表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
20/57

20

「では、王宮に行ってまいりますね」


 本日ソレーヌは、王妃様に招待されたお茶会に向かう。


「……粗相のないようにな」


「気を付けて行ってくるのよ」


「行ってらっしゃい」


 父と母と私で王宮へ向かうソレーヌが乗車する馬車を見送る。

 

「……カルロッタ、お前に聞きたいことがある」


「何でしょう? 」


「お前は……本当に聖女ではないのか? 」


「……ふふふ、何を言っているんですかお父様。私は聖女ではありませんよ。聖女は、ソレーヌです」


 笑顔で応える私に、父と母は複雑そうな表情を見せる。

 二人はどうして何度も私が聖女ではないかと確認するのか、ソレーヌが聖女であることを認める様子がないことも不思議でならない。

 前回はあんなにも聖女がソレーヌで喜んでいたのに……

 それはシュルベステルも。

 彼はソレーヌと恋人のようだった。

 聖女でなくなった私との婚約が破棄となると、直ぐにソレーヌを聖女とし婚約……結婚の話も進んでいたはず。


「……そうか……」


 私のどこを見たら聖女だと思うのか分からないが、父は落ち込んでいる。

 私に対してあんなに落ち込む姿は初めてだ。

 婚約破棄された時だって、すぐにソレーヌが婚約者となったので落ち込むどころか喜んでいたのに。

 母も私と父の会話を聞き肩を落としている。

 二人が屋敷に入って行くのを一人見送った。


「あの二人どうしたんだろう? 」


 久しぶりにソレーヌに振り回されない時間を堪能。

 私の花壇に向かう。


「あれ? ここ……」


「カルロッタお嬢様、どうなさいました? 」


 話しかけてきたのは庭師のノゾール。


「ノゾール、ここの花って……」


「そこは……ソレーヌお嬢様が……」


「ソレーヌが? 」


「王妃様のお茶会にご招待されたとかで……ちょうどカルロッタお嬢様の花壇に満開の花がありまして……ソレーヌ様からはカルロッタお嬢様の許可を得ていると……」


「そう……だったのね……」


「申し訳ありません、もっと確認しなければならなかったですね」


「いいのよ、ソレーヌの強引さには誰も敵わないもの」


 ノゾールは仕事に戻って行く。

 前回にも同じ事が起きた。

 私が確認した時には、大切に育てていた花が切り落とされ誰がなんのためにしたのは分からなかった。

 まさか、ソレーヌが王妃様とのお茶会に持参するとは……


「という事は前回も、王妃様のお茶会に招待されていたのね……」

 

 前回とは違う行動をとっても、結果は同じ。

 

「だけど、スカルキー地方の日照りはまだ解決されていない。それにソレーヌの能力が開花するのも遅い気がする……どうしちゃったんだろう……」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
不思議だよなぁ(棒)
妹は偽聖女なんだから、存在しない能力が開花する訳がないw
前回で王妃が次女呼び出した理由は不明だが、悪い事に(有る意味良い事に)主人公、結局何しても結果は変わらない=妹が聖女になると上手い事誤解してくれた事が大きいね。 本当は聖女なのに、本人その気が無いから…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ