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花が咲いた話

作者: 鳴平伝八

今日も何気ない一日が続いている。

 周りを見渡せば、しょうもないことで笑ったりくだらないことで怒ったり先生に楯突いたり授業中に居眠りしたり。

 その中でも取り分けお花が満開なのが恋の話だ。

 恋バナってやつ。

 あ、正確には花が咲いてる人が多いなって言う話で、俺は生まれてこのかた恋をしたことがない。

 何をもって恋なのか人を好きになるとは何なのか、よくわからないから俺は花が咲いているのを見ているだけ。傍観者だ。

 見ていて思うんだけど、話をしている時ってなんだかんだみんな幸せそうに見える。悩みごとが多そうなのに楽しそうだったり、話が尽きないって感じだ。


 そういえば今日授業サボって図書室で居眠りしてたら、一年の時に同じクラスだった箕輪に起こされた。

「授業中になにしてんの?」

「んぇ?」

 俺はよくわからない返事をしたと思う。

「サボりはよくないんじゃない?」

「あぁ、まぁ、そうだな」

 寝起きだったから返事があいまいだった。

「いつも見てるけど、居眠りが趣味なのかな?」

「そういう訳じゃないけど授業中寝てて怒られるなら、サボってやり過ごした方がいいだろ」

 良いわけがない。ただの言い訳だ。

「学生の本分をお忘れになりませんように」

 優しく微笑みながら箕輪は図書室を出ていった。

「先生かよ」

 出ていってから俺はふと気がついた。

「いや、お前は何してんだよ」

 思わず口走っていた。


 なんだか思い返したら良い話のネタが出来たな。あいつらに話してやろ。

 俺は話した時の事を考えながら、なんだかキラキラした廊下を歩いて、自然に微笑んでいた。

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