父の名は
「「「ただいま〜」」」
で、3人の家というのは中々でかい家だった。
少し古さもあるが重厚な感じだ。
「おかえりロー、クイ、ヒイ。」
出てきたのは白髪に黒目の美少年だった。
こんな若い少年が3種族の親だなんて。
「おとーさん、この人がわたしたちの教育係のシンさん。」
「ど、どうもA級冒険者をやっています、シンです。」
「へぇ〜、その若さでA級ですか、凄いですね。俺はクロン、この子達の親です。」
その若さで3種族の親であるあんたの方がすげぇよ、
とは言えない。
「3人共、俺はこの人と少しおしゃべりしたいから部屋戻ってて。」
「「「はーい。」」」
************************************
「それにしても驚きましたね、
まさか貴方の様な人があの子達の親だなんて」
「よく言われるんですよ、若いのに子育てなんて大丈夫かって、
こう見えて色々経験を積んでるんですよ?」
違う!そっちじゃない!そっちも驚きだけど
それ以上に驚きな事がある!
でも正直言いづらい!自分で気づいて!
「そ、それもそうなんですが、その……
3種族の親だなんて…」
と俺が少し躊躇いながら言うと、
クロンさんは手を打って
「ああ、それのことね。
あの子達は俺とは血は繫がって無いですよ。」
はえ?
「どういう事ですか?」
「あの子達は孤児なんです。
親が魔物に殺されていたり、奴隷になりかけていたり、忌み子として捨てられていたり、
ここは色々あって親がいない子達を育てる
孤児院なんですよ。」
あっなるほどね〜、孤児院か。
じゃあクロンさん凄い良い人じゃん。
女たらしとか酷い事考えちゃったよ。
「それにしてもシンさん、運が良いですね。」
?運が良い?何が?
「新人教育係でうちの子の担当になった事ですよ。普通は本当に強さしかないですからね。
魔物の特徴や薬草の種類を知らないならともかく、隠密の方法も護衛の基本もなーんにも
知らない事が多いですからね、その点うちの子は色々叩き込んであるんでかなり楽ですよ。」
あ〜それか〜、たしかにあの子達新人にしては強さだけじゃなく自分の力量を測れてたりしたなぁ。
「どうやったらあそこまで鍛えられるんですか?」
「それは秘密です♪言ったら俺の評価が下がってしまうかもしれない。」
一体何をしたんだ?
「まっ!とりあえず今日はこれでお開きにしましょう。これからうちの子をよろしくお願いします。」
「はい、もちろん。」
そして俺は孤児院を出た。
************************************
緊張した〜!!!
何あのプレッシャー!同じ人間じゃねぇ!
見た目若いけど絶対に半端なく年食ってる。
なんか長命種とのハーフなのかもな。