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11.魔王サイドの回収係

「これはなんだ?」


 魔王サイドの二番部隊の隊長であるレドワールは、怪訝な顔をして手元に現れた長方形の物体を見つめた。


 いつも通り、この時間帯は魔王様から仰せつかった『回収』を行っている。この仕事の目的は、敵国であるデアルーン共和国の情報を少しでも集めるためだ。

 戦争にはとにかく情報が必要だ。


 相手の現在の情勢や、所有している武器、今後の方針、住民の暮らしは裕福で余裕がありそうか、それとも相当切羽詰っているのか? などを見極めてこちらも最適な準備をとらなくてはならない。


 相手国に感づかれぬよう、情報を収集しているのは人ではなく、『ゴミ箱風のワープ装置』だ。その中に捨てられた新聞や、本、服、料理のゴミを集めて分析し、デアルーン共和国の現状を大まかに推測するのだ。


 念を入れた分析の結果『デアルーン共和国は貧困な層が多く、備えている武器も稚拙だ。敵ではない』というのが我々の総意だった。


 新聞に書かれてある記事は大して役に立たない事件ばかりで、稀に載っている軍事関係の記事も取るに足らないものばかりだった。


 服や食料の方も、年々量が減少している。三年前によく見られた大きな魚の骨や、パンの袋、肉料理に使ったのだろうコンロやタレも最近は全く見ていない。服脳もそうだ。綺麗なドレスや、スーツも最近は全く見ていない。ボロボロの着物が私のもとに来るだけだ。


「久しぶりに新しいものを見たは……これはいったいなんだ?」 

 毎回同じものばかりが送られてきて、流石に飽きていたところだったからちょうどいい。レドワールは真っ黒に染まった液晶の画面を弄ってみる。

 しかし起動しない。エネルギーキレ化、それともどこか他にスイッチがあるのだろうか?


「魔法で起動させるか」

 右手から紫色の光を放ち、長方形の謎の物体に浴びせる。

 途端、液晶の画面が光りだした。そして、大きな声をだしてきたではないか。


「酔拳少女、もえもえちゅうううん!」

 思わず手を滑らせて落としてしまった。

 いきなり幼い女の声が無機質な物体から聞こえてきたのだ。驚くのも無理はない。


「なんだこれ……」

 取りあえず、スタートボタンと書かれてあるボタンを押してみる。

  瞬間、音楽が流れだした。

「きゅーんとしちゃう心はキュン、キュン! キュン、キュン!」

 なんて恥知らずな女の子なんだろう。顔を火照らせ、ほとんど裸に近い服装で大胆な踊りをしている画面の中の女の子に、同じ女性ととして呆れてしまう。

「しかし、この音色……どこかで聞いたことがあるわ」


 考えてから二分後、レドワールは答えに辿り着いた。

「私達魔族がだす魔力の音だわ!」

  これは緊急事態だとレドワールは体を震わせる。

 我らが魔族の最大の武器である魔法を精製するには、魔力が必要不可欠なのだ。 練った魔力を体に五つあるタンクのようなところに入れ、魔法を作る。

 それが封じられてしまったら、戦闘力は激減だ。絶対にばれてはいけない秘密だ。


「それに気づかれ、しかも対処されているというのか……?」

 半分そう考え、半分気のせいだろうと思っていた。見たところ可愛い女の子と音楽を楽しむゲームにしか見えない。こんなものが我々を倒すための武器だとは考えにくい。

 しかし、相手はデアルーン共和国だ。さっき入った情報では、魔王サイド随一の戦闘力を誇る部隊がデアルーン共和国の人間に一人残らず消されたらしい。

 十分な注意が必要だ。

「魔力のリズムを変えることを進めるか? それともタンクの場所? 取りあえず、かなりの時間とお金を費やさなくては」


 急いで魔王様と勇者に伝える。

 戦争は、熾烈を極めることになりそうだ。


リュウジロウーがポイ捨てしたスマホはなんと魔王サイドの人間に取られてしまいました!

果たしてどうなるのか??

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