神様でも運命に抗う人の動向は測れない
はいどうもみなさんこんにちは。天気が良いのにブラインドを閉め切って真っ暗な部屋で小説を書いています吸血鬼です。
決着が付いた後、スバルさんは急にバタリと倒れた。心配した宿屋の従業員達は総出でスバルさんを宿へと運び込んだ。
だが、アリスさんの方へは誰も見向きはしない。私はアリスさんを背負い、宿屋の中に入った。
初め従業員達は
「何故その人を連れてきたのですか?!」
と言って私を追い出そうとした。まあ、当然だろう。さっきまで暴れていた危険人物なのだから。
仕方が無いから諦めて別の宿屋へ行こうとしたところで、ラステルさんがそれを止めた。
「構いません。責任は私が取ります。望結さん、申し訳ありませんが彼女を私の部屋へ運んでくれませんか?」
「分かりました。」
私はラステルさんに案内され、ラステルさんの部屋へとアリスさんを運び込んだ。ベッドに寝かせる際、どさくさに紛れてアリスさんの髪の毛を1本抜き取った。
・・・・・
・・・
ラステルさんがこの後は任せてと言うので、私は壁に穴が開いたままの部屋に戻って荷物を取り、ラステルさんが新たに用意してくれた部屋に移った。
そして新しい部屋で一段落したところで、クロートーさんから着信があった。
『お疲れ様です望結さん。今回も大変でしたね。』
「はい・・・というか、なんかもういろいろと滅茶苦茶でした」
『しかし予想外でした。あの2人が初めて会ったときから好き合っていたとは。』
本当にそこは予想外だ。スバルさんはハーレムを形成しているし、クロートーさんからアリスさんはハーレムの一員になる予定だったと聞いていたから、スバルさんがアリスさんに好意を抱いていたというのは驚きだ。
『たまにいるのですよ。運命に抗い、天命を覆す人間が。今回は2人もいたのでこちらもアドバイスが出来ず申し訳ありませんでした。』
運命を覆すって・・・アリスさんはそうとしてもスバルさんも?
『ええ、今分かったのですが、スバル・レッサーはハーレムに対して好意を持っていませんでした。彼の愛はアリス・マラレスだけに向けられていたのです。』
ま、まじで?じゃあ、あのハーレムとはお友達感覚だったというわけ?
『そうですね。気の合う同僚といった感覚でしょうか?ともかく、彼はハーレムに対して恋人に抱くような好意を持っておらず、その好意は全てアリス・マラレスに向けられていました。』
そうなんだ・・・っていうか何でそんなことになったんだろう?あの2人を転生させた神様は初めからスバルさんに対してハーレムを創る予定だったんじゃ無かったっけ?
『ええ、そのはずだったのですが、狂った運命の歯車はスバル・レッサーの思いにも大きく影響を与えたようです。』
その後、アリスさんの処遇をクロートーさんと話し合った結果、愛を力に替える能力を全て剥奪という結果に収まった。初めは、スバルさんに対する執着が激しいことからスバルさんの記憶も全て消去した方が良いのではというクロートーさんだったが、流石にそれは悲しすぎるし、予想ではあるがスバルさんもそれを望んでいないと、私が全力で止めた。
するとクロートーさんはこう言った。
『私も元からするつもりはありません。流石に今回の件は転生させた神のミスです。記憶を消してハイ終わりなんてしたら、悪魔からどん引きされてしまいます。』
その言葉を聞いて私はほっとした。
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