アーサーとオーウェンと・・・・
「アーサーはさ、ヴァネッサのこと自分のみたいに言うの止めてくれない?まだアーサーの妃じゃないでしょ?」
オーウェン王子がギューって抱きしめてきて苦しい・・・。
「ぁあ?お前には関係ない。ソレを離せ。」
「ヴァネッサ、言っちゃいなよ。アーサーの妃になんてならないって!」
そうよね。二人きりの時より言いやすいよね。
「ならない・・・。」
声、ちっさとオーウェン王子に言われてムッとする。だって、だって・・・。
「あぁ?」
だってアーサー、凄く怖い。
「アーサーの妃にはならない・・・。」
言った!頑張った、私!
「はあ、オーウェンに何を吹き込まれた?お前が何を言っても、俺の妃になることは決まっている。」
決まってる?なんで?私の意思は?確かに、あの時は妃になっても良いかなあ?なんて思ったりしたけど。なんだろ。何か違う・・・。
「アーサーは、私のこと好き?」
「分かり切っていることを聞くな。こっちに来い。」
「オーウェン王子の前じゃ言えない?ブサイクな私になんて好きって言えない?それとも好きじゃないから言えない?」
私、何を言ってるんだろう?あれ?アーサーを責めてるけど、私は?私はアーサーが本当に好き?こないだまで思い出しもしなかったのに?
「ヴィヴィアン・・・。こっちへ来い。」
「ヴィヴィアン?やっぱりだ。」
「えっ?あっ・・・・。」
ヤバイ・・・。なんでアーサーもここで名前を言うかな。今まで言わなかったのに。オーウェン王子だって、怪しいと思うよね。どこがV国の宝石だよって・・・。
「やっぱり、君がスミレなんだ?おかしいと思ってたよ。アーサーがあそこまで執着するのは、スミレにだけだし?スミレ、僕は君を見ても君を選ぶよ。大好きだよ、スミレ。」
そう言って、私の頭にキスをした。
「オーウェン、本当に死にたいみたいだな。」
「アーサーはさ、やれないことを言わないことだね。まあ、僕はアーサーにだったら殺されても仕方がないと思ってるけど。けど殺すのは、僕がスミレを抱いてからにしてくれる?」
二人とも何を言ってるの?殺すって何?アーサーが私の腕を掴む。
「ヴィヴィアンを離せ。」
「スミレ?僕を選んで?僕はスミレだけいれば他は何もいらないよ?」
「お二人とも、ヴィヴィアン王女から離れてください。」
「あっ!」
なんで?なんでここに?
「誰だ、お前は?」
「わたくしは、ヴィヴィアン王女の侍女のネリーでございます。アーサー王子、オーウェン王子、我が姫をお離しくださいませ。」
「ネリー!」
ネリーは私を軽々と抱き上げて、では失礼いたしますと部屋を出て行こうとした。
「待て!ヴィヴィアンを置いていけ。なんだ、お前は!」
アーサーが怒鳴りつけた。
「えぇ、ですからヴィヴィアン王女の侍女ですわ。」
「侍女?侍女を」
「えぇ、我が国だけだそうですね?侍女を伴うのを禁止したのは?これは同盟国に対して失礼ではありませんか?あぁ?大国の王子である貴方は、弱小国で連合国の末席にいる我が国には何をしても良い、そう思っているのでしょうか?」
「違う!そんなことは思っていないっ!侍女を連れてくることを許せば、アイツも一緒に来るだろう。絶対に邪魔してくるに決まっている。だから・・・・。」
あいつ?誰?
「あいつ?あぁ、エドワードのことですか?えぇ、そうでしょうね。それは間違いないですね。でも、アーサー王子?貴方は我が国王陛下の信頼を裏切り、陛下の怒りを買ってしまいました。縁談は白紙になりました。エドワードのほうが上手だったってことでしょうね。では、失礼いたします。」
「ふざけるなっ!白紙だと?そんなことは認めない!」
「貴方が認めなくても良いのです。A国、女王陛下には認めて頂いておりますので。」
アーサーとオーウェン王子、二人同時に呟いた。
「母上が・・・。」
「では、失礼いたします。あぁ、そう。本日中には、アーサー王子?貴方の大嫌いなエドワードがこちらに来ますわ。残念でしたわね。」
ネリーが魅力的なのはわかっていたけど・・・。あまりの妖艶な笑みに思わず見とれてしまう。そんな私の視線に気づいたネリーがいつものように優しくほほえんで、もう大丈夫ですよ。帰りましょうね。と言った。
「母上が認めても、俺は認めない!ヴィヴィアンを離せ!」
アーサーがネリーの腕を掴もうとする前にアーサーは背後から羽交い締めにされた。
「あのー、私の女に触らないでもらえます?」
「善、貴様っ!」
えっ?えっ?えーっ!!




