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記憶の森  作者: sarsha
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序章

 私が今から話すことは、もうどれくらい昔のことか分からないくらい昔の事だ。だからこそ、人々の記憶の中から消え去り、私にしか語ることが出来ない事となった。


―その遥か昔、3人の勇者がいた。


1人は陸を愛する勇者メモリアント

1人は海を愛する勇者シーザライス

1人は空を愛する勇者スカイロン


 この3人が出会った時から、歴史の歯車は、ゆっくりと回り始めた。幾度の困難を乗り越えた3人の勇者は、出会いのしるしに、3本の木を植えた。


1本はメモリアントにより陸に

1本はシーザライズにより海に

1本はスカイロンにより空に


 その3本の木は、枯れる事の無い"記憶の木"と名づけられた。しかし、3人は自分の手で未来を掴むために、それぞれ旅立った。そして、やがて国ができた。


陸の国メモリアント

海の国シーザライス

空の国スカイロン


 3人は再び集まり、共に同盟を組んだ。そして、誓った。毎年1回、集結し、共に杯を交わそう、と。けれども、月日というものは酷いもので、その誓いの記憶もだんだん薄れていった。


 人間という生き物は、己の欲望に溺れる者だ。どこの世にも、どこの時代にも、世を乱す者がいる。殺しては奪い、殺されては奪われる。ただ、それを繰り返すだけ。3つの国は互いを傷つけ、自分を傷つけていった。


 "記憶"というものは、とても影響力をもつものである。しかし、"記憶"というものは儚いものでもある。人間の"記憶"はすぐに薄れ、忘れていく。3人の勇者ですら、人間たちの"記憶"の中では、"かつての英雄"でしかない。


 私から見れば、人間なんてちっぽけな存在だ。"かつての英雄"、メモリアントは言った。


「我々人間は小さな存在であり、愚かで、何も出来ない。だからこそ、群れで行動するのである」


 人間は過去から何も学ばない。過ちから、何も学ばない。やはり、私から見れば、人間は愚かな存在なのだ。争いを繰り返し、傷つきあった3つの国は、次第に互いの国のことを忘れていった。


陸には、緑豊かなメモリアントがあったことを。

海には、光り輝くシーザライズがあったことを。

空には、美しいスカイロンがあったことを。


 幾千年の時を重ねるうちに、それぞれの国は別の道を歩むことになる。


 人間の"記憶"が薄れていく中、語ることが出来るのは私だけ。しかし、それももう出来なくなる。私には、「危機」から逃れる力はない。


 そして、現在。諦めかけていた私の前に、奇跡が起きた。再び、3国が手を結ぶときがきた。私は、手を差し伸べて助けることは出来ない。


 しかし、私はその3人の勇者に、賭けてみることにした。どのように3人が、この冷え切った世界を変えるのか。その先に待つ未来は、平和な世の中になるのか。


 ここに今、私の"記憶"にない新しい歴史が刻まれる。"記憶の森"に迷いし3人の勇者よ。この世を変えてみよ。そして、これから訪れる、史上最大の危機を、乗り越えてみよ。




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