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私立セクマイ高校女装部  作者: 小野寺広目天
第四章 姫武台祐希
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4-7

「ごめんなさい!」


「は……?」

 ユーキは、頭に手をやって、ウィッグを脱いだ。

 一学期の間に少し伸びたショートヘアが、ばさりと広がる。

「お、オンナァ!?」

「はい、女です。その……コスプレです、これ」

「マジか!?」

「おまえこんなのにやられたの?」

 呆然とするニット帽に、フードキャップの男が言った。

「んなバカなことあっか! 女だぞ」

「はい、女です。なので、その……喧嘩とかは、ごめんなさい。できません……」

 祐希は怯えたふうに言った。

「あの……人違い、ですよね? 女の僕ひとり呼び出すために、わたし(圏点)の友だちを二人も誘拐したわけじゃ、ないですよね?」

「ヤベエんじゃないっすか? これ……」

「……知るかよ! おい、こいつらも女なら、ヤっちまおうぜ!」

 ニット帽は言った。だが、他の連中は沈んだ表情でなにも言わない。

「おい、なんだよオメーら……。あと二人だぜ? ヤれんだろ?」

「ケンちゃん、そうじゃなくってさ。窓の外……」

「あ?」

 ケンちゃんと呼ばれたニット帽が外を見る。

「あ!」

 その窓には、赤いランプが回転しながら影を作っていた。

 階段を登ってくる足音が聞こえる。

「おまわりさん、三階です!」

 ラブミさんの声がした。何人もの足音が後から後から続く。

「あの、その……誘拐は悪いことだと思ったので、おまわりさん、呼びました。勝手なことしてすみません」

「ち、畜生!」

 ニット帽はそう叫ぶと、四つん這いになって床を叩いた。

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