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とある世界のどっかの本より
彼は完璧だった。
彼に不可能など存在しない。
無から何かを創ることも、
全てを無にすることも容易だった。
あらゆる摂理を模倣することも、
空間を支配することすら可能だった。
どんな大魔法も剣術も彼の前では戯れに過ぎなかった。
彼は全てを知っていた。
彼は優しく厳しい。
神も悪魔もあまねく何もかもが、
彼の前では膝をつき、頭を垂れる。
人々の心を操るなど彼にとって造作も無いことであった。
彼を敵にまわす者などこの世にはいない。
彼の名は
クロン