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 勝利し、私達は会場を後にしてテントへ戻る。

 その道中、観客からも祝いの言葉が送られる。

 勝利した者の表彰は、各競技の優勝者が決定後に行う。

 本日をもって馬上槍試合の個人戦が終了。

まだ団体戦や剣や弓の個人・団体戦がある。

 なので、全ての試合が終了するまでヴィルは休む事が出来る。

 今まで気を張っていたので、これからは休んでほしい。


「お疲れ、水だ」


 ターナムが水を差し出す。


「おぉ、ありがとう。俺は一人、休んでいるから。他の試合とか店とか見てきていいぞ」


「おぉ、分かった」


 勝負していたヴィルが、一人で休みたい様子だったので私達はテントから出る。

 休みたいヴィルを尊重してテントを出たものの、本当に離れていいものか分からずテントの外でウロウロしていた。


「ロッティ、どうした?」


「あの……本当にテントを離れてヴィルを一人にして大丈夫ですか?」


「あぁ、大丈夫だとは思うけどな。いつも、試合終了後は眠っている」


 ターナムはいつもの事だから気にする必要はないという反応。

 それでも、戦い切った人を一人にしていいものか……


「そう……なんですね」


「心配なら、こちらのテントに居てもいいぞ。起きたら水とか欲しいだろうし差し入れてくれ」


「眠っているのなら、私の存在はお邪魔では?」


「試合後は眠りが深くて大抵の事では起きないから安心して良い」


「わかりました。私、テントに残ります」


「ヴィルの事、頼んだ」


「はい」


 三人を見送りヴィル達のテントに入ると、ターナムの言葉通りヴィルは既に眠っている。

彼がいつ起きても良いよう水の準備をして、起こさないよう端に座り彼の様子を窺える位置で待機。

最終決戦ということもあり、ヴィルの試合を見学していた私も極度の緊張感を味わっていた。

 そのせいか、いつの間にか私も眠っていた。


「ふぅ……んっ……ん?」


「起きたか?」


「ん? ヴィル? キャッ」


「あっ悪い」


 ヴィルは上半身裸で眠っていて、私は意図せず彼の体を見てしまい顔を手で覆う。

 私が彼等のテントに入っていたので、ヴィルは悪くない。

 ヴィルに申し訳ないと思いながら、男の人の裸を見てしまった事実とどう向き合えばいいのか……


「ロッティは皆と行かなかったのか?」


「あっはい。私は……私も寝不足で、少々休みたかったので」


「そうか」


 目を閉じているので音で判断するしかないが、衣擦れの音からヴィルは今服を着ているのだろう。


「おっ。ヴィル、起きたのか?」


 三人も戻って来た。


「皆揃ったし、祝勝会だな」


「そうだな」


「ん? ロッティ、顔赤いけど大丈夫か?」


「今日は暑かったから熱が引かないのかもしれないな」


「あっ、本当だ。顔洗ってくる?」


 三人に私の顔が赤いのを心配されてしまう。

 ヴィルの体を見たせいです、なんて言えない。


「あっ、大丈夫です。問題ありませんので、お気遣いなく……」


「本当か? 無理するなよ」


「はい」


 その後五人で食事が出来る場所へ移動。

 ヴィルの勝利を祝っていると、至る所から声を掛けられ食べ物やお酒をごちそうになった。

 こんなに楽しい日を過ごしたのは初めて。

 見知らぬ人達と共にヴィルの勝利を祝う。

 こんなに楽しい食事は生れてはじめて。

 


二度と聖女は致しませんが、書籍化となりました。

書籍化を優先しているため、こちらでは初期設定のまま公開しております。

よろしくお願いいたします。

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書籍化おめでとうございます
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