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鈍い音が、響いた。
痛みはなかった。麻痺してしまったわけではない。
スキンヘッドの男が俺に向かって倒れてくる。
「間に合ったぜ」
ドアを開けて飛び込んできたのはユーキだった。
ユーキが手近にあった別のバットでスキンヘッドの男を倒したのだ。
「ユーキ!」
「てめえ、どうやってここを!」
ニット帽が言った。
「君たちのお粗末な頭じゃ、理解できないかもね」
ユーキの後ろから、タブレット端末を持ったマメさんが歩き出る。
「さんごちゃんがビクビクしながらお店を出るものだから、鞄にこっそりとわたしの携帯を忍ばせておいたんだ。あとはそれを追跡するだけ」
そうだ、そういえばマメさんの携帯はなくしてもすぐ見つかる機能があるんだっけ。
それを使えばこうやって発信機みたいにすることもできるのか……。
「君たち、さんごちゃんから携帯取り上げた時、二台あるのに気が付かなかったの? 電源もつけっぱなしだったし」
「うるせえ! てめえには関係ねえ!」
ニット帽が怒鳴り、バットを拾った。
「人質がいることを忘れんなよ! いくらてめえが強くても、女を守りながら戦えねーだろ!?」
ニット帽が言った。だが、ユーキは何も答えない。
「大人しく殴られりゃ、この二人は助けてやる」
だが、ユーキは答えない。
ニット帽も喧嘩の強いユーキを恐れているのか、すぐに手は出せないようだ。
「何とか言え!」
ニット帽が怒鳴って、俺を蹴った。
ユーキが口を開く。
「ごめんなさい!」




