やっぱり私はブサイクだったみたいです。
なんでこんなことになってるんだろう・・・・・・。帰ったらエドに絶対に怒られる。お父様にも怒られるかも・・・・・。
「ヴィヴィアン王女、こちらでございます。」とA国の侍女に連れてこられた部屋に入る。
「なっ。」
声がしたほうをそっと見ると、A国の使者のアゼル様が顔を真っ青にしている。わかりますよ。ビックリですよね?私もビックリです………。できることなら、朝に時間を戻したいです。
早朝にA国に到着した。アーサー王子がいる城まで馬車で行くため、アゼル様に馬車まで案内された。馬車はV国の王族の物よりずっと豪華で、乗るのに気後れしてしまう。この豪華な馬車に乗るブサイクな私・・・・・。はあ、似合わな過ぎ。
「ヴィヴィアン王女、体調はいかがですか?辛くなったら、すぐに仰ってください。」
あーっ、笑顔が眩し過ぎます。ネリーの時もその素敵笑顔なら、ネリーも少しは柔らかな対応したと思いますよ。あっ、でもネリーにはエドがいますので口説き落とせはしないですよ!
「あ、アゼル様、先日はありがとうございました・・・・。ご迷惑おかけしてしまい。すみません・・・・。」
恥ずかしい。顔どころか耳も首も赤くなってる気がする。
「迷惑ではなく役得でしたよ。水も飲ましたかったぐらいです。残念でした。」
ひゃーっ!なんてこと言うんですかっ!!でも、なんて、ブサイクにも優しいナイスな紳士なんでしょう。
「それから、アゼルとお呼びください。」
「アゼル様は貴族ですよね?他国の貴族の方を呼び捨てでなんて呼べません・・・・。」
A国からZ国までの26カ国の王族、貴族は自分の国の名をつけるのが通例。A国ならアーサー、アゼル、V国ならヴィヴィアン、ヴィクターの様に。逆に一般市民は自分の国の名をつけてはいけない。
「では、私が貴族でなければアゼルと呼んでいただけますか?」
貴族ではなくても国の名のつけるのはA国では問題ないの?えっ、もしかして・・・・。
「アゼル様は王族なんですか?」
「違いますよ。」
「では?」
「秘密です。」
えーっ、なんで?って、顔に出ていたのか、「またお会いした時に。」とはぐらかされてしまった。アゼル様は、他の国の候補様も担当らしく急いで城に戻るため馬で先に出発した。私はポツンと豪華な馬車に残された・・・・・。でもすぐに「失礼します。」と言って、馬車の扉が開いた。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
「あら?何か感想はないの?」
「サイズが合ってません・・・・。」
ヴァネッサ姉様が侍女の服を着て立っていた。服はサイズが大き過ぎてブカブカ、髪は後ろで簡単にまとめてあるだけ、化粧もほとんどしていない。でも美しいヴァネッサ姉様・・・・・・。
「なんですか、その格好?」
「ふふ、ビビの侍女よ?だって私は二年前まで、ビビの侍女だったでしょ?」
あれは侍女というより、花嫁修行かと。あとは私に同世代の同性の友人どころか知人もいない私のために・・・・・。
「ヴァネッサ姉様は候補様なんですよ!すぐに着替えてください!」
「いやあよ。だって私は候補ではないもの。」
「そんな訳ないじゃないですか!」
「本当に候補ではないわ。本物の候補ではないの。侍女を連れて行くことができないなら、もう一人候補にして連れて行くことが、A国に陛下が出した条件だったの。」
「それなら、ヴァネッサ姉様が候補様です。着替えてください!」
着替えて!イヤっ!としてるうちに、城に着いてしまった・・・。ヴァネッサ姉様はブカブカだった服をどうやったのか、スッキリ着こなしているし・・・。はあ、とりあえず城に入ってから考えよう。
「ダメダメダメ!こんなことしたってバレバレなんだから!」
「えっと・・・。」
A国の中年の侍女のあまりの勢いにヴァネッサ姉様も私も圧倒される。
「結婚したくないからって、侍女と変わるだなんて初めてだよっ!」
「本当に私が侍女ですわ。疑うならアゼル様をお呼びくださいませ!」
「アゼル様は忙しい方ですよ。姫様のワガママの付き合わせるなんてできませんわ!早く着替えくださいな。ちょっと、アンタも姫様のお願いだからって、アンタの容姿じゃ姫様に見えないよ!」
「我が国の王女に失礼ですわっ!アゼル様を今すぐ呼んくださいませ!!」
この侍女さん、全く話を聞かない。でも、これが普通の反応なんだろうな。ブサイクな姫がこの世に存在してるだなんて誰も思わないよね。
「あの、着替えた後の予定は?」
「やっと認めたのかい?そうね、昨日Z国の候補様がいらしたから、今日は部屋て休みなさいな。明日から忙しいよ!」
とりあえず、今は私が侍女の服を着てやり過ごして、後でアゼル様を呼んもらおう。
納得いかない様子のヴァネッサ姉様と一緒に私たちの部屋に案内してもらう。
「お待ちくださいませ。今、アーサー王子の時間ができたため、今からアーサー王子の執務室までご案内いたします。」
「なんですって!」
ヴァネッサ姉様・・・・・。どうしましょう・・・・・・。




