39話 「神託の継承と新たな道」
夜明けの光が神楽殿に差し込み、儀式の余韻が静かに漂っていた。
巫女・沙耶、王子・稜真、そして“記憶の橋”の面々は、長い夜を越えて新たな決意に満ちていた。
カナエが、しみじみと語る。
「……神託も、魂の契りも、私たちの中にちゃんと残ってる。巫女と王子、そして“記憶の橋”――三つの魂が重なったからこそ、ここまで来られたんだね」
涼太が古文書を手に、熱を込めて続ける。
「神託は、時代を超えて受け継がれる“光”だ。歴史の中で、巫女や王子が何度も新しい時代を切り開いてきた。今度は僕たちが、その“新たな道”を作る番なんだ」
レナがタブレットで記録しながら補足する。
「神代文字で刻まれた誓いも、巫女の祈りも、王子の覚醒も、全部が未来へのメッセージになる。私たちが語り継ぎ、記録し、次の世代に伝えていく。それが“継承”の本質だと思う」
カオルが護符を握りしめ、静かに言う。
「神託は、受け取るだけじゃ意味がねぇ。自分の中で咀嚼して、行動に変えて、初めて“新しい道”になる。俺たちも、ただの受け身じゃなく、未来を切り拓く側に立つんだ」
沙耶が、穏やかな声で語りかける。
「巫女の役目は、神託を伝えるだけでなく、その光を次の時代へ託すことです。王子もまた、血脈と意志を継ぎ、未来を切り開く者。皆さんも“記憶の橋”として、新たな希望を生み出してください」
稜真が力強く頷く。
「僕は王家の末裔として、巫女と共に歩むことを誓う。ムーの影に立ち向かい、ヤマトの光を未来へ繋ぐ。みんなで、新しい時代を作ろう」
悠馬が石板を胸に、決意を込めて言う。
「神託の継承は、過去と未来をつなぐ“橋”になること。僕たちは、魂の契りと祈りを信じて、次の世代へと希望を託す。どんな闇が来ても、必ず光を見つけ出す!」
カナエが涙ぐみながら頷く。
「私も……。みんなの祈りを、未来へつなげるために歩き続けたい」
涼太が古文書を掲げて締めくくる。
「神託も、誓いも、全部が“新たな道”の始まりだ。僕たちが“記憶の橋”となり、未来に光を届けよう!」
神楽殿の扉が開き、朝の光が皆を包み込んだ。
巫女と王子、そして仲間たちは、新たな使命を胸に、未来への一歩を踏み出した――。




