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ひき逃げはいけません

はいどうも皆さんこんにちは。雨雲とのレースに勝った男、OPENです

激しい雨が窓に打ち付けるさなか、王様はさらに続ける。


「ミユよ。お主はイザベルからエルビスへ援軍を送らないように我に頼み込みに来たのであろう。」


もちろん。私達はイザベルからエルビスへ援軍を寄越さないようにするためにここへ来たんだ。そうしないと、数の少ないファリン族はあっという間にやられてしまう。


「端的に言おう。イザベルからは救援を出さない。」


「ほ、本当ですか!!よかった・・・」


王様がそう言ったのを聞いて、私とヘルゼさんはほっと胸をなで下ろす。しかし、王様はなにやら渋い顔をしている。そして、とても言いにくそうにしながら喜ぶ私達に向ってこう言った。


「喜んでいるところすまんが・・・この話には続きがあってな。イザベルからは救援は出さない。だが、おそらく軍は向うであろう」


え?は?え?


どういうこと?!


隣を見ると、ヘルゼさんも驚きで口が開いたまま塞がっていない。そんな私達を見て王様はため息を一つつくと、話始めた。


「実は、エルビスから救難要請が来た際、どうにも情報が食い違う部分が多いため、我は救難を送らず、暫く様子を見ようと思っていたのだ。だが、エルビスに大至急救難を送るようにという一部貴族達からの声が強く、一部の貴族が私兵をエルビスに向けて出発させたらしい。」


嘘!じゃあ、今頃ファリン族の居る森に・・・


ヘルゼさん!急いで戻って報告を!!


慌てる私達に対して王様はこう言った。

「まあ、それに関しては大丈夫だろう。その私兵達、そのファリン族が居る森どころか、エルビスにすら辿り着いておらんからな。」


え・・・?


「連中は、我に私兵を向わせていることを隠すためにトライスにて準備を整えた後、エルビスに向おうとしたところで燃え盛る一陣の黒き風に全員吹き飛ばされたらしい。摩訶不思議なこともある物だ。」


そう言いながら私の方を見る。


なんで私を見るんだろう?そう思っていると、王様は怪しげな笑みでこう言った。


「ミユよ、そういえばお主ヘル・ウルフを使い魔にしていたよな。」


「え?ええ・・・」


「そのヘル・ウルフ最近全力で走らなかったか?」


あ・・・そういえば・・・


トライスからエルビスに向うとき、時間が無いからって全力で走らせたっけ・・・って・・もしかして・・・


「私兵達は全員衝撃波で吹き飛ばされ、命に関わる怪我をした者はいないものの、救援にはいけなくなったらしい。貴族達はそのことで大慌てよ。その所為で我の雑務が増え、最近は多忙を極めていてな。で、何か言いたいことはあるか?ミユよ。」


王様が私のことをじっと見つめてくる。対する私は冷や汗ダラダラ。数秒が永劫の時に感じるほど頭が真っ白になった私は。


「す、すいませんでした・・・」


王様に向って土下座していた。


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