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38話 「王子の覚醒と巫女の祓い」

夜明け前の神楽殿。

“記憶の橋”の面々、巫女・沙耶、王子・稜真は、神憑りの儀式の余韻に包まれていた。

蝋燭の灯りが揺れる中、沙耶は静かに立ち上がり、稜真の前に歩み寄る。


カナエが息を呑み、囁く。


「……稜真くん、さっきから様子が違う。まるで何かが目覚めたみたい」


涼太が古文書を手に、熱を込めて語る。


「幻視の中で“王子の血脈に眠る力を覚醒せよ”と神託があった。王家の伝説では、正統な王子が覚醒すると、国を覆う闇を祓う力が現れるって記されている。今、その瞬間が来たのかもしれない」


レナがタブレットで記録しながら補足する。


「巫女の祓いの舞も、神託の力を最大限に引き出す儀式。闇を祓い、魂を浄め、王子の覚醒を助けるためのものなのね」


カオルが護符を握りしめ、稜真を見つめる。


「稜真……お前の中の“光”を信じろ。巫女と王子、二つの魂が重なることで、どんな闇も切り裂けるはずだ」


沙耶が鈴を手に取り、ゆっくりと舞い始める。

白い袖が夜明けの光に揺れ、鈴の音が静かに響く。

その舞は、闇を祓い、空気を清めるように、神楽殿全体に広がっていく。


沙耶の声が、澄んだ祈りとなって響く。


「……闇を祓い、光を導く。王子よ、魂の目覚めを恐れるな。ヤマトの光を継ぎ、未来を切り拓け」


稜真がゆっくりと立ち上がり、静かに宣言する。


「僕は、王家の末裔として、ここに覚醒を誓う。ムーの影に立ち向かい、ヤマトの光を未来へ繋ぐ。巫女と共に、魂の契りを果たす!」


悠馬が石板を胸に、感動を込めて言う。


「稜真くん……君の覚悟、僕たちも受け止める。巫女の祓いと王子の覚醒、そして“記憶の橋”――三つの力が重なるとき、きっと未来が開ける!」


カナエが涙ぐみながら頷く。


「私も……。どんな闇が来ても、みんなで祈りを重ねて進みたい」


涼太が古文書を掲げて締めくくる。


「歴史や神話を超えて、今ここに新しい“光”が生まれる瞬間だ。僕たちも、魂の契りを信じて進もう」


沙耶の舞が最高潮に達し、鈴の音とともに夜明けの光が神楽殿を満たした。

王子の覚醒と巫女の祓い――新たな希望が、静かに夜を切り裂いていく。

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