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捜鷹記  作者: 檻の熊さん
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入院2

 入院当日の時点で、私の生命はかなり危険な状態にあったようです。再三書いております通り、「自覚症状に乏しい」のが皮膚筋炎という病気で、中でも間質性肺炎は、治療に対して抵抗性で難治な上に、患者が「平気な顔をしている」のが特徴です。「いつも通り、夜寝たら、朝には死んでいた」という死に方が、「よくある」として問題視されます。

 「皮膚筋炎」と言うくらいですから、外観から分かるのは皮膚と筋肉(筋力低下)の病気なのです。ところが、この病気を有名にしているのは水面下で問題を起こす難治な間質性肺炎の方だそうで、私の場合もご多分に漏れず、胸部CT像で間質性肺炎が見付かっており、入院当日の血液ガスの数値は61%でした。元は100%くらいあって「当たり前」な、検査数値です。担当の医師から「今日明日くらいには死ぬ事がある」ことを告げられ、酸素吸入から始まってICUに入ることを勧められたりしました。

 いえ、ICUは一晩で120万円ほど消し飛ぶそうで、自覚症状の無い私は「苦しくない」のを良い事に、決して同意いたしませんでした。いいえ、1バイアル使用しただけで125万円使うことになる免疫グロブリン療法とかですね、別な意味で心臓に悪い治療が、たくさん必要になる病気が皮膚筋炎だったのです。

 こんな書き方をしたら笑い話ですが、実はこの頃、私は正常な発声が出来ませんでした。なんとなれば、声帯を震わせる筋肉が皮膚筋炎により損傷を受けており、どんなに頑張っても息切れをしているみたいな囁くような声しか出せず、しかも前日にソコソコ喋ると翌日には全く声が出せなく成るという状態だったので、「大声を振り絞っているつもりで出している、囁く声」で受け答えをしております━━━━━━鷹を呼ぶとき、声ではなく餌合子(えごうし)を使っていた訳だよ。

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