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V王国 ロイヤルファミリー

「えっ?明日にはA国に向かうのですか?」


何ヶ月か先の話かと思っていた。ビックリだけど、明日から旅にでるかと思うとワクワクする。A国は超大国。二番目に行ってみたいと思っていた国。


アーサー王子に選ばれることなど絶対にないし、A国を観光三昧!美味しいお菓子があれば、可愛い弟にたくさん買って帰ろう。はあ、楽しみ!


「お前は、本当にこの縁談を進めて良いのか?ヴィヴィアン?」


お父様が心配そうな顔で聞いてきた。珍しい……。お父様の顔はとても美しいけど、表情があまりない。それに私には興味がないのだと思っていた。


「ええ、進めてください。お父様。」


お父様が、じーっと私の顔を見てくる。そう言えば、お父様に可愛いと言われたことがないかも。まあ、ブサイクで可愛いと思わないから可愛いと言わないんだろう。お母様とエドは毎日のように言ってくるけど……。


「お前は、本当にユニークな顔をしておるなあ?どれだけ見ていても飽きない。」


お父様……。自分の娘を珍獣扱いですか?でも珍しく私に興味を持ってくれたので、褒め言葉だと思うことにします。


「お姉様!外国に行くって、本当なのですか?」


走って来たようで、ハアハア言っている。はぁ、可愛い過ぎるぞ!弟よ!


「えぇ、でもすぐに帰ってくるの。たくさんお土産を買って帰るから、お利口さんにしているのよ?」


「本当に?すぐに帰ってきて。」


美しい顔の弟。瞳をウルウルさせて、見上げてくる。あまりの可愛さに、ギュっと抱きしめる。


「アーサー王子がお前を選べば、すぐには帰れぬだろう?子どもに期待させるものでない。」


えっ?お父様こそ、ブサイクな娘に期待させるようなこと言わないください!


「アーサー王子?もしかして、お姉様に縁談が?お父様、断ってください!あと六年で僕は成人します。そしたら僕がお姉様と結婚する!だから縁談を断ってくださいっ!!」


えっ?えっ?ヴィクター?何を言っちゃってるの?


「お前は、もうすぐ10歳になるというのに姉とは結婚が出来ないと分からぬのか?」


おぉっ!今日のお父様は表情豊かだ!お父様がイラッとしてる!


「だって!だって!お父様!お姉様は本当のお姉様じゃないもの!お父様にも、お母様にも、僕にも全然似てないじゃないか!瞳の色だって違うし!」


へっ?えーっ!自分がお父様とお母様の子どもではないとは考えたことはなかった……。確かに、二人に全く似てない。でも、それは隔世遺伝で祖父に似てるからで……。あれ?


「あら?残念ね。お母様が可愛いスーを産んだのよ。貴方とスーは血のつながった姉弟よ。ヴィクター。」


お母様、いつの間に!


「嘘だ!」


ヴィクターは泣きだした。


「フフフっ。知ってる?泣き顔がソックリなのよ?貴方達は。」


あっ、本当だ…。ヴィクターの泣き顔は、確かに私に似てるかも……。ヴィクターは、なかなか泣かない子だったから気づかなかった。ヴィクターは本当に美しい顔で、私に全然似てないのに。遺伝子の不思議、凄いな……。


「それにね、スーはお祖父様似だから。瞳の色はお祖父様と同じ色なのよ。ねぇ、陛下?」


「父上に似てるのは、瞳の色だけだ。髪の色、肌の色、唇は、お前にそっくりだ。眉と声は私の母上似。そして……。」


父上は私の耳を指で撫でながら、「耳の形は私に似ている。愛おしくて、可愛い私の娘だ。」と言うと、優しい目で私を見る。本当に今日のお父様は表情豊かだ……。お父様に、愛おしいって、可愛いって言われた……。何だか恥ずかしくて、話を変える。


「あっ、明日はエドも一緒ですよね?ネリーにも、すぐ伝えて準備してもらわないと。」


「エドワードが一緒なら、僕も一緒に行く!お姉様と離れるのは嫌だ!」


ヴィクターは私にピッタリ抱きついて離れない…。


「あらあら?困った子ね。」


お母様はそう言うと、エグエグと泣くヴィクターを抱き上げて部屋を出て行った。お母様……。ヴィクターは小柄なほうだけど、華奢なお母様が軽々と……。今日はビックリだらけな一日です。


「エドワードはA国には行かない。」


「えっ?」


「エドワードがいると、色々と面倒だからな……。お前は観光旅行だと思って楽しんでくれば良い。お前が相手の王子を気にいらなければ、断って帰っておいで。」


「お父様………。ありがとうございます。」


お父様、私が選ばれることはないと思います……。というか、アーサー王子の視界に入るのも怪しいかと……。でも、お言葉に甘えて観光してまいります!

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