらいで強いやつで!
『かしこまりました。生命核を変化します。』
え?軽い感じで思ったら通っちゃたよ!?
大丈夫かなこれ…?
『一子相伝スキルにより、能力を与えることができます。能力を与えますか?』
やっぱり一子相伝が使えたか…これが先ほど俺がかなり強いと思った要因である。俺はイエスと念じる。
『【星穿龍】一子相伝スキルが発動されました。可能な限りスキルを与えますか?』
おっ?そこまでやってくれるのか便利だな。
俺はイエスと答える。
『かしこまりました。スキルを付与します…………
【水瀑龍】用意周到スキル、【星穿龍】一球入魂スキルの2つのスキルが検知されました。
【水瀑龍】用意周到スキルの対象を選択してください。
また【星穿龍】一球入魂スキルを使用する場合、
【水瀑龍】以外のスキルを付与できません。』
えーと?確か一球入魂スキルが…
一球入魂:譲渡・強化系のスキルを発動時に1つしか譲渡・強化できないが、飛躍的に能力を上昇できる。
あっ…表示してくれるんですね。
えーと、つまりは一点特化型ってことか…でも【水瀑龍】のスキルは与えれるってことだな。特殊スキルだから干渉できないのかな?
用意周到のスキルは覚えている。ステータス、スキルを1つ上昇だったはずだ。
用意周到:任意のステータス・スキルを1つ上昇させることができる。
はい、ありがとうございます。ホント優秀ですね…
もうあれだ、ノアペディアと呼ぼう。
まぁ俺の記憶の通りだったし確認してみるか。
用意周到のスキルで一球入魂のスキルを上昇できないのか?
『はい。特殊スキルどうしのスキル干渉はできませんので、それは不可能です。』
やっぱりか…じゃあ用意周到のスキルで月属性を上昇させてから一球入魂のスキルで月属性を上昇できるか?
『はい。それは可能です。』
なるほどステータスごしに干渉するのは問題ないらしい。
ちなみに月属性というのは七属性の中の1つで他に火・水・木・金・土・日とあり、個人によって適正がある。この適正によってスキルや耐性などに変化ができるわけだ。
例えば火の適正がない者が下級火魔法を覚えたいとする場合。消費SPは3だが、適正のある者は2になる。さらに火の適正が高い場合1になったりするわけだ。
俺の場合は【水瀑龍】と【星穿龍】のスキルのおかげで水と月属性の適正がかなり高いらしい。これはノアペディアさんにより確認済みである。
なので、その月属性を上昇させてつぎ込もうというわけである。
『【水瀑龍】用意周到のスキルが発動されました。
月属性のステータスが上昇します。
また【星穿龍】一球入魂のスキルが発動されました。
月属性を生命核に与えます。』
生命核の色が紫色に変化していく。
『生命核が成長期間に変化します。生体召喚が可能になりしだいお伝えします。』
これで、とりあえずは大丈夫だな…
「お昼寝の時間は終わりですよー。」
セナ・ヒュースティアが呼びかけている。
どうやらちょうどお昼寝の時間が終わったらしい。
俺はステータスの表示を閉じて、体を起こす。
そうして、また遊び部屋で過ごしていった…。
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あれから1年以上が経過した…。
そう、ノアペディアさんからお知らせがきたのだ。
『生命核の成長が成長限界に到達しました。これ以上の成長は望めません。』
!? ついに限界がきたか…いや実際3か月くらいが限界だと思ってたんだよね。
「ジー君どーしたの?」
俺が唐突に立ちだしたせいで一緒に遊んでいたアロエに声をかけられる。
「いや、なんでもないよ。何か見えた気がしたけど気のせいだったみたいだ。」
俺がアロエにそう返すと
「そっかぁー。」
と笑顔を見せて砂遊びに戻る。
この女の子はセナの娘でアロエ・ヒュースティアという。肩まで伸びている緑髪をツインテールにしている。気弱でおとなしいが優しく可愛らしい女の子だ。
年が同じなこともあって一緒に遊んでいる。
昼寝タイムは終わったし夜にするか…
そう考えて俺は砂遊びに戻る。
意外と童心になれるというか…子供の遊びって久しぶりにやると楽しかったりするよね?
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というわけで夜である。
俺は気づかれないように布団から抜け出し外に出る。
辺りは静まり返っており、肌を撫でる冷たい風が心地よい。
さて、やるか…
俺は究極召喚を発動する。
目の前に紫色の生命核が現れる。最初の頃に比べ色も濃くなっており、力強さを感じる…。
成長限界に到達したんだろ?次にどうすればいい?
俺はすっかり慣れたようにノアペディアさんに聞く。
『それでは生命核に触れてください。持てるようになっているはずです。また、生命核を持つと周囲の人々が生命核の存在を視界に捉えることができるようになるので注意してください。』
ノアペディアさんが忠告までしてくれる。俺の努力の結果である。おそらく最初の頃のノアペディアさんだと忠告はしてくれなかっただろう…俺好みになったもんだ。
俺は周囲を確認して生命核を持ってみる。本当に実体化したようだ。
『それでは最後に生命核を所持した状態で〔究極召喚〕と強く念じてください。生命核が変化し生命召喚がされます。』
俺は〔究極召喚〕と念じる。
すると、生命核が輝きだして俺から離れる。
これは昼寝タイムにやらなくて正解だったな…。
光はやがて人の形を形成していき…俺と同い年くらいの男の子になった。そう全裸でな。
俺はこうなる可能性を考えていたので昼間、外に隠しておいた着替えを持ってきて着させる。
「とりあえず、これを着ろ。」
「了解した。」
男の子は不都合なく衣類を身につけていく。
俺は下級光魔法の[ライト]を発動する。
俺の半径1mほどが明るく照らされる。
そのおかげで男の子の素性がわかった。
男の子は黒に近い紫色の短髪をしており、年をとればイケメンになるなと思わせる顔立ちをしている。
俺の髪が黒に近い黒っぽい青で短髪だから、それに影響を受けているのか?まぁそれはいい…
「今の状況がわかっているか?」
着替えの終わった男の子に尋ねると力強く頷き言葉を返してくる。
「ああ。俺はお前によって生み出された。まさか、こんなに素晴らしい存在になるとは思っていなかった…感謝する。」
男の子は俺に頭を下げてくる。
「そういうのはいい…それと俺の名前はジェイド。
ジェイド・ブルーフィズだ。」
「ジェイドか…了解した。ではジェイド、俺は何と名乗ればいい?」
「名前は俺がつけるのか?決まられた名前とかないのか?」
「俺はジェイドのおかげで生み出させてもらったからな…ジェイドに決めてもらいたいのだ。」
うーん?名前か…そうだなぁ…。
「じゃあ、ルシファーだ!」
「ルシファーか…何か意味があるのか?」
「ルシファーってのは堕天使の名前だよ。天使から悪魔に身を落としたやつでな…それから取った。」
「ジェイドはずいぶんと博識なのだな。俺と同い年くらいだろう?」
「その理由は後で話すよ。それよりこの後どうするかだが…お前1人で生きていける自信があるか?」
「それはまた唐突だな…まだ5歳にもなっていない子供に1人でいけとは。」
ルシファーは苦笑しながら言ってくる。
「まぁ、これにはいろいろと事情があるんだよ…」
俺はルシファーに祝詞を教えてステータスを確認させる。俺も能力閲覧でステータスを見てみる。
名前:ルシファー
種族 :新人族 性別:♂ 年齢:4歳
職業:堕天使. 悪魔. 空きスロット2
レベル:1
STR70. CON70. GRD70. INT100.
AGL70. DEX80. LUK70. MAC80.
スキルポイント…10
固有スキル:【天使】【悪魔】
特殊スキル:【重世界】
スキル:なし
称号:堕天使
いやいや!なんで職業が堕天使になってんだよ!?
あれか?俺が堕天使だよって言ったからか?全くもって意味がわからねぇ…。
固有スキルも天使と悪魔って…どうなってんだよ…。
『【天使】聖光耐性、聖光攻撃、能力閲覧です。
個別の能力を解説します。
聖光耐性:聖・光系の技の耐性が上昇します。
聖光攻撃:聖・光系の技の攻撃が上昇します。
能力閲覧:視界に入った者のステータス、スキルを見ることができるようになります。
【悪魔】闇耐性、闇攻撃、聖弱点、能力偽造です。
個別の能力を解説します。
闇耐性:闇系の技の耐性が上昇します。
闇攻撃:闇系の技の攻撃が上昇します。
聖弱点:聖系の技を受ける時ダメージが上昇します。聖耐性系のスキルがあれば無効されます。
能力偽造:ステータス、スキルの偽造ができるようになります。』
ありがとうノアペディアさん。重世界も教えてくれるかい?
『はい。【重世界】重力操作、引力操作、斥力操作です。個別の能力を解説します。
重力操作:重力を操作できるようになります。効果範囲の拡大もできるようになります。
引力操作:引力を操作できるようになります。効果範囲の拡大もできるようになります。
斥力操作:斥力を操作できるようになります。効果範囲の拡大もできるようになります。』
お、おう…スゲェなこれは。
ルシファーもステータスを見て驚いたが、今は近くにあった石を引力・斥力操作のスキルでキャッチボールならぬキャッチストーンをしている。
どうやらスキルを試しているようだ…。
キャッチストーンをしながらルシファーが話しかけてくる。
「それにしても…ジェイドはスゴイな。俺を生み出すくらいなのだからスゴイとは思っていたが…正直、半信半疑だった。」
ルシファーが言う。俺のステータスを見たのだろう。
「それに…【転生者】か…。」
「ああ。それがさっきの後で話すって言ったことだ。
俺は別の世界からこの世界に転生した。だからこの年でも博識なわけだ。」
「なるほどな。でも俺に教えてよかったのか?」
「もちろん、秘密にしてもらうさ。それにステータスも偽造する。この先わかることはそうそう無いだろうな。」
「じゃあ何故俺に…そうか、先ほど俺に1人で生きていけるか聞いたのと関係があるんだな?」
おお!頭いいなこいつ。
「そのとおりだ。お前には…」
俺はニヤリと笑いながら告げる。
「お前には…魔王になってもらいたい。」
ルシファーのステータス高いですね。だてに1年ジックリコトコト煮込んでませんねw
それにしても魔王になってもらうとか…ジンはダークサイドに落ちたんですかね?
というわけで後編に続きます。