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プロローグ
その異変は唐突に起こった。
平和な国の、長閑な町。都会に近いけれど田園風景もあるような、ちょっとした田舎町だ。交通の便は良くも悪くもない。
そんな町が、一夜にして消えた。
それが起こった時、近くにいながら難を逃れた者がいた。彼は震えながら当時のことを語った。
夜なのに空が昼間のように明るくなった。
次の瞬間には閃光が走った。
すぐに地面の激しい揺れと爆音がした。
もの凄い揺れと音だった。
何かが爆発したのだと思った……と。
その後爆心地と思われる場所に向かった彼が目にしたのは、巨大なクレーター。
そこにあったはずの長閑な町は跡形もなく消え去っていたのだった。