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私立セクマイ高校女装部  作者: 小野寺広目天
第三章 島海老慎之介
38/47

3-9

「おまえ、女だったのか?」

 ユーキに言われて俺は正気に返る。

 客出しを終えて、教室には演劇部員だけが残っていた。裏方の先輩たちはさんごも含め、外の片付けを始めている。

「……違う」

「こんな立派な乳もってやがって、何が違うだ!」

 ユーキが乱暴にキャミソールの中に手を突っ込んだ。

「あんっ」

 思わず俺は甲高い悲鳴をあげる。

「くそっ、やっぱり本物の乳じゃねえか! この柔からさ、体温!」

「ユーキ、何怒ってるの!」

 ラブミさんが言った。

「仮にクマちゃんが女だったとして、それを責める権利はユーキにあるの?」

 そりゃそうだ。ラブミさんの時に怒った海老さんをボコボコにしたのはユーキである。

「まあ、まあ。とりあえず落ち着いて」

 マメさんがなだめた。

「明宏くんはちゃんと男の子だよ。胸はあるけど、間違いない。それは僕が証明する」

「じゃあ、この乳はなんだってんですか」

 マメさんは、俺を見て言った。

「自分で言ったほうがいいだろう?」

 ……ここまで来たら、隠し通せないだろう。

「女性化乳房症、って言います。理由はわかりませんけど、身体のホルモンのバランスが崩れて、こうなりました」

「そっか……。じゃあ、ただ胸がある男の子ってわけなんだね」

 ラブミさんは自分の胸に手をあてて言った。

「はい」

「わたしたちとは違って」

「……はい。いえ、そう違いはないかもしれませんけど。女装部に入って救われたように思ってるわけですし……」

「まあねえ。違いをいちいち細かく追求してたら、性の世界はきりがないからねえ」

 マメさんがつぶやいた。

「わかった。それじゃああとで詳しく聞くかもしれないけど、今はお片付け優先! とりあえずこのことはわたしたちだけの秘密ってことで、いいね?」

「はい」

「喋った人は厳罰ってことで」

「また俺とキスさせるのか……」

 海老さんはぼやきながら、舞台袖のついたてを畳みはじめた。

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