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ユリサの決別

「我々を裏切った振りをしてコイツ等の仲間になる。良く任務をこなしたなユリサ。こんな地下まで来る事になるとは思わなかったが、目的である聖竜を捕獲出来れば問題は無い」


 レメル隊長の言葉に、俺達は一斉にユリサに注目する。コルカの推察通り、やはりユリサはレメル達と繋がっていたのか?


「ユ、ユリサの姉ちゃん。俺達を騙していなの?」


 イバトが上ずった声で金髪の美少女に問いかける。当の本人の背中に抱えられたネテス老人は、要を得ないと言った表情だ。


「······レメル隊長。私の気持ちは最初から変わりません。聖竜を利用しようとする軍部に私は反旗を翻します」


 ユリサは毅然と、そして堂々と言い切った。


「······本気かユリサ?我々をここまで先導して置いて、今更軍部を裏切る気か?」


 レメル隊長の返答に、ユリサは不敵に笑った。


「隊長達を先導したのは理由があります。私達を追ってくるもう一つの集団を誘い込む為です」


 ユリサが言い終えると、騎士達の後方でから悲鳴が起きた、二人の騎士が首を切られ苦痛の声と共に倒れる。


「何者だ!?」


 レメル隊長の鋭い叫び声が届く前に、三つの人影が階段口から躍り出た。それは、茶色いフードを被った地底人達だった。


「レメル隊長。貴方達と地底人を共倒れさせる為に、私は軍部の密偵役をここ迄演じて来ました。もう一度言います。聖竜は渡しません」


「おのれ裏切ったなユリサ!!」


 ユリサの決別宣言にレメル隊長は絶叫する。三階であるこの階層で、騎士達と地底人の戦いが始まった。


「今の内です!早く上の階に行きましょう!」


 ユリサに促され、俺達は駆け足で登り階段に向かった。


「ユリサお姉さん。一体どう言う訳なの?」


 階段を登りながら、クレアは疑いを含んだ声色でユリサを問い質す。階段の下からは、怒号と金属音が聞こえていた。


「······皆さんを騙して申し訳ありませんでした。レメル隊長が言った通りです。私は軍部の作戦でエリクさん達の仲間になる振りをしていました」


 そして頃合いを見計らって俺達から聖竜を奪う。それがレメル達の作戦の筈だった。


「ですが、私が皆さんに言ったの事は真実です。私は聖竜を逃したい。この巨大な力を利用させてはならないからです」


 ユリサはネテス老人を抱えながら、改めて決意を語る。


「なら問題ないじゃん。ユリサ姉ちゃんは最初から俺達を騙していた訳じゃないんだし」


 イバトのこの無邪気な発言により、俺達のユリサへの疑惑の視線は和らいで行った。ただ一人、コルカを除いては。


 俺達は階段を登り四階に到達した。


「······あれが四階の番人か」


 コルカが前方を見て呟いた。そこには、巨体な緑色の軟体生物が蠢いていた。


 

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