公女様の契約婚-彼の過去-
公女様の契約婚-私は番だそうだ-のアメジストの過去話になります。
※微々たる同性愛有りです。
※前回の後書きでトパーズの過去と書いてましたが誤りです。
10代目アメジスト。
魔塔に所属する前は公爵家の長男であった。
彼自身の魔力は強力であり、優れていたが後に生まれてきた弟たちがさらに上回る能力を持っていた為、捨てられた。
ただ捨てたではなく、彼に療養のために領地に向かわせる馬車に細工をしていた。
それはある程度走らせると発火し、馬車が燃える仕組みであった。事故と見せかけて始末するという筋書きだった。彼の父は優秀な人間以外物としか見ない人間だからだ。
彼は燃え盛る部屋の中、魔力を使いバリアを張ったが発動に時間を要してしまい、その間に煙を吸い込んでしまった。幼い彼には体力と魔力に限界が来ていた。
(もうだめだ…)
限界を達しバリアが剥がれ倒れそうになった所9代目アメジストに救出された。
この時9代目アメジストは番と暮らしており、自らの死期近づいていた為後継者探しをしている最中であった。
それからは9代目が亡くなるまで、彼は魔塔で心身のケアと高度な魔術、魔力の教育を受け、親友を見つけ、ついに10代目アメジストへとなった。
魔術師としての務めを果たしながら生きて50年、彼は番を探す時期ということを感じるようになり、国を巡る旅に出た。
しかし、彼の番を探しは神の悪戯かのように見つけては番達は彼の目の前から消えていった。
1人目の番はとある国の若き騎士団長だった。『神速の騎士』と異名を持つ、風を操る騎士。彼が番であることが判明した後直ぐに騎士に入団し、彼の騎士団に専属の魔術師として務めた。
彼との距離が縮まり互いに相棒という存在になった。彼と親しくなり番としての契約を交わそうと彼の元へ向かった。しかし、それは叶わなかった。
団長は自らの命を絶ったのだ。原因は彼には溺愛する婚約者がいた、その婚約者の住む屋敷が落雷による火災に遭い、逃げ遅れ命を落とした。
その知らせを聞いた彼はあまりにも大きなショックであった為、団員達には悟られないように振る舞ったが既に心が壊れてしまい、彼女の後を追うように短剣で自らの腹を刺し、死んだ。
それから彼は、番が居なくなった騎士団にいる意味が無くなり去って行った。
次に番として現れたのは、とある国の第一王女であった。王女でありながらも剣を扱える姫騎士のような存在だった。正義感が強く、民のために常に幸せな暮らしを追求していた。
しかし、彼女もまた前回と同じく契約を交わすというタイミングで目の前から消えた。
彼の父王が自らの理想の国に王女はふさわしくない存在と判断し、無実の罪で処刑した。暴君であった王に抑えつけられた者たちは処刑されたことに怒りの限界が達し、王と民の争いに発展した。彼は民側についた。
結果は暴君は死に、新たな王国が生まれた。しかし、国が生まれても彼女は還ってくることは無い。彼は国を去った。
出会っては、消え、出会っては消え…。その繰り返しするうちに彼は100年を生きた。
番を探すことを諦めた方がいいかと思い始めていたところ。親友である魔術師トパーズが「ダメ元でいいから王都のアカデミーに行かないか?」と声をかけてきた。
これが後に『特別な番』に繋がるとは彼も思ってもいなかった。
公女の過去話と載せようと思いましたが、中々まとまらなかった為アメジストのみ書きました。




