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そしてお茶会当日。
「本日は私のお茶会へようこそ、皆さん心置きなく楽しんでいって」
主催であるソレーヌが挨拶をすると令嬢達が挨拶に訪れる。
「ソレーヌ様、本日は招待して頂きありがとうございます」
「私もソレーヌ様のお茶会に招待して頂き光栄です」
お茶会の主催者であり、中心にいるソレーヌはご満悦。
「そのように言って頂き開催して良かったわ。最近忙しくて皆さんに会えないことを寂しく思っていたんですよ」
「私もソレーヌ様に会えなくて寂しく思っておりました」
「最近はお忙しいと聞きます……その……教会に通っていらっしゃるとか……」
招待された者はソレーヌが教会に頻繁に出入りしているのを知っている。
それでも教会は未だに『聖女』を公表はしていない。
噂が噂を呼び皆が真相を確かめたがっている中、張本人からのお茶会の招待状が届いた。
真相を確認するべく招待された全員が参加している。
「はい、教会には週に数回通わせていただいております」
「それって……そういう事なんですよね? 」
「皆さんがどのようにご想像しているのか分かりませんが、私からはまだ報告できないんです」
「そうなのですね……先日、第一王子が訪問されたという噂もあるのですが……」
「んふ、その事についても私からは報告できないのが残念です」
「では、王子が訪れたというのは……」
「それについては……はい。いらっしゃいました」
ソレーヌの答えに皆が確信を抱いた。
『シュルベステル第一王子は聖女と思われるソレーヌ・バルリエ公爵令嬢に婚約を申し込んだ』
その事はお茶会が終わると一気に社交界に広まった。
その証拠に……
「今日もお茶会の招待状が届いたんですね、困ってしまうわぁ」
ソレーヌ宛にお茶会の招待状が何通も届く。
その状況にソレーヌは困ったと言いながら、上機嫌。
「ソレーヌお嬢様、こちらも届きました」
「この紋章は……」
「はい、王族のものです」
「まぁ、シュルベステル様からかしら? 」
今まで届いた招待状の時とは違い、興奮した様子で手紙を確認するソレーヌ。
「……ん? お茶会の招待状……」
「お嬢様、それは第一王子からですか? 」
「いえ……王妃様からみたい……」
「王妃様からお茶会の招待状だなんて、すごい事ではありませんか? 」
「そう……よね……んふっ……んふふ」