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第1話 転生、そして声

その日、俺はただの帰り道を歩いていただけだった。

空に走る閃光、耳をつんざく轟音。

気づいたときには、目の前に巨大な“裂け目”が開いていた。


――そして、世界が反転した。


視界が白に染まり、次に見たのは見知らぬ森。

見上げた空には紫色の月が浮かび、空気は重く、遠くで獣の咆哮が響く。

「……夢か?」

つぶやいた声がやけに小さく感じる。


そこで、頭の奥に響く“声”を聞いた。


『――見つけたぞ、人の子。契約を望むか?』


男でも女でもない、不気味に深い声。

体が凍るような恐怖の中、なぜか胸の奥が熱くなる。


「……力が、欲しい。」


その一言が、すべての始まりだった。


腕に黒い紋様が浮かび上がり、焼けるような痛みが走る。

地面が震え、空が歪む。

気づけば、目の前にいた巨大な魔獣が一瞬で塵となっていた。


「な、なんだこれ……俺が……?」


『恐れるな。お前が望んだ力だ。』


声は再び響く。

その響きがやけに心地よくて、恐怖よりも高揚が勝っていた。


「お前は……誰だ?」


『名などない。古き契約者たちは我を“レガリス”と呼んでいた。

我をその身に宿した時点で、お前はもう“人”ではない。』


背筋が冷える。

人じゃない――その言葉が現実味を帯びていく。


だが同時に、内から溢れる力の感覚に震える。

これは“生きている”という実感そのものだった。


そのとき、遠くから悲鳴が聞こえた。

森の先、灯りが見える。

――村だ。


『選べ。助けるか、滅ぼすか。どちらでもいい。

行動すれば分かる。お前の“器”が。』


「……うるさい。俺は――」


黒い炎が再び腕に宿る。

視界に浮かぶ魔法陣、流れ込む未知の知識。


『そうだ……お前の中の“我”を解き放て。』


「行くぞ、レガリス!」


叫ぶと同時に、背中から黒い翼が生えた。

闇の風を裂き、夜空を舞う。

下には燃える村、そして迫りくる魔物の群れ。


世界の理が崩れ始める音がした。

俺の中に宿る悪魔が、低く笑う。


『さあ、見せろ。我が器よ――この世界を、どう壊す?』


――こうして俺の異世界の旅は始まった。

いつの間にか、悪魔の力を手にし、

そしていつの間にか――世界最強になっていた。

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