行ってきます
「じゃあ父さん、3日後ぐらいに帰ってくるから。」
「うーい、行ってらっしゃい。気をつけてね。」
数日後、皆でゴブリン討伐に行く日が来た。
クロンさんはギルドに送りに来てくれた。
「あっそうだ、お守りを渡しておくよ。」
と言ってクロンさんは鞄からペンダントを取り出した。流線形にカットされた宝石がついたすっげー高そうなペンダントだ。
「わーい!いいのおと~さん?」
「モチロン♪これうちの子が大人になったら皆に渡すお守りだから。」
あんなきれいな宝石がついたペンダントを全員に渡すとかどんな財力してんだクロンさん。
「ありがと〜おと〜さん!」
「大切にします!お父さん。」
「嬉しいよ父さん。」
愛されてるなぁ、見れば見るほど完璧だなクロンさん。
「ほんじゃあ行ってきます、大切なお子さんお預かりします。」
「はいお願いします。うちの子は役に立つんでもしかしたら貴方が救われるかもしれませんよ?」
「はは、そうはならないように気をつけますよ。」
そう軽口を叩き合った後、俺達は出発した。
まず一日目は馬車で依頼の場所の近くまで行って、二日目でゴブリンを皆殺しにして、三日目に帰って来ると。
何も起きないといいなぁ、凄い嫌な予感がするなぁ。
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(レン視点)
「ところでクロンさん、本当にあのお守りに効果あるんですか?」
「なに?ほしいの?」
「いえ別にそういう訳じゃなくて…」
クロンさんの場合国宝級なんて次元じゃないもの創ったと思ったらたまにただのイタズラだったことあったからなぁ〜…
「俺の魔法をかけてあるけどその程度かなぁ、それ以外は大したことはないと思うよ?」
「ちなみにどんな魔法なんですか?」
「それは秘密だよ♪いきなり知らない魔法がでて慌てる様がオモシロ、じゃなくて!ロマンがあるよね!」
今クロンさんの本音が、しかもごまかしても大して内容変わってないし。
「まぁ使わないに越したことはないね、
ほぼ100パー使うフラグ立ったけど。」
「ふらぐ?なんですかそれ?」
「なんでもないよ♪さーて面白そうになってきたなあ〜」
と、楽しそうにしゃべるクロンさん。
相変わらず何言ってるのかよくわかんないな。
でもやっぱりかっこいいな。