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ゲラゲラコンテスト応募用のコント・漫才

コント「節分」

作者: 伊藤テル

父=ボケ

娘=ツッコミ


父「ウホウホ! お父さん鬼だぞー! 豆を投げつけられると死ぬほど嬉しいぞー!」

娘「おっ! お父さん! 全然なってないよ! よくこれでさっき『お父さんは節分にだけは黙秘権を使わないほどの節分好きなんだぞ』なんて言えたね!」

父「どこが悪かったんだ……」

娘「まず鬼はウホウホ言わないよ、ゴリラじゃないんだから」

父「いやでも鬼って上半身裸だからちょっとゴリラっぽいし」

娘「ゴリラはパンツを穿かないでしょ」

父「一理あるな……」

娘「それしかないわよ。次はね」

父「えっ? まだあるのかっ!」

娘「後二つほどあるわよ」

父「二つ……二つとなると果たして素直に聞いていられるか……」

娘「何でそんな我慢が足りないのよ、しゃべらず聞いていればいいのよ」

父「それが出来ない大人に育ちました」

娘「ダメな大人だっ、とにかく二つ言いたいこと言うからねっ」

父「ちょっと待ってよ、もっとお父さんのいいところを挙げていこうよ。挙げていったらキリが無いよ、とか言って笑い合おうよ」

娘「何でそんな談笑しなきゃいけないのよ! そもそもこっちはお父さんの節分ごっこに付き合ってあげているのよ!」

父「付き合ってあげているなんて言い回しを実の父親にするなんて……感慨深い」

娘「何がだよ! とにかく二つ言うからね!」

父「いや待って」

娘「何よ」

父「ウホウホって、本当にゴリラか? オランウータンじゃなくて本当にゴリラのほうか?」

娘「どっちでもいいわよ! そして多分ゴリラよ!」

父「そう言えば結構みんなオランウータンのことを、オラウータンって『ン』をぬかして言うよね」

娘「その話、今しないといけないっ? もう! 話が進まない! 話が!」

父「裸足が? ……あぁ、そうか、鬼はスリッパなんて履かないよなぁ、悪い悪い。で、後一つはどこだ?」

娘「聞き間違い! 話! 裸足じゃなくて!」

父「えっ? スリッパは履いていていいのか?」

娘「いやまあ履かないで。正直そこに目はいっていなかったけどもスリッパは一応脱いで」

父「じゃあ脱ごう。で、後一つは?」

娘「い、いやまあ二つあるんだけども……」

父「何でだよ! 減らないな! 底無し沼か!」

娘「底無し沼というたとえはどうかと思うけども」

父「いやだって底無し沼をいくらおたまですくっても、減らないだろ!」

娘「ま、まあそうかもしれないけども。いやまあたとえはどうでもいいとして、後二つあるから言うね」

父「だから何で後二つあるんだ!」

娘「えっと、スリッパのことは、その、数に入れ忘れていたというか気付いていなかったというか」

父「なるほど、言いたいことは分かったぞ」

娘「やった、分ってくれた」

父「つまりスリッパは履いていいんだな」

娘「違うわよ! スリッパは脱いで欲しいの!」

父「じゃあ後一つか」

娘「……スリッパ履いていいから後二つ言うね」

父「……ん? どうせスリッパのこと言うんだろう、回りくどいことはやめて早く節分をしようじゃないか」

娘「いや、スリッパのことは言わないの。スリッパのことは気付いていなかったから、その二つの中には入っていないのよ」

父「どういうことだ」

娘「ぜっ……全然理解しない! お父さんって何!」

父「液体というよりは固体だ」

娘「そのレベルでの説明はどうでもいいわよ! お父さん理解力無さ過ぎるわよ!」

父「無さ過ぎることはないだろう、ほどよく無い程度だろう」

娘「ほどよくでも何でも無い時点で社会的にアウトなのっ!」

父「う~ん、見解の相違だ」

娘「じゃあもうどうでもいいから言うからね!」

父「後一つな」

娘「じゃあ一つ! まず鬼になりきらないといけないのに自分のことを『お父さん』と言わない! それと鬼は『豆をぶつけられると喜ぶ』と言わない!」

父「……二つのような……いやでも一つと数えることが妥当なのかなぁ」

娘「そう一つ! これは一つなのよ!」

父「じゃあ何か、得した気分だなぁ」

娘「……それは良かったような、もうアレなような」

父「というわけで今までの注意事項をよく考え」

娘「やっと始まる……というか私が細かすぎるのかなぁ」

父「娘! 鬼だぞ!」

娘「だから親子関係的なアレを出しちゃダメなのよっ!」

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