表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
捜鷹記  作者: 檻の熊さん
11章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

70/78

飛梟回生2

 消化管が閉塞する事故のとき、「おかしいな」となるのは全て翌日からです。閉塞を来した原因と成ったであろう物を食べた給餌当日は、なんら異常はありませんでした。その日の朝は、いつも通り鷹はウチを出し(排泄を行い)、成分も正常で、元気で、箱の中で暴れるといった活性を示しておりました。もちろん、その日はいつも通りに給餌を兼ねて飛ばして、帰っただけでした。


 翌日(1日目)、鷹は元気だったのですが、排泄物に異常がありました。糞成分が無いのです。油ウチと呼ばれる絶食便も見当たりません。周囲に胃液の様な物がまかれてはおりますが、吐き出されたペリットも見当たりません。「ペリットを食べてしまった?」あるいは「詰まったか?」とまでは思ったのですが、とにかくハンドレアードの「元気」というのはかなり荒々しいので、食べさせないと酷くなる事があり、事実私はそれで顔面を攻撃されて流血の大惨事に遭っておりますから、その日も食餌を与えました。ちょうどその日は強風で飛ばせなかったので、拳の上で与えただけでしたが「いつも通り」鷹は与えられた物を完食しております。「明日には大きめのペリットが出るかな?」、それくらいのつもりでおりました。しかし、考えてみれば後から次の食餌を「押し込む」ことで、閉塞を(うなが)してしまっている。いつもは入れると中で暴れている鷹が、箱の中で大人しくして居たのが気になりました。


 2日目。朝確認すると、夜の間にかなりの量のペリットと異臭を放つ肉が吐き出されておりました。元々、猛禽類の給餌には潜在的な危険が伴うので、私は食餌の体内での腐敗を防ぐ意味で、抗菌薬を普段から飲ませております。これは使役を行う期間中続けるルーチンワークです。お陰でそれほど酷い臭いではなかったのですが、やはり腐敗を始めた肉でした。普段から、予防をしていて良かったと思いました。これで「すっきり」してしまえば、翌日からは「いつも通り」に戻る事でしょう。いつも通り飛ばして、餌を与えております。夕方には元気が戻ったのか、大きく後方にウチが飛んでおりました。便成分の有無は、外だったので確認しておりません。


 3日目。大きめの黒いペリットの吐出が見られた。便成分の排出はありません。わずかに粘血状の成分が混じっているのが認められます。箱の中に入れても大人しくして居る鷹。拳の上では相も変わらず「良い感じ」で、周囲を見ている。なんなら、この日は獲物にも絡んでおります。しかし、1日中何回か排泄物を確認したけれど、便成分が混じる様子がありません。私は閉塞を確信しました。


 絶対に死ぬ訳ではないので、こういう体験を機会に問題行動が解消に向かい、復調を果たし、諸々が全て上手く収まる事もあり得ます。どちらにも転ぶ可能性がありますから、投薬を続け、排泄物の様子を見たり、屋内で少し飛ばしてみたり、そんな事を続けます。過去に、二週間以上かけて閉塞の原因と成っていたペリットの素材が「はずれた」ことがあります。なにしろ鷹は普通に見えるので、生きている限り、希望を持っていいのです。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ