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30話 「光の継承、未来への誓い」

夕暮れの武甲山。

悠馬たち“記憶の橋”の面々は、山頂から広がる関東平野を見下ろしていた。淡い茜色の雲の下、彼らの手には、旅の中で集めた神代文字の石板や写し、そしてヤマトタケル伝説の記録があった。


カナエが静かに語りかける。


「ここまで来て、ようやく分かった気がする。ヤマトタケルの伝説は、ただの英雄譚じゃない。苦しみや孤独、祈りや誓い――そのすべてが、未来へ託された“光”だったのね」


涼太が古文書を手に、熱を込めて続ける。


「神代文字も同じだよ。漢字が伝来する前、古代の人々は独自の文字で魂や祈りを刻んだ。ホツマ文字やカタカムナ、阿比留草文字……どれも、記録や呪術だけじゃなく、“未来への希望”を託すためのものだったんだ」


レナはタブレットで、各地の神社や古墳の写真を映し出す。


「白鳥伝説も、神代文字も、土地に根付き、時代を超えて受け継がれてきた。誰かが語り、誰かが祈り、誰かが文字を刻む――そうして、魂の光が途切れずに続いてきたのよ」


カオルが護符を握りしめ、夕陽を見つめる。


「祈りや誓いは、目に見えないけど確かに残る。神代文字は、そうした“魂の痕跡”を未来へ伝える道具だった。俺たちが今ここにいるのも、過去の誰かが希望を託してくれたからだ」


悠馬は石板を両手で掲げ、静かに呟く。


「ヤマトタケルの魂、神代文字の祈り――全部、僕たちの中に生きている。ムーの影に立ち向かうために、僕たちは“記憶の橋”として、新しい光を未来へ繋げていく」


その瞬間、石板の神代文字が淡く輝き始める。

夢の中で何度も聞いたタケルの声が、今はっきりと響いた。


「お前たちの時代に、私の祈りを託す。剣の力も、言葉の力も、未来を切り拓く“光”となる。忘却の闇を祓い、希望を繋げ――記憶の橋よ、進め」


アレックスが感嘆の声を上げる。


「……神話が現実になった気分だ。俺たちが未来の誰かに、祈りや希望を残せる存在になれるなんて」


レナがタブレットを見つめて微笑む。


「神代文字は、ただの記号や呪文じゃない。魂の響き、祈りの波動――それを現代に、そして未来に伝える“言葉”なのよ」


カナエがしみじみと言う。


「英雄の遺志も、神代文字も、すべては未来への祈り。私たちが“記憶の橋”となって、希望を繋いでいく……」


涼太が古文書を掲げて締めくくる。


「ヤマトタケルの伝説と神代文字の謎。どちらも、失われた魂を未来へつなぐ“継承”の証だ。僕たちが“記憶の橋”となり、祈りの歌を現代に響かせよう!」


悠馬は石板を胸に、仲間たちと誓う。


「タケルの魂、神代文字の祈り――必ず未来へと受け継いでみせる!」


そのとき、武甲山の空に白鳥が一羽、静かに舞い上がった。

新たな光が、遠い未来へと続いていく――。

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