表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
15/31

スミレとアリス

「スミレは、アーサーが好きなの?」


「うん!大好き!アーサー大好き!」


「そう・・・。じゃあ、私は?好き?」


「アリス様も大好き!」


「じゃあ、どっちの方が好き?」


「んーっ、アーサーもアリス様も大好きだけど、違う好きだから。」


「違う好き?」


「うん。アリス様はお姉様みたいで大好き!アーサーは、スミレはアーサーの花嫁さんになるの!」


「・・・。もし、私がアーサーみたいに男で王子だったら?どっちが好き?」


「アリス様が王子様!凄く綺麗な王子様で、スミレドキドキしちゃうよ?」


「ふふ。本当?」


「でも、スミレはアーサーの花嫁さんになるの!アーサーは特別なの!」


「私が王子でも、スミレは私の花嫁になってくれないの?」


「んーっ。アリス様はスミレの顔が見えないから・・・。見たら、ガッカリするよ?」


「ガッカリなんて・・・。どうして?どうして、そんなこと思うの?」


「スミレもアリス様みたいに綺麗だったら良かったな・・・。スミレはブサイクだから・・・。」


「私は、スミレがどんな顔だって大好きよ?アーサーよりずっとスミレのことが大好き・・・。」


「んーっ、んーっ。じゃあ、アリス様が王子様だったら、アーサーとアリス様とスミレと三人で?あっ!だったら、アリス様がお姫様のままでも大丈夫だよ!二人でアーサーの花嫁さんになる?」


「それは嫌。」


「えーっ!なんで?」





最近よく夢を見る・・・。こないだまで、思い出しもしなかったのにな・・・。


「ヴァネッサ様?ヴィヴィアン王女からお茶会のお誘いがありますが、どうなさいますか?体調が優れないとお断りいたしましょうか?」


「お茶会、行きます。」


ヴァネッサ姉様に会いたい。勝手なことをした私を怒ってるよね・・・。心配してるよね。ちゃんと謝らないと・・・・・。






「こちらで、ヴィヴィアン王女がお待ちです。」


ヴァネッサ姉様の侍女に案内してもらった。あれ?誰もいないけど・・・。


「ヴィヴィアン王女?いらっしゃいますか?」


まだ来てない?足音がして、振り返ろうとする前に優しく抱きしめられた。


「アーサー?」


「・・・・・・。」


「アーサー?」


「へえ。アーサーは、こんな風に抱きしめるんだ?君は馬鹿なの?忠告してあげたのに。アーサーはね、君のことなんてなんとも思ってない・・・。」


「オーウェン王子?離してください。」


嫌だ・・・。


「アーサーの身体は傷だらけなんだよ?何故か知ってる?」


なんの話をしてるの?


「アーサーはね、僕を庇うために拷問されたんだよ・・・。僕の目の前でね。」



アリス様は、とてもショックなことがあったのよ。だから、一時的に目が見えなくなっているの。優しくしてあげてね、ヴィヴィアン王女。


はい、マリア先生。



「あっ・・・。」


「アーサーの傷を見たんだ?じゃあ、アーサーにもう抱かれたの?本当に君は馬鹿だね・・・。妃にしてくれるって言われた?あぁ、妾妃にはしてくれるかもね?でもさ、飽きたら捨てられちゃうかもよ?」


やっとオーウェン王子が抱きしめる腕を外してくれて、ホッとする。振り返ろうとすると、また抱きしめられる・・・。


「スミレが現れたら、君は捨てられるよ?スミレは特別だからね。」


オーウェン王子は心配してくれてるの?


「凄いね・・・。身体中に跡をつけられたの?隠しきれてないよ?アーサーが隠しきれないように付けたの?僕が新しく跡をつけても気づかないぐらいたくさんの跡だね・・・。僕も君に跡をつけたいな。」


首にオーウェン王子の唇が触れると、強く吸われた。


「嫌っ!ヤメテ!」


身体を捻じり、逃げようとしても後ろからしっかり抱きしめられ逃げれない・・・。


「のう、善よ?無理強いしておるのでないのか?それとも夜這いかのう?」


「夜這いは、夜って言うぐらいですから夜にするもんじゃないんですか?」


「のう、善は夜這いしたことあるのか?」


「私ですか?私は草食武士ですから・・・。」


「情けないのう・・・。」


「すみません・・・・。」



「・・・・・・。ヴァネッサ、またね。今度は逃がさない。アーサーより気持ち良くしてあげるから。」


オーウェンは私だけに聞こえる声で囁くと抱きしめる腕を離した。


「これは、五の姫と善殿。」


「オーウェン王子、続けても良いぞ?途中で止めるのは辛いのであろう?」


「ふふ。ご心配ありがとうございます。五の姫もヴィヴィアン王女とお茶会ですか?あちらのヴァネッサ様もです。ゆっくり、楽しんでください。」


「すまんのう、オーウェン王子にはお楽しみを中断させたのに。のう、善?」


「はぁ、すみません。」


「では、失礼します。五の姫。」


オーウェン王子は何事もなかったように立ち去った。





「そなた、大丈夫かのう?」


顔を上げると、黒髪の美しい少女が見下ろしていた。恥ずかしい・・・。見られてたよね?


「善。」


善と呼ばれた男性は、失礼と言って私を抱き上げ、席に座らさせてくれた。


「妾は、Z国の五の姫。そなたは、V国のヴァネッサ様かのう?」


Z国・・・。アーサーの候補様・・・・?





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ