第八話
「おい、エースさん。なんでレイスを殺したんだ」
「おいおいそうがっつくなってシュンジ。だから殺したんじゃなくてレイスが飛んで行ったんだって」
「でも国王にレイスは殺したって報告したんだろ!俺がレイスの親友だからって騙してんだろ!」
「あれはこれ以上レイスの坊主を追跡させないための嘘だっての。ここのやつらはお前らみたく勝手に連れてこられてきたやつばっかだから軍から出られたレイスをわざわざ王にレイスが生きてるだなんていいに行くやつはいないぜ」
「本当かよっ、それが嘘だったら俺は一生あんたを恨む」
「あぁ、本当だ。あと、ずっと部屋でいじけてるフィナの嬢ちゃんも説得しといてくれよ。アースが心配してんだ」
「っは。いわれなくともするよ‼」
そういってエースさんに背を向け、フィナの部屋に向かっていった。
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「おい、キロス待てよ。この鎖消えないのか?邪魔だしかなり怪しいぞ俺たち。鎖を持つ5歳児と鎖につながれた15歳だぜ?むしろ怖いぜ」
「ほうそうか、邪魔か。消えろ」
そうキロスが言うと鎖は見る形もなく消えた。首を触ってみると鎖のようなものがある。
「誓約の鎖は主従関係をあらわす概念のようなもの、どれだけ消しても貴様、えーっと」
「レイスだ覚えておいてくれ」
「わかったのだ。レイス、貴様の首と我の手元には鎖は残るのだ」
俺は首元の鎖を引っ張ったりしてみるが壊れるどころかびくともしない。
「後、我は五歳児ではない。15歳、成人してるのだ」
「俺と同年代なのか!?」
「おぉ、レイスも15歳なのかお揃いだな。ちなみにジョブは「魔王」なのだ」
「出会ったばっかりの俺にジョブを言ってもいいのか?」
「なにを言っているのだ?ジョブは公開されているから隠す必要はないのだ」
「あぁ、魔界ではそういう感じなんだな」
「レイスにも魔王城についたらもう一度ジョブを調べてもらうぞ」
「魔族に触れるのも気になるしもしかしたらジョブも変わってるのかもな。あまり聞かないがそういうこともあるらしいし」
「ほら、もうすぐ魔王城なのだ。これからレイスにはここに住んでもらうのだ」
「え?魔王城?住むとこはないからうれしいけどここ?」
さっきから見えていたがあまりの大きさにスルーしていたがこれからの寝床になると知れば触れずにはいられない
「よーしここから魔王城まで競争なのだ‼」
「はぁはぁ。キロス、早すぎる」
「当たり前なのだ。これでも幼いころから訓練を受けてきたのだ。部下には負けないのだ」
キロスと喋っているとより門番らしき槍を持った犬?止められる。
「おい、とまれ。貴様なにものだ」
「まて、こいつは我の直属の部下なのだ。お前より偉い奴なのだ」
「っは。キロス様すみません」
「俺はレイス、新参者ですがよろしくお願いします」
「レイスのほうが立場は上なのだからそんなかしこまらなくていいのだ」
「一応俺は今日来たんだからそういう意味ではあの人のほうが先輩だろ。挨拶なんだからこれでいいんだよ」
「そういうものなのか?」
「他のやつは知らないけど俺はこうなんだよ」
「じゃあ次はお父さんのいる魔王の間まで競争なのだ!」
そういいキロスは全速力で走り始める。
「おい待てよ、俺魔王城の構造しらないぞ!!」
キロスを追いかけていく中多くの間人を見かけたがキロスにはこうべをたれ、俺には不審な目を向けていた。まあ上司と見慣れない怪しい奴では当たり前の反応だが、、、
そして今は俺の伸長の10倍はあるだろうまがまがしい扉の前に立っていた。
「お父さーん。今帰ったのだー」
そう言いキロスは扉を開ける。