五の姫様とアリス様
五の姫様、大暴走の巻?
腰紐で手首を後ろで縛られ、腰紐を外されことにより胸元がはだけてしまっている。そんな状態の私を目を細めて五の姫様が見つめている。
私より身体が小さく、さっきまで幼い子のように泣いていたのに・・・。激しく抵抗したのに、少女のものとは思えない力でねじ伏せられた。
「ビビ、綺麗。触れても良いかのう?」
「ダメ!ダメだから!」
ダメだと言ったのに、人差し指で首から胸元までなぞられる。くすぐったくて、身体がビクッとなる。
「ふふ、ビビ、可愛いの・・・。もう、誰にも触れさせはせぬ。アーサーにもオーウェンにも、そしてエドもかの?このような跡をつけて良いのは妾だけ・・・。」
エド?だって、五の姫様はエドが好きなんじゃ・・・。
「五の姫様は、エドに恋をしているのでしょう?なんで、こんなことを・・・・。」
「エド?」
「エドが、五の姫様の半身なのでしょ?」
「エドなど半身ではない!そのようなこと、そなたが言うでない!善がエドを嫌っておるから、善に嫌がらせをするためにエドをZ国に誘っただけであって、半身などではない!」
五の姫様は、はだけてはいるが、辛うじて肩にかかっていた布を一気に腰まで下げてしまった。
「イヤ!五の姫様、ヤメテ!」
なんで、こんなことに・・・。悲しいのと、悔しいのとで、涙が溢れ出てくる。
「あぁ、ビビ・・・。今度は妾がなぐさめてやろう。だから、もう泣くでない。」
「もう、ヤメテ・・・。オカシイよ。こんなの、オカシイ・・・。」
「おかしくなどない。妾の愛おしい半身。妾の大切な大切な菫。やっと、見つけた・・・。」
「スミレ?」
「そなたが、菫が・・・。妾の半身の生まれかわり。会いたかった。」
生まれかわり?
「そなたが、妾の妻になる。良いか?」
良くないし!何を言ってるの?
「五の姫様は、女の子でしょ?何を言ってるの?」
「妾は、一度も女子だと言うたことはない。妾は、菫に女子と言うたかの?」
んー、女の子だと言ってないかも。でも、五の姫様。姫様だし・・・。ん?女の子ではない?えっ?えっ?
「えっ、五の姫様は・・・・。男の子なの?」
私の質問に、五の姫様はムッとしたのか眉間に皺をよせる。
「妾は男であって、男の子などではない!もうすぐ成人して、菫を妻にするのだからの!」
「さっきまで子どもみたいに泣いていたのに?五の姫様は、まだまだ男の子ですよ。」
傷ついた顔をしたって、もうなぐさめてなんてあげないんだから!
「ならば、妾が男であることを身を以て知るが良い。」
愛らしい顔なのに、さっきまで女の子だと疑うこともなかったのに・・・。
「えっ?あっ・・・。」
五の姫様は、裸になると近づいてきた。柔らかそうな頬とは違い、身体は筋肉質で・・・。
「あっ、イヤ。イヤ、誰か!誰か!」
「誰も来ぬ。叫んでも無駄であろうに?妾も初めてゆえ、あまり上手くできぬやもしれんが・・・。許せ、菫。」
「イヤ、止めて!誰か、誰か来て!」
「誰も来ぬと言うておろうに。そんなに叫んでは、喉を痛めてしまう。そうだの?叫ばぬように塞げば良いの。」
五の姫様の顔が近づいてきて、キスをされる!と思った瞬間、扉が開いた。
「おやめなさい、五の姫。嫌がっているではありませんか。」
声のする方を必死に向くと・・・。アリス様?えっ、でも、アリス様は、オーウェン王子で・・・。
「アリス!菫は妾の、妾の半身。アリスにも申したであろう?」
えっ、やっぱりアリス様なの?
「半身であったら、嫌がっているのに、無理矢理でも抱いても良いとでも?それで、二度と心を開いてくれなくても?愛してくれなくても良いと?」
「菫が妾を愛してくれない?」
「五の姫?良い子だから、スミレを離してあげなさい。良いですね?」
アリス様は、濡れるのも構わず温泉に入ると、手に持っていた着物を五の姫様の肩にかける。
「五の姫、先に部屋に戻っていなさい。良く考えるの。良いですね?」
「はい、アリス。」
五の姫は、私を見ることもなく出て行った。
「スミレ?もう大丈夫ですよ。」
「アリス様?」
アリス様は、なあに?と言いながら、手首の紐をほどき、服を肩にかけてくれた。
「アリス様、私、私・・・。」
「大丈夫よ、スミレ。怖かったわね。でも、もう大丈夫。」
「アリス様・・・。」
「なあに?」
「私、私、赤ちゃんが?妊娠したのでしょうか?」
「スミレ?五の姫に何をされたの?」
「裸で、裸で抱きしめあったら、赤ちゃんができるのでしょ?」
アリス様は、目を見開き、私を見つめる。
「なんて、可愛らしいんでしょう。ふふ。大丈夫。裸で抱き合っただけでは、妊娠しないわ。」
「本当ですか?」
「本当よ。」
ホッとしたら、急に目の前が真っ暗になった。




