木崎からの逃亡
どうも皆さんこんにちは。ブラック企業に呼び寄せられる男
木崎の髪の毛は回収できた。後は女神様にこれを渡して木崎の運命を操作して貰うのみ。
そう思ってライドに乗って花畑を目指している最中、ふと、粗い息遣いのような音が聞こえたので振り返ってみると
「ゲボッ・・・ゼェハァ・・・くひひ・・・」
なんと木崎が四つん這いになりながら、まるで獣のように私たちのことを追いかけてきていた。そして、先程幼女と戦っていたときよりも獣のような形へと変化している。
獣のようになっていた木崎の脚はさらに太く、大地を蹴るのに適した形状となり、両腕はさらに太く、そして大きく肥大化し、完全に四足歩行に適した身体となっている。その上、首から生えていた腕は無くなり、代わりに背中から生えていた腕はさらに肥大化しており、よく見るとまるで翼のような膜が腕から伸びている。
「ちぃ!少し見ぬ間に形を変えおったか!先程よりよほど獣に近いわ!」
幼女(妖精)が歯噛みする。たしかに、先程までの歪な姿と比べたら、正当な生物のように見える。そして、より獣の身体に近づいた所為か、ぐんぐんとライドとの距離を詰めてくる。
「ら、ライドお願いもうちょっと急いで!」
「ヴァオン!!」
ライドの足に火が付いた。ライドも本気だ。
あっという間に景色が矢のように流れていく。そのおかげで一気に木崎との差も開いていく。ただ、花畑までの入り口はまだ先だ。それまでに追いつかれないと良いけど・・・
「待っておれ、すぐに入り口を開くでの。」
そんなことを考えていたら幼女(妖精)がここに花畑への入り口を開いてくれるらしい。
「ほい!トリャ!」
フィンガースナップを鳴らそうとして・・・鳴らせていない!!
「ちょっと!何してるんですかこんな時に!」
「し、しかたないじゃろ!血で滑って上手く鳴らせんのじゃ!」
「そうじゃなくて!なんでそんな不確定な方法を!!」
「ええじゃろ!これが一番簡単な術式なんじゃから!」
と、私と言い合いをしながらもフィンガースナップを鳴らそうとする幼女(妖精)。すると、後からバサッバサッとなにか羽ばたくような音が聞こえてきた。続いて、私たちの周囲が一気に薄暗くなる。
恐る恐る上を見上げると、木崎は背中から生えている大きな翼になった腕を羽ばたかせ、こちらに向かって一直線に飛んでくるのが見えた。
「ちょ、ちょっと急いで!」
幼女(妖精)を急かすが一向にフィンガースナップが鳴る気配が無い。ライドも全力で走ってくれてはいるけど、じわじわと木崎が追いついてきている。
駄目だ!このままだと追いつかれる!




