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捜鷹記  作者: 檻の熊さん
6章

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蒼穹6

 拾ったハヤブサは、まごうことなき餓死寸前の「行き倒れ」でした。何の事はない、若い鷹にありがちな、十分な獲物を獲る事が出来なくて行き倒れた、そういう個体です。前日は雨後の強い風が吹いた日だったので、そこで力尽きたのだと思います。調べてみると、数種の消化管内寄生虫感染が見つかり、こちらの方でもしかしたら痩せてしまい、体力を損なって獲物が獲れなくなった可能性が考慮されました。


 「野鳥救護」と申しますが、近頃は色々と難しくなりました。その最たるは、高病原性鳥インフルエンザ(鳥インフル)の流行です。全国的に、だいたい10月くらいから始まって翌年の5月くらいまで流行が続く、嫌らしい伝染病です。私の場合、免疫抑制剤を服用しているので感染症にかかり易く、既に海外でそういう事例があるそうですが、病鳥の看護をしていた人(易感染性のある人)が鳥インフルに感染して死亡しております。「病気に見えるトリ」を触ったりするのは元より、同じ空気を吸ってしまうので、同室するだけでも命の危険があります。

 「そもそも」という話に成りますが、その辺に落ちている野鳥というのは、つまり「自然界の生存競争レース」に敗れた落伍者(らくごしゃ)です。そのまま死ぬのが本来の道筋だし、何か動物や昆虫に食べられる事によって(かて)となり、他者を生かすのに貢献してもらうはずの存在です。それを自然界から引っこ抜いてきて「治療しよう」というのは、言ってしまえば「干渉」で「妨害」で、本来ならあり得ない行為なのです。


 正直なところ、わんわん(わんわん)の件が無かったら、その姿がわんわん(わんわん)に見えなかったら、放かっておいたと思います。何より自分の命は大事ですし、トリが感謝してくれる訳でもありません。もちろん、トリの方で「助けて」と言っている訳でもないし、なんなら私を見て逃げようとする野鳥の話です。「(ただ)のお節介さん」、間違いなく私のやった事はそれだけです。


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