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天魔の王  作者: たちさか
10/13

座標空間

「それは本当か?」


暗闇に酒を嗜み優雅に座っている男とフードをかぶった男が居た。


「は、はい」

「確かに、()()の陣地内から今までに見たことのない人間が出てきました」


「そうか、そいつから魔力はどれだけ感じられた?」


「あ、あまり感じませんでした」


「そうか、そうか」

「それで顔は」


「こちらです」


そこには、まるで写真かのような絵があった。


「分かった、帰れ」


「ハッ」


そう言ってフードの男は扉から出て行った。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「やはり夏休みという物は最高だ」

(10時までゴロゴロしていても何も問題ない、友達など現在はほぼ居ないから自由だし。

親は今日友達とどっか旅行行ってるらしいし。せっかくだ、今日は町中で何か食べにでもいこう)


そんなことを考えながら、ソラはドアを開けた。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

(こういう風に1人で町巡ってるのがなんやかんやで一番たのしi...)


「お、ソラじゃないか、奇遇だな」


「へ?」


ソラが振り向くとそこには、2人の男と3人の女性が立って居た。


「あ、ジーオット、き、奇遇だな」

(なんでこんな場所で、ジーオット、リーブ、etc.と合うんだ。

いや、大丈夫だ、リーブから見たら、俺は初見、俺の知り合いはジーオットしかいない、ならば大丈夫だ、まさか誘われることなんてことはないはず)


「ていうか、もし良かったら一緒に遊ばないか?本当は男子もう1人来るはずだったんだが、その1人が体調を崩してしまって。男女比的にも1対1の方がいいし、まあお前が嫌なら全然いいんだけど。」


「あ、僕は全然いいんだけど。他の皆さんがどうなのかな?って。僕はジーオットとしか関わりないわけだし」


「私は何も問題ないよ」


「リーブ君が言うなら、私もー」


「大丈夫です」


「問題ない」


「とのことだ」


「あ、うん。じゃあお願いします」



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「聞くの忘れてたけど、怖いのって大丈夫か?」


「余裕だよ」

(今まで僕が、というかアンヴィルがどれだけ見た目が怖いやつと戦ってきたと思ってるんだ)


「なら良かった」


(別に男だけなら全然いいんだ、でも仲良くない女子3人と一緒となるときつい)


「いやー私1人だったら絶対ホラー無理だけど、リーブ君が居るから怖くない」


(長い金髪で陽気で誰よりもリーブに近いあの女性は確か、フォーリさんだったはず)


「私も怖いのは、あまり得意ではないです...」

「でも、ジーオット君がいるので、大丈夫です」


(あの、短い濃い青色で優しそうな人は、サントさん。

ていうか、この感じ絶対トリプルデートの予定だっただろ、余計気まずいじゃねえか)


「私は大丈夫な方だ」


(あまり喋らなくて、真っ黒な髪のこの人はシュワイクさん。

多分この人の仲のいい人が今日休んだんだろうな。この中で一番かわいそうな人はこの人だろう)


(そんなことを考えていたら、映画館に着いたようだ)

(ホラー映画か、多分大丈夫だろう)



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「おーい、ソラー?大丈夫か?」


(大丈夫じゃなかった)


「だ、大丈夫だよ」


(なんだあれは、今まで普通にしていた女の顔がいきなり化け物になったし、BGMが怖すぎるし、描写がやばすぎるし)


「て、手がめちゃくちゃ震えてますけど大丈夫ですか?私よりこういうの苦手な人初めて見ました」


「だ、大丈夫です」


「君は心の準備が出来ていなかったというのもあるかもしれないが、さすがにびびりすぎだ、それではモテないぞ」


「は、はい。その通りです」

(無口だから優しいと思っていたが、思った以上に切れ味のある一言を)

「あ、あと、お手洗いに行ってきます」


「おう、じゃあ俺たちは外で待ってるわ」


(もう怖いの大丈夫だと思っていたけど。僕は怖い映画の広告が少し流れただけで夜眠れなくなるレベルのびびりなのを忘れていた)


「やっと周りに人が居なくなりましたね」


「!?」

「上か!」


キンッという音を立てソラは上からきた男の攻撃を防いだ。


「防ぎましたか、思ったより強いようですね」


(さっき僕はトイレにいたはず、テレポート?アヴィリティ持ちか

念のためナイフ持っておいて良かった)


ソラは誰も居ない暗い映画館の中に居た。


(アヴィリティ『座標空間』第1能力)「『座標設定』」

(原点は私、東を+x、北を+y)

(第2能力)「『座標表示』」


(なんだ、これ、メモリ?)


(第3能力)「『対象座標変更』」

({0,0.5,0}へ)


「っぐ」


ソラは攻撃を防ぎ、相手を飛ばした。


「驚きました、まさかこれも防ぐとは」

「なるほど、簡単にはいかなそうですね」


(なるほど、相手を自分の指定した座標にテレポートさせるのか)


「聞くのを忘れたな、何目的だ」


「後で知ると思いますよ」


(対象変更)「『対象座標変更』」


その言葉を聞いたソラはナイフを持ち、極限まで集中した。


({-1,3,-3}へ)


(後ろ!)


「やりますね」


(予想はしていたが、自分も動かせるのか)


「こちらも本気で行きますか」

(原点をソラ・テンクに変更)

「『対象座標変更』」


「『異空間操作』」


ソラは異空間から刀を取り出した。


({0,1,0}から{0,-1,0}へ)


キンッとこの音が鳴った、これは攻撃を防げた証なのだが、ソラは相手がいつの間にか後ろに居ることに対応できなかった。


「うっ」


(なるほど、連続的に動くことも可能なのか)

「第5階梯魔術『完全治癒』」

(できる限り映画館に被害は出さないようにしようとしていたが、もうどうでもいい、壊しても逃げればセーフだし)


「第5階梯魔術?魔力はほぼないと聞いたのですが、偽装していたのですか」


「多重魔術 第4階梯魔術『大岩石』」


「あの量の岩はさすがに不味い」

「『対象座標変更』」


「第2階梯魔術『罠』第3階梯魔術『爆破』 複合魔術『爆裂罠』

爆裂罠発動0.1秒前に第3階梯魔術『防壁』」


({0,1,0}から{2,2,0}から{0,-1,0})


「ッ!?」

(岩を投げつけてきたのは攻撃ではなく、罠を見えなくするため。

このままだと不味い)

(だが、このままではお前m)

「なっ!?」

「まさか、if構築をあんな短時間d...」


とても大きい音が映画館の中に響いた。

映画館のスピーカーの真横でもこんな音はしないだろう。

ある1つの箇所から椅子が消え去った。

そしてそこには人の四肢が散らかっていた。


「死んだ、ってことでいいんだよな」

「『異空間操作』」

ソラはその四肢を異空間にしまった。


「てか、やばくね?早く逃げないと」



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「おい、遅いぞ」


「ごめん結構やばくて」


「服の汚れ、どうした?」


シュワイクさんが珍しく返答ではない形で口を開けた。


「ああ、これ?こっちに向かってるときずっこけて、汚れちゃったんだよね」


「そうなのか」


「そういえば、リーブさんとフォーリさんは?」


「先帰った」


「あ、そう。じゃあ俺も帰ろうかな」


「そうか。じゃあな」


(今日はいろいろ災難だ、ホラー映画を見た後にトイレに行き攻撃された。おお神よ、僕何かしましたか。あいつは多分死んじゃったから、話も聞けないし)


「はあああ」


ソラはどでかいため息を吐いて帰って行った。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「あいつはまだ帰ってこないのか、俺をここまで待たせるとはいい度胸だ」


真っ暗な空間である男が腹立たしそうに経って居た。机には空のワイングラスがあった。


ガチャ


「失礼します」


「ん?なんだお前か、用件を言え」


「はい、ランが死にました」


「ラン?」


「座標空間の能力者です」


「まさか、魔力が少ないとかいうやつに負けたのか?」


「はい、恐らく魔力量を偽造していました」

「危険度は相当高い物と見てもいいでしょう。あと名前はソラと言うようです」


「そうか、帰れ」


「はい」


ガチャ。


「ソラか、次は確実に殺す」

読みにくかったら何か指摘ください

本当なら、空間操作で空間ゆがめるみたいな展開にしたかったけど、無理だった。

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