Z国 五の姫
Z国はA国の真の同盟国。A国からZ国までの26カ国は基本的に、アルファベットが始まりに近いほど強国。例外はZ国。最後まで連合国に入るのを拒絶。Z国はA国と対等の権利を与えられ、そしてZ国だけが自国民の意思で連合国を抜けることができる。他25カ国は、他24カ国の同意がなければ抜けることができない。Z国以外は連合国から抜けたいと思う国はないためか、この条件に不満に思う国はない。
「五の姫様!侍は?忍者は?実在するのですよね?」
Z国。私が一番行ってみたい国。子どもの頃、お母様に何度も強請って話を聞いた。憧れの国。
「侍か?善は侍になるのかのう?忍者を妾は見たことないが、善は見たことあるのか?」
善様を見ると、真剣な表情で考えこんでいる。
「忍者のことは、国家機密のためにお教えできかねます・・・。」
国家機密!!!!
「あっ、すみません・・・。国家機密だなんて知らなくて。」
「可愛いのう、ヴァネッサ様は。年上には見えぬ。それにしても、善の冗談は分かりにくい。忍者などおるわけない。おるのなら、妾が会ってみたい。」
五の姫様・・・。本当にすみません。忍者がいるのは、私・・・、知っているんです。でもいるとは言えないですよね・・・。わかります。だって彼らは隠密なんですものね。
「はあ・・・。」
善様は興味なさそうに返事をして、頭をワシワシとかいた。
善様は侍なのかあ・・・。本物に会えて嬉しかったけど、想像した侍とは違う。侍は着物着てないの?刀は?それ以前に善様は侍っぽくない・・・。本物の侍を見たことないけど、侍はもっとキッチリした、キリっとしたイメージだった。善様の顔は長いヒゲで覆われていて・・・、頭もボサボサで、私の侍像とはかけ離れている。
「善は妾の教育係だからかのう?昔はかなり強かったそうだが、今は見る影もないのう・・・。」
教育係・・・・。エド。黙って出てきてしまった。心配してるかな?私がいないからネリーとデートしたり、旅行に行ったりしてれば良いけど。
「ヴィヴィアン王女は、アーサー王子を気に入られたか?A国はヴィヴィアン王女との婚姻で同盟を強固なものにしたいのであろうがのう?」
「あぁ、アーサー王子はビビを気に入ったみたいですわ。私としては、ビビとアーサー王子の結婚は認められませんけど。」
五の姫様は、大きい黒い瞳を瞬かせた。
「ビビとはヴァネッサ様のことであろう?先ほどオーウェン王子に襲われておったが、二人の王子から望まれて・・・。流石はV国の宝石。」
まずい・・・。ヴァネッサ姉様の方を見れない。って、五の姫様まで、Z国まで、ヴァネッサ姉様の美しさは噂されてるなんて!ヴァネッサ姉様、凄すぎです!
「なんですって!ビビ!どうなっているのかしら?」
ひーっ、五の姫様・・・・。なんで言うんですか!
「オーウェン王子が首に噛み付いておったが、傷とかできておらぬか?あぁ、妾もビビと呼びたいが良いかのう?」
五の姫様、酷いよ。もう、名前なんて好きに呼んで下さい・・・。
ヴァネッサ姉様は私の前まできて、そっと襟をよけて首を見る・・・。怒られる、怒鳴られる・・・。あれ?顔を上げるとヴァネッサ姉様が顔を歪めて泣いている・・・。
「あっ、ゴメンなさい・・・・・・。」
「私は陛下にネリーに貴女を守ると誓ったのに・・・。アーサー王子には死を持って償っていただきますわ。」
「なっ!何を・・・。止めてください!」
「ならば貴女が責任を取りなさい。わかりましたね?」
「はい・・・。」




