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捜鷹記  作者: 檻の熊さん
16章

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仏の座

 「黄色いリンゴが食べたい」、色々あって間違いだらけ、人をたくさん殺した主人公が自らも処刑される直前になって望んだのは、取るに足らない「幸福」だった――――――その象徴が黄色いリンゴなんですね。『幸せの黄色いハンカチ』のオマージュだと分かるのは、私らおじさん世代だけ。『閃光のハサウェイ』は、つくづく私ら向けの作品だったらしい。


 久し振りに、北海道に居た頃の夢を見ました。そこでは、今も自分は頑張っていて、なんとかして新しい場所に移って、動物病院の経営を続けようとしておりました。大きく息を吸って吐いて深呼吸が出来る、胸が苦しくない、痛くない、疲れない、体が動く、腕が重くない、背中が伸ばせる、なかなかそれが難しい。

 目を覚ますと、手の平に痛みは無いけれど、むくみがあり、拳を握るとやや抵抗がありました。頭の芯のクラクラした感じ、なんとなく頭痛を伴う感じは、北海道に居た頃からあった。体の中から(ちから)の湧いてくる感じはしないし、浄化された感じも無い。何かが体の中に(とどこお)っている。ステロイドとタクロリムスの使用によるものだったのか、それとも病気による筋肉の損傷と炎症反応が1年以上かかって収まったお陰なのか、退院直後に体験していた猛烈な手の振戦(しんせん)(震え)を体験することは、極めて少なくなりました。それでも、病気による行動制限は、今も自分から様々(さまざま)()()()()()幸福を奪っている。なにしろ、短時間キーボードを打っていただけで、独特な肩の痛みが始まるのです。さて、今日も鷹を飛ばそう。

挿絵(By みてみん)

ホトケノザとオオバン。

食べない方のホトケノザの花言葉は、「小さな幸せ」というそうです。

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