妬み
前回の後書きで3000超えないっていってたのはどこに行ったんですかね。
「ひひひひひひ」
家へと帰っている途中裏路地から少し声が聞こえた。
「君名前はなんて言うの、いい体してるね」
「やめてください」
「こんな路地に居る君も悪いんだよ」
どうやら男二人が一人の女を襲っているらしい。
その女性は黒髪ロングで紅色の目をしていてとても美しかった。男二人は恐らく中年くらいだろう。
「おい、そこの人たち、その女性は困っているようですけど、なにをしているんですか」
「なんだ?ってガキか、それならたやすい」
「おらぁ!」
(襲ってくるなら倒しても問題ないか)
ソラは右腕で殴りかかってくるおっさんの攻撃を最小の動きで交わし、その右腕を持ち背負い投げをした。おっさんはただその攻撃だけで気絶した。
「弱いな」
ソラは意識せずにその言葉が出ていた。というかソラが単純に強くなりすぎているのだ。
単純に身体の強化もあるが、融合の際に体験した多くの戦闘、それで覚えた戦闘技術など。それがある故弱く見えているのだ。恐らく前のソラであればボコボコであっただろう。
「それで、あんたはどうする?」
もう一人のおっさんはその言葉を聞くやいなやすぐに逃げていった。
「えーっと、大丈夫ですか」
そうすると女性は一瞬だけ変な笑みを浮かべた、ソラは全くその笑みに気づいていないだろう。
女性は言った
「大丈夫です、お強いんですね」
「ありがとうございます」
ソラは去ろうとしたが女性は言った。
「おすすめのカフェがあるので一緒に行きませんか?」
「え?」
(そんないきなり?)
まあ別に時間は結構あるしいいか。それに明確にどう地族たちの情報を探すか決まってないしとソラは思った。
「え、ああ、はいまあいいですよ」
「じゃあ行きましょうか」
「私はナイド・ワージン、君は?」
「僕の名前はソラ・テンクです」
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それから、ソラとナイドは一緒にそのカフェに行った。
ナイドはめちゃくちゃ質問をしてくる。
「年齢はいくつなんですか?」とか「どこの学校に行ってるの?」とか「将来はなにになりたいの?」とか。
そのカフェまでは1kmもないはずなのにソラは100個以上質問もの質問を受けた。
カフェに着くとお互いメニューを選んだ
「じゃあ僕はこの抹茶フラペチーノをください」
「かしこまりました」
ソラと女性店員が喋っているとどこからか「チッ。」と極小な音で鳴った。
「ナイドさんは、何にしますか?」
「え、ああ、じゃあ私もソラくんと同じで」
「私、ソラくんのこと全部知りたいなー」
「あ、ああ、はい」
(この人まだ続けるの?)
ソラは質問に答えるのは流れ作業になっていた。その時間で地族たちの情報集めの戦略を立てていた。
飲み物が届き、それを飲み終わっても質問は続いた。三時間ほどたち店から追い出された後も。
そしてソラたちは外に出て、河川敷を歩きながらそれを続けていた。
ソラは、飲み終わって帰ろうとしてもナイドは質問をし続けた。正直うんざりしていたし。追い出された後もついてきて質問をし続けたときなどもはや尊敬すら覚えた。
そんなソラに前にアートの姿が見えた。
「お、ソラじゃんこんな場所でなにしてるの?」
「あと、その女の人は知り合い?」
「ああ、さっき知り合ったんだ」
「さっきからいろいろ語り合ってるんだ」
「へえそうなんだ、なにを語り、」
「ねえ、何その君の面、私知らない」
「え、なにg」
ソラが言おうとしたが遮られた。
「貴方は私を助けたってことは私が好きってことですよね、将来の職業が安定した職種に就きたいって言ったのは私をずっと安心させたいくらい好きで居るってことですよね、好きならば他の女性と喋っちゃいけないですし、私の居る場所で私以外の人物と話すなんて良くないよね。そもそも私が知らない面を他の人に見せないでくれませんか、貴方のすべての面を私に見せて、そしてそれを他の人に見せるなんてことあっちゃいけないよね、しかも私と話しているときよりその女とはなしているときの方が幸せそうだったですよね、それを私に向かってしてくれないなんておかしい、おかしいな、本当におかしいよ、おかしい、おかしい、おかしい、おかしい、おかしい、おかしい、おかしい、おかしい、おかしい、おかしい、おかしい、おかしい、おかしい、おかしい、おかしい、おかしい、おかしい、おかしい」
アートもソラもなにを言っているか分からなかった。
だがソラには一つ違和感を覚えた。
「あいつらと同じ?!」
地族や空族のボスと似たような気味の悪い気配。
「アート!」
(アヴィリティ『嫉妬』第1能力)「『回復封i』」
アートが攻撃を食らう寸前にソラがアートをタックルし吹き飛ばした。
「っく、ぐぁ」
ソラはアートを庇い腹を貫かれた。
「第5階梯魔術『完全治癒』」
「ソラ、な、なにを?」
「今話してる隙はない早く逃g」
(アヴィリティ『嫉妬』第2能力)「『復讐』」(第1能力)「『回復封印』」
ナイドはいつの間にかアートの後ろでナイフを突き刺していた。
ソラは即座にアートの元へ行った。
「第5階梯魔術『完全治癒』」
「無駄ですよ」
(あいつ回復封印の能力を持ってるのか、おそらくさっきの攻撃でアヴィリティのキャンセルをしたのは僕を生かすためか)
(回復が不可能ならまだ生きている現在の状態に固定するしかない。)
(アヴィリティ『空間支配』第3能力)「『時空間操作』」
「流血が止まった?なるほどその女の状態を保存するんですね」
「結構察しがいいんだな」
ソラは怒りの表情でナイドに言った。
「その表情、さっきは見せてくれませんでしたよね、新しい面を私に向かって見せてくれてありがとうございます。でもあの女に見せた心配の表情は私に向かって見せてくれなかったですよね。私にも見せてくださいよ」
(アヴィリティ『空間支配』第1能力)「『空間操作』」
周りにあった半径10cm程度の石を大量に浮かし超高速でナイドにぶつける。
ナイドは体中に穴が開いたが、すぐに回復した。
(あれは恐らく回復魔術ではないだろう。理由はあの気味の悪い気配、地族や空族の王と同じ気配だ、それに奴らも持っていた回復封印の能力をアイツも持っている。多分奴らと同じ種類のアヴィリティだ。もしそれが正しいならば奴は限りなく永遠に再生し続けるだろう。
だが奴は地族の王とかと比べて、経験不足であったり、存在がただの人間だ。
それなら方法が一つある)
(アヴィリティ『空間支配』第2能力)「『異空間操作』」
ソラは異空間から杖を取り出した。
「多重魔術 第4階梯魔術『豪火弾』」
ソラは何個もある炎の玉を相手に向けて放ち、炎の玉より少し遅くナイドに向かって飛んでいった。
さらに移動しながら魔術を構築する。「第6階梯魔術」
炎があたった瞬間にソラはナイドに手で触れる。
「なn」
「『再生減速化』」
これはアンヴィルが考えた、地族とかのボスが使うことのできる自動回復を妨害し回復スピードを何万分の一に減速させる能力だ。ちなみにこれはただの回復魔術には適応されない。
「『空間操作』」
「鎌鼬」
ナイドは一瞬の出来事に理解が追いつかなかった、体の部位がバラバラになったのにもかかわらず再生しない、いやとても再生に時間が掛かる。これに恐怖を覚えた。その次に喜びを覚えた。
きっといままでで彼の本気でそしてここまで強くあるという面を見たのはきっと自分だけだと、そう思えたからだ。
(やはりこいつは自分のアヴィリティがあるからか回復魔術を覚えていない)
「ありがとう、もっと君の面を教えて欲しいな」
「残念だけど、お前はもう封印する」
「封印されても、貴方のことを知り続けられるの?」
「はあ、別にそのことが理由じゃないけど、話し続けることはできるよ」
「そう、ならそれでいい」
「多重発動 第4階梯魔術『封印』」
ソラは念のために部位ごと封印して、さらにその封印した部位たちも封印した。
簡単に説明するととてもでかい瓶の中にバラバラになった肉体が入っている感じである。
(こいつにもっと戦闘の経験があったら負けていただろうな。)
(ンッ、はあ、頭が痛い、頭が焼き切れそうだ、まああんなにも魔術を使ったのだから当たり前だ。それに魔力も結構消費した。もうほぼ残ってない。でもアートを今の状態にしておかないと。
とりあえずナイドはいいとして、問題なのはアートだ最悪なことに『回復封印』の効果を消したことは一度もない、そもそもアヴィリティの能力である以上それに特化した魔術を作らないと消すのは無理であろう、まあその魔術はアンヴィルでも作れなかったわけだが。ナイドを捕虜として捕まえられたのは大きい収穫だが、また新しい問題ができてしまった。しなければならないことがまだ山積みだ)
(アートの家族にはなんて伝えよう。魔術なんて信じてくれないよな)
アヴィリティはあるだけで可能になることがある。例えば『嫉妬』では自動的に再生したり、『空間支配』では空を飛べたりする。
狂人を書こうとしたけど、自分が違うからもどきになった気がする。
読みにくかったら何か指摘ください。