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3/3

結婚!?

僕は、浴槽に頭をぶつけて意識を失った。そこまでは覚えてる。

で、なんで今、すごい豪華なベッド寝かされて、知らないメイドさん達、30代くらいのお姉さん、10歳くらいの男の子、そして、服を着てるけど、真っ裸の彼女に囲まれてるの!?


「あ、あのう、これはどういう状態なのですかね!?」


恐る恐る聞いてみる。


「意識がはっきりしてきましたか?あなたは、頭から血を流した状態で、ここに運び込まれたのです。まあ、半ば引きずられていたようなものでしたが」


話を聞くと、どうやらこの方達が看護してくれたみたい。


「お手数おかけしてすみませんでした。おかげさまでだいぶ痛みも引きました」


「それは良かったです。私は、その子の母親のセリーヌと申します」


「これはご丁寧に。申し遅れましたが、二宮朱音と申します。この度は大変お世話になりました」


「まあ、とても好青年だこと。で、この子とはどういうご関係で?」


めちゃくちゃ不審がってるな!そりゃそうだよな。とりあえず、成り行きから話をした。


「そう。で、そのお風呂場は修一さんのお宅なのね?」


「そうです」


「そこに、うちの子が入ってきたと。しかも裸で。2回も」


「あ、はい」


「タルトとクラリス以外のみんなは、自分の部屋に行ってなさい」


セリーヌにタルトと呼ばれた10歳くらいの男の子は、すぐさまこの部屋を後にした。


「レオナ。あなたは、なぜ、朱音さんのお宅のお風呂場に、しかも服も着ずに行ったの!?」


「ちょっと待って、お母様!行ったというか、私の部屋のお風呂場が、この男のお風呂場と繋がってるのよ!」


セリーヌは全く信じてないような目つきでレオナを見ている。


「で、なんで朱音さんはこんなケガをすることになったの!?」


このケガは誰も悪くない。むしろ僕が驚かせてしまったせいかもしれない。


「待ってください。このケガは僕が勝手にしたものです。僕が驚いて大きな声を出してしまったせいで、レオナさんが転びそうになってしまったのを、僕が勝手に受け止めたせいですから」


レオナはなんだか泣きそうだ。セリーヌは大きくため息をついた。


「それは大変ありがとうございました。そうとは知らず、お礼が遅れてしまいました」


「いえいえ!そんな!」


「レオナは、また何で朱音さんを驚かすようなことをしたの」


レオナはビクリとした。


(言えない!言えるわけないでしょ!まさか、桶で抹殺しようとしてたなんて!)


「あ、いや、その・・・」


セリーヌは、しどろもどろになっているレオナを見て僕に尋ねてきた。


「朱音さん。この子は何をしていたのです?」


なんて答えたらいいんだ!ここで嘘をつくわけにはいかないよな・・・


「あ、その、僕が部屋に服を取りに行って戻ってきたら、その、レオナさんが僕の方に、その、お尻を、突き出していたのでびっくりして・・・」


そにばの雰囲気が凍りつく。


「レオナ・・・あなた、一体何をしているの・・・」


セリーヌさん!口では笑っていますが、目が笑っていません!クラリスの顔は真っ赤だ。


「ち、違うの!違くないけど、違うのよ!」


レオナはひどく混乱している。セリーヌの冷たい目線が降り注ぐ。


「何が違うの?あなた、嫁入り前の女のがする格好ではないわよね?裸で・・・男の人に・・・お尻を突き出すですって!」


セリーヌの堪忍袋の尾が切れた。


「そんなにお尻を突き出したいなら、私が引っ込ませてあげます!」


レオナは、セリーヌにお尻を叩かれている。


「あ、あのう、もうその辺で・・・」


僕は、居た堪れず声をかけた。


「この部屋が、僕の家のお風呂場に繋がってしまっている事は事実です。ですので、もうその辺にしてあげてください」


セリーヌは僕の言葉で霊性を取り戻した。


「でも、なぜ、朱音さんの部屋に、レオナの部屋が繋がってしまったのでしょう?」


そこが僕もよくわからない。考えられることは大地震しかないのだけれど、そもそも、他の空間と繋がるなんて聞いた事ない。


「僕もわかりません。でも、直前に、大きな地震があったのです。それが原因なのかもしれませんが」


僕たちは、少し考え込んだがやっぱりわからない。


「まあ、今考えても何もわからないわね。それともう一つ聞きたいのだけれど」


セリーヌはレオナの方を見た。


「あなた、朱音さんの事好きでしょ」


え?そなの!?そんなそぶりなかったけど!?

レオナは、顔を真っ赤にして口をパクパクしている。


「あなた、ずーっと朱音さんの事チラチラ見てるわよね。朱音さんが好きで、裸で襲いかかろうとしたって事はないわよね?」


「そ、そんなことするわけないじゃない!」


レオナもすぐに否定した。


「まったく。朱音さん。ご覧のとおり、レオナはあなたを好きになってしまったみたいなの。だから、この子を貰ってくれないかしら?」


「ええ〜ーっ!」


僕もレオナもびっくりした。


「レオナさん、僕のこと好きだなんて一言も言ってないですよ!?」


セリーヌは、笑いながら僕に言った。


「言ってるわよ。だって誘惑したことは、はっきり否定したのに、好きなことは否定してないでしょ?この子は素直に言えないけど、貴方のことが好きで好きで仕方ないみたい。それに、こんな事になっては、あなたが貰ってくれなければ、この子はもう、他に貰い手はないわね」


レオナは、ショックな顔をしている。そして、ウルウルしながら僕を見つめている。


「え・・・。レオナさん、僕が結婚相手でいいんです?」


レオナは、コクリと頷いた。

ま、マジかっ!どこがどうしてこうなった!


「はいっ、決まりっ!良かったわねー!レオナ!」


セリーヌは、嬉しそうだ。本当にこれでいいの!?お母様!?


「ちょっと長話しちゃったわね。もう少しゆっくり休みなさい。レオナ、あなたは朱音さんの看病をするのですよ」


レオナを残して、セリーヌとクラリスは部屋を後にした。

死して、ボイくにお嫁さんが出来ました。

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