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エピローグ
庁舎の外で、
星野が待っていた。
「どうだった?」
「効率、悪かった」
「褒め言葉?」
「多分な」
星野は、少しだけ笑った。
「あなた、
結局、
中に残ったのね」
「追い出されただけだ」
「それを“残った”って言うのよ」
夕暮れの空は、
やけに穏やかだった。
世界は、
何も変わっていない。
制度も、
常識も、
すぐには動かない。
でも――
読める人間が、増えた。
それだけで、
十分だ。
たぶん――終わりじゃない。
終わりじゃないから、歩ける。
俺たちは歩き出す。
世界の“常識”を、
今日も少しだけ、
ちゃんと読むために。




