表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10/30

10.一時の休息、そして終了のお知らせ

矛盾してるところを改善する予定です!

 外の心地よい風にあたり、落ち込んでいた心を癒していく。

「風が気持ちいな」 

 ポッと呟いてから、自分の言葉に疑問を浮かべた。地球では学校がある日以外は自室にこもっている自分が風を語るなんてどうかしている。


 俺は、この短期間で何かが変わったのだろうか。確かに今の自分は、あの頃の、ゲーマー最強時代を築いていた自分とは違うかもしれない。積極的に動き、周りの人間に指示を出すなんて昔の俺からは考えられない成長だ。親が手放しで喜びそうだ。


「親か……父さん母さんは元気にしているだろうか」

 柄にもなくそんなことを呟く。この世界に来てから休む暇なくイベントが続いていたため、俺は別世界に連れてこられたという事実をあまり実感していなかったのかもしれない。


 確かに地球では嫌なことしかなかった。友達はいないし、女子からも嫌われて俺は一生童貞だろう。勉強も保健体育と美術以外は平均より下の成績で、運動神経もない。でも、あそこには家族と、なにより俺の希望が詰まっている無数のゲームがあるのだ。 


「ゲームがやりたい。ゲームがやりたい。ゲームがやりたい」

 そうだ、俺はゲームをやりたいんだ。魔王と勇者の戦いも一種のゲームだが、あれは命がかかっているうえに、自分の判断が必要とされる、俺が一番不得手なゲームだ。


 自分で物語を作れなどというプレイヤーに丸投げのゲームはゴミだ。最初から展開が決まっているオフラインゲームこそ至高。

 「でもな……スマホに入っていたファンタジーゲームはつい最近親に消されたし……仕方ない。【酔拳少女まおまおちゅん】でもやるか」


 数学のテストが赤点だったことを恨みつつ、俺はスマホを起動した。

 そしてすぐに電源が切れた。

「は?」

 もしかして壊れたのかと危惧したが、そんなことはなかった。スマホのバッテリーがとうとう切れたのだ


「あの野郎ううううううううううううう!!」

 筋肉ダルマコンビめ、あいつら遠慮というものを知らない。どうすんだよこれ、もう魔王サイド対策できないじゃんか!

「スマホを充電できるような電池はないらしいしな」


 ウンケルによると、この世界は電気の類は存在せず、【カロン】という大掛かりな機会がこの国を明るく照らしているらしい。その稼働時間は年中無休らしいからこの国が暗くなるときはめったにないそうだ。どこかで聞いたことあるような国だな……

「もうこれガラクタじゃん。いらね」


 名残惜しいが、使えないんじゃ仕方がない。このまま持っていても邪魔になるだけだ。


 別に失って困ることがない。電話もできないし、メールもしないしな。唯一、【酔拳少女まおまおちゅん】が二度とプレイ出来なくなるのはちとキツイが、耐えられるだろう……たぶん。


 俺はスマホを近くにあったゴミ箱に捨てた。

ゴミ箱の中に入った瞬間、スマホがいきなりヒュンその姿を消し、ゴミ箱ごとどこかへいってしまった。


「……まあ、いいや」

 もう考えるのが面倒になっていた。多少のことではいちいち反応しなくなれるように頑張ろう。

「俺さーん、ちょっと来てくださーい」


 扉の向こうからウンケルの声が聞こえる。今度は何が起こったんだ?

「次から次へとイベントが来るな……これだからリアルゲームは」

 ぶつぶつといいながら、俺は短い休憩を終わらせ、部屋の中に入っていった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ