表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔王候補になりました。  作者: みぬま
第4章 結婚
90/144

80. 神の代行者

 聖国エルーンの首都イリスは純白の壁に緑の屋根を乗せた家々が整然と並び、その間を縫うようにして水路が引かれている。水路に流れている透明な水を辿って行くと、上流は街の北東に聳え立つ山脈に、下流は空の青を映し込んでいる南東の湖に辿り着く。

 そんなイリスの景色には、“清浄”という言葉がしっくりくる。


 視線を街の中心部に向ければ、天高く伸びる塔を擁した優美な建造物が鎮座している。あれがイフィラ教の総本山である神殿だ。

 首都と言うからには中心部に王城もあるのかと思いきや、どうやら神殿を3方から囲うようにコの字型に建てられている建造物が王城らしい。この国の王族と神殿の力関係が垣間見えるような造りをしている。



 首都イリスに入ると先導の神殿騎士たちが前を走り、それに続く私たちが乗る馬車に向けて、沿道に集まった人々から歓声が上がった。

 「勇者様ー!」と言う声が聞こえる事から、イリスの住民には事前にハルトやフレイラさんが来る事を知らされていたようだ。

 しかしハルトもフレイラさんも窓から顔を出す事なくその歓声を静かに聞いている。

 そこに踏み入って理由を尋ねる事が憚られるような、そんな空気をふたりは纏っていた。


 沈黙が降りたまま、ほどなくして街の中心部に辿り着いた。

 馬車は神殿の入り口に横付けされ、まずはハルトが先に降りる。それから手を差し伸べて来たのでその手を取って私がハルトに続いて馬車から降りた。

 フレイラさんは誰の手も借りずに自ら馬車を降りると、どこか懐かしそうに神殿の巨塔を見上げる。

 最後に、招待客として唯一神殿側から指名されているタツキが精霊石の中から姿を現す。

 神殿騎士たちがどよめいたけれど気にせず、フレイラさんと同様に神殿を見上げた。


「ようこそいらっしゃいました。ハルト様、フレイラ様、リク様……ユハルド様?」


 神殿の正面、立派な扉へと続く階段の手前に立って私たちを出迎えたのは、私たちよりも1日早く帰国していた教皇のゲオルグさん。

 表情こそ穏やかだけど、その目が鋭く観察するようにタツキに向けられているのがわかる。

 当のタツキはそんなゲオルグを一瞥すると、


「なるほど。あそこにいるんですね、イフィラ神の眷族が」


 再び塔を見上げて言い放った。

 途端、周囲に緊張が走る。


「ユハルド様、あなたは一体──」


 そうゲオルグさんが言いかけた時。


 タツキの視線が塔の上から落下するかのように落とされ、神殿の出入口にある扉に向けられた。

 私にもわかった。塔の上にあった気配が、まるで地上に落ちるように神殿の扉の向こうに移動してきた事が。


「ゲオルグ。その方に対して礼を失してはならないと言ったはずだ」


 扉の向こうから発せられたその声は、重厚な扉を経ているとは思えないほど明瞭に耳に届いた。声から遅れるようにして扉がゆっくりと開かれていく。

 それに気付いて慌てた様子でゲオルグさんと神殿騎士たちが地に膝を付き、深々と(こうべ)を垂れた。私たちはどうしたらいいのかわからず、ただただ立ち尽くす。

 その目の前で扉は開き切り、扉の向こうから現れた人物が真っ直ぐこちらへと歩いてきた。


 その人物は少し癖のある銀髪を持ち、吸い込まれそうな透明感を宿した赤紫色の瞳の青年だった。

 穏やかな物腰、優雅な身のこなし。身に纏う衣服も神々しさを演出するかのように、シンプルながらも所々の意匠が凝っている。

 そんな立派な法衣を纏い、法衣と同じ意匠が施された帽子を頭に乗せた青年が、ゆったりとした歩調で一歩一歩階段を下りて来た。

 そしてタツキの前に立つと、さっと膝を折る。


「お待ちしておりました、勇者様方、ユハルド様、ユハルド様の姉君様。僕はイフィラ神の代行者、ティーラと申します。どうぞ、神殿の中へ」


 そう告げると青年は再び立ち上がり、私たちを促すように再び階段を上り始めた。

 私たちは一度顔を見合わせ、とりあえず青年──ティーラさんに従う事にして彼の後を追った。



 神の代行者を名乗るティーラさん自らの案内で通された場所は、恐らく通常であれば踏み入る事の出来ない領域。

 その証拠に、この場に同席しているのはこの神殿の最高責任者たる教皇のゲオルグさんのみだった。他の神殿関係者たちは不安気にしていたけれど、ティーラさんの手振りひとつで部屋の扉を閉めた。


「先程はそこのゲオルグが失礼しました。ご不快だった事でしょう」

「……何故そんなに畏まられているのかわかりませんが、あれが普通の反応だと思いますので気にしていません」


 ティーラさんの謝罪に困った笑みを浮かべてタツキが答えると、明らかに緊張した面持ちだったゲオルグさんがほっと息をついたのがわかった。

 すかさず咎めるようにティーラさんがゲオルグさんを睨みつける。すると弾かれたようにゲオルグさんは姿勢を正した。


「それで、本日は神殿の見学をご希望との事でしたが、本来のご用件をお伺いしてもよろしいでしょうか」


 ゲオルグさんから視線を外し、ティーラさんはハルトを真っ直ぐ見据えた。

 どうやらこちらの意図は見抜かれているらしい。


「はい。実は、勇者フレイラ=ソーヴィスの婚約の件でご相談に参りました。聞けばどうやら本人の意思に関係なく定められた婚約との事。本人も望まぬ婚約に悩まされているようです。これを解消する術はないのでしょうか」


 ハルトの言葉に、ティーラさんは少し驚いたような表情を浮かべた。

 今度はフレイラさんに視線を移す。


「それは、本当ですか?」

「はい。私はこの婚約を望んでおりません。恐らく、マイス殿下も」


 フレイラさんの返答を聞いて、ティーラさんの表情が険しくなった。

 おや、どうも雲行きが怪しいような……。


「なるほど。それは大変心を痛められた事でしょう。申し訳ない事をしてしまいました。僕が聞いた話だと、両者共に相思相愛だという事だったので良縁なのかと思っておりましたが……」


 後半の厳しい声音に、ゲオルグさんがびくりと身を震わせた。

 あぁ、なるほど。どうやらゲオルグさんの独断専行で決めた婚約だったようだ。

 これまでの流れから、どうやらこの教団の運営のトップはゲオルグさんだけど、最高権力者なのはティーラさんのようだ。


「どうやら思い違いだったようですね。その件に関しましては、こちらの方で責任を持って婚約解消の手続きを致します。同時にフレイラ様はオルテナ帝国に戻りづらいかと思いますので、オルテナ帝国への派遣は今を以て終了し、別の勇者を派遣する事にしましょう。もし希望する任地があれば、次はそちらに派遣するように手配致しますが……」


 この申し出に、フレイラさんがぴくりと反応した。

 同時に強い決意の宿った目でティーラさんを見上げる。


「希望を申し出て承認していただけるのであれば、行きたい場所がございます」

「どうぞ、遠慮なく仰って下さい。今回のお詫びと言ってはなんですが、出来るだけ希望を叶える用意はありますよ」


 柔和なティーラさんの笑顔に後押しされ、フレイラさんはぐっと拳を握り込んだ。

 そして、はっきりと言い放つ。


「私を魔族領の、フォルニード村に派遣して下さい」


 「何を……!」と、声をあげたのはゲオルグさんだ。すぐにティーラさんに睨まれて黙り込む。

 一方私は私で吃驚していた。勇者を魔族領に派遣なんて聞いた事がない。しかもフォルニード村にはマナとセン、ふたりの魔王種がいる。神位種と魔王種が共存出来ないとは全く思わないけれど、間違いなく前例がない事をフレイラさんはしようとしていた。


 同じ思いなのだろう、ハルトも吃驚した顔をしている。

 ただひとり、タツキだけは穏やかな微笑みを浮かべていた。フレイラさんならそう言うと思った、と言わんばかりの顔だ。


「それは……面白そうですね。いいでしょう、そのように手配致します。本日付けで勇者フレイラ=ソーヴィスのオルテナ帝国派遣を終了し、只今を以てフォルニード村への派遣を視野に入れ、フォルニード村との交渉を開始します。ゲオルグ、手配を」


 あっさりと。ティーラさんは実に楽しそうな笑顔で請け負った。

 指示を出されたゲオルグさんは慌てふためきながら反論しようとしたけれど、フレイラさんの婚約に関する独断がばれたのもあって何も言えず、深々と頭を下げるなりそそくさと退室して行った。

 その後ろ姿を見送るハルトの口許が、必死に笑いを堪えているのがわかる。


「……笑ってもいいんですよ? ハルト様。さぞあの男には嫌な思いをされてこられたでしょうから」

「ふっ……いえ、大丈夫です。ただ、あの狸がああも動揺する姿が見れるなんて、今日はここに来てよかったです」


 ティーラさんに声をかけられたハルトは少し吹き出したものの、結局笑いを堪え切って晴れやかな表情で感想を漏らした。

 その感想を受けてティーラさんも「ふふふ」と楽しそうに笑う。


「まぁ、あの小物の事は一旦忘れましょうか。あ、魔王討伐報酬は正式な手順を踏んで後ほどお渡ししますね。とりあえず次は、こちらの用件を申し上げてもよろしいでしょうか」


 そう切り出す頃には笑いを納め、ティーラさんの視線がタツキに向けられる。

 ティーラさんの用件か……どんな用件なのかは全く想像がつかないけど、間違いなくイフィラ神絡みなんだろうな。


 そんな事を考えている間に、ティーラさんはタツキの前まで来ると再び地に膝を付いた。


「イフィラ神よりお話は伺っております、ユハルド様。神より愛されし魂を持ち、神より直接名を与えられた唯一の存在」

「そんな大層な者じゃないので、そう畏まるのはやめて貰えませんか?」


 気まずそうなタツキに、しかしティーラさんは「とんでもない」と微苦笑を浮かべるばかりで姿勢を変えなかった。

 タツキがちらりとこちらを見てくる。

 いや、困り果てた顔でこっちを見られても、私も困るんだけど……。


「ユハルド様。僕から、ひとつお願いがあるのです。お聞き届け下さいませんでしょうか」

「その姿勢を改めてくれたら考えます」


 即答だった。これにはティーラさんもきょとんとした顔でタツキを見上げる。当のタツキはむず痒そうな表情で見つめ返した。

 しばらくそのまま双方見つめ合っていたけれど、やがてティーラさんが吹き出して笑い、立ち上がった。


「そこまで言われてしまっては、態度を改めざるを得ませんね。では、これで僕の願いを聞いて下さいますか?」

「内容によりますが」


 ズバズバと返すタツキの物言いがツボなのか、ティーラさんはまた「ふふふ」と笑い声を漏らすと一度咳払いをして気を取り直す。


「では聞くだけでも。ユハルド様、どうかイフィラ神の真なる眷族になって頂けないでしょうか。あの孤独な我らの神と共に歩む、友人として」


 真なる眷族……?

 どういう事だろうと思いながらタツキの顔を見ると、何とも表現し難い、複雑な表情を浮かべていた。

 眉間に皺を寄せ、苦しそうな、迷っているような……。


「イフィラ神のみならず、神は皆孤独な存在です。しかし中でもイフィラ神は意志ある生き物との関わりが深く、他の神に比べて情も深い。ユハルド様方がこの世界に来るきっかけとなった事故のような、監視が行き届かずに起こった不慮の事故にも強く責任を感じ、深く心を痛めてしまう。そしてよかれと思って下した判断の結果、不幸を背負ってしまう者が出るとまた深く心を痛めてしまう。今回の転生の件もそうです。あの尊い方はよかれと思って前世の記憶を残したのでしょう。しかし中には、前世の記憶があったからこそ、不幸になった者も数多くいる」


 この言葉に、フレイラさんが視線を床に落とした。

 フレイラさんは前世の記憶がある事を不幸だと思っているって事だろうか……。


「我々が言ってもあの御方は大丈夫だと言って、笑って誤摩化してしまわれる。そしていつもどこか寂しそうな、何かを諦めたような声で我々に語りかけて来ていたのです……。けれど、それがある時を境に変わった。貴方様の──ユハルド様の話をする時のあの御方は、とても楽しそうで。その楽しげな声を聞いて、あぁ、イフィラ神にとってユハルド様は特別な存在なのだなと、思ったのです」


 視界の中でタツキが目を閉じ、俯く。


「ですから、きっとあの御方を元気づけられるのはユハルド様だけなのだと思いました。故に、あの方の本当の眷族になって頂きたい。眷族になったからと言って、あの方は縛り付けて来たりはしません。僕らは自由なんです。自由過ぎて、苦しいくらいなんです。きっとこの自由こそがあの御方の渇望するものなのだと、嫌というほどわかってしまって……」


 ティーラさんの言葉が途切れる。

 何だか聞いているこっちまでティーラさんの遣る瀬無さが伝わって来て、切なくなってしまう。


 この感覚は身に覚えがある。

 正確には、夢の中で感じた感覚だ。

 これは、そう。恐らくイザヨイから…睦月から干渉を受けた時に見た、あの夢の中で感じた遣る瀬無い感情に似ている……。


「……わかりました、考えます。というか、考えてはいたんです。ずっと、どうしようかって。もう少し時間を下さい。力を受け入れるには僕の意志があまりにも弱いので、覚悟が必要なんです」


 すっと顔を上げたタツキがそう告げると、ティーラさんは少し悲しげな微笑みを浮かべた。

 それから深々と頭を下げ、


「あの方のために色々と考えて下さって、ありがとうございます」


 心の底から絞り出したような声で、礼を口にした。




 ティーラさんとの面会を終えると、私たちは別室に通された。

 室内にはそこそこ位が高そうな神殿関係者の男性が待ち構えており、その前には長持ちのようなサイズの豪華な細工が施された箱が4つ並んでいた。

 それを見た瞬間、ハルトの顔が引き攣る。


 男性は全員が入室するのを待って恭しく一礼すると、朗々と書状を読み上げ始めた。

 内容としては、魔王討伐の功労を誉め称え、その功績を表して東大陸にある各国の関所を自由に通過する権利と、神殿へ自由に来訪する権利を与え、更に目の前の箱に入っているらしい報酬を与える、というものだった。


 あぁ、これが噂の魔王討伐報酬か…。

 正直魔王種である私としては複雑な思いがある。


 書状を読み上げた男性が改めて一礼して部屋を去ると、ハルトは深いため息をついて箱に歩み寄った。

 つられるようにして私やフレイラさん、そしてもうひとつの箱はタツキのものらしいのでタツキも室内に残っている司祭に促されて箱の前に立つ。

 そして、各自箱を開け……すぐさま閉じた。


「はっ? えっ!? 何これっ!?」


 思わず私は驚愕の声をあげた。その一方で声にもならないほど驚いたらしいフレイラさんが、怯えた目で縋るように寄って来たので思わず抱き留める。

 フレイラさんと抱き合いながら遠目に箱を見ていると、


「だから言っただろ、使い道に困るくらい報酬が出るって……。前貰ったのもまだまだ残ってるんだけど、更にこんなに貰ってどうしろって言うんだか」


 疲れ切った声のハルトが箱をぽんぽんと叩いた。


「……これ、分解しちゃっていい?」

「いいんじゃないか?」


 タツキが呆れたように呟くと、ハルトも投げやりに答える。

 しかし本当に、想像以上の額が入っていた。こんな資金、一体どこから沸いて来るんだか……あ、いや、そうか。これは神殿への寄付金とか、魔王から実際苦しめられている都市や国から魔王討伐依頼の成功報酬として差し出されているものなのか……。


 ひとり納得してみたはいいものの、正直ちょっとあの箱に触りたくない。

 マイホームを夢見て地道に稼いできた自分の貯蓄もなかなかのものだと思っていたけど、そんな金額が吹き飛ぶほどの額だ。

 本気でタツキに分解して貰おうかと思ってしまう。


「あ、でもこれ、フォルニード村の復興資金に使えるね。前にイムが資金を出してくれればフォルニード村の復興が出来るってハルトが言ってたの、ちょっと納得したかも」


 いち早く立ち直ったのはタツキだった。

 そう言われてみればそうだ。これだけの資金があったら都市建設費くらい軽く賄える。


「じゃあ私の報酬をフォルニード村復興資金に!」


 真っ先に挙手したのはフレイラさん。フレイラさんはこれからフォルニード村に赴任するから、この4人の中だとフレイラさんが資金提供するのが一番自然か。

 逆に私やハルト、タツキが出すと魔族嫌い筆頭のオルテナ帝国がアールグラントに何かしら理由をつけて抗議してきそうな予感……。

 いや、婚約解消が成立しないと、フレイラさんが出しても似たような結果になるかも知れないのか。

 本当にちゃんとフレイラさんの婚約は解消して貰えるんだろうか。



 ──なんていう私の懸念はあっさり払拭された。

 神殿で一晩お世話になった翌日、ティーラさんに呼ばれて例のティーラさん専用の謁見室に行くと、無事婚約解消の手続きが済んだ事が伝えられた。

 たった一日で他国の王族との婚約解消にこぎつけるなんて……一体どんな手を使ったんだろう。


 実際オルテナ帝国側からは多少非難されたらしいけれど、そこは勝手に話を進めたゲオルグさんが何とかしたようだ。

 何ともしていなかったらきっと、ゲオルグさんは今日の朝日を拝めなかった事だろう。

 それくらいティーラさんからはただならぬものを感じる。




 聖国エルーンの首都イリスに来て3日目。

 私たちはまだ城塞都市アルトンの問題も抱えたままなので、早々にイリスを出発する事にした。


 フレイラさんは正式な任命状が渡されるまでは神殿に所属する事になるので、ここで一度別れる事になる。ちょっと寂しい。

 そう思っているのがお互いに顔に出ていたらしく、私とフレイラさんは互いに互いの顔を見るなり笑ってしまった。自分もきっと相手と同じ表情をしているんだと思ったら、何だか可笑しかった。


「フォルニード村に向かう時に、アールレインに寄らせて貰うわ。その時、また会いましょう」


 別れと再会への言葉を述べたフレイラさんと、見送りに出て来てくれていたティーラさんは名残惜しそうな様子だった……けれど、ゲオルグさんはちょっとほっとした顔をしていた。


 あれはまだ余罪がありそうだな……。

 ハルトがゲオルグさんを嫌っている様子を見せていた理由も、イリスに来てようやく理解出来た。

 ゲオルグさんは信用ならない。今後神殿絡みで不審な点があったらまず最初にゲオルグさんを疑う事にしよう。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ