A国 オーウェン第二王子
もう、誰か助けて!なんで、こんなことに・・・・。
「アーサー、ヴァネッサ様は嫌がってるみたいだよ。離してあげたら?」
ナーイス!オーウェン王子、助けてえ!
「あぁ?お前にコレの何がわかる?嫌がるはずがないだろう?コレはこうされるのが好きなんだ。だろう?」
アーサーの目がこう言ってます・・・。イヤと言えば、もっと酷いことを、もっと恥ずかしいことをするぞ!って・・・。だから頷くことしかできない私。
「そうなの?だったら、アーサーがいない時は僕がしてあげるよ。遠慮なく言ってね。」
そんな爽やかな笑顔で何言ってるんですか?助けてくださいよ!
「却下だ、オーウェン。俺以外がコレに触れるのは、リリーを除いて禁止だ。」
「ヴィヴィアン王女?ヴァネッサ様は可愛いですね。」
「ええ、ビビは誰より可愛いですわ。オーウェン王子もビビが気に入りまして?」
ヴァネッサ姉様・・・。怒ってますね。先ほどから微笑んでるけど、目が笑ってないですよ。こんなに怖いヴァネッサ姉様は初めてかも・・・。
「アゼル様もビビのことをとても気に入った様子でしたわ。」
「流石、V国の宝石と呼ばれるだけあるね。噂は本当なんだね。でも、僕には好き子がいるから。スミレって名前の子。その子は、アーサーのことが大好きでね・・・・。僕はいつもアーサーに嫉妬してたのに、アーサーはスミレなんて名前の者は知らないっていうんだ・・・・。僕は当時、目が見えなかったから、彼女を探したくても探せない。」
えっ?もしかして、オーウェン王子は・・・。
「まあ?そうですの?私もスミレという名前は初めて聞きましたわ、アーサー王子。」
私がヴィヴィアンだってアーサーが知っていることに、ヴァネッサ姉様も気づいたみたい。凄くアーサーを睨んでるし・・・・。
「貴女には遠くから来てもらったのに、申し訳ないがコレを妃にする。結婚式には、もちろん貴女も招待する。あぁ、これ最後だ。」
アーサーは、指で掴んだフルーツを私の口に入れた・・・・。
そうなんです!私、公開餌付けされてるんです。しかも、アーサーのヒザの上に乗せられて・・・。エドだって人前でこんなことしなかったのに!魔王より上って何?魔神?
「お腹がいっぱいで眠くなったか?では寝室に戻ろう。」
いえ?何も言ってませんけど。アーサー、これは朝食ですよ?アーサー、今起きたばかりですよ?眠くないですよー。私の思念はアーサーに届かず・・・。抱き上げられて、そのまま本当にアーサーの寝室に連れて来られてしまった。
「オーウェン王子ってアリス様なの?どうして女の子のフリしてたの?」
「ヴィヴィアン、賭けをしよう。オーウェンがお前の正体に気づいたら、お前の勝ち。お前は自由だ。オーウェンがお前がスミレだとわからなければ、俺の勝ちだ。大人しく俺の妃になれ。」
「なんのために?意味わからないよ。」
「お前は、世界を旅してみたいのだろ?旅には、金がかかることを知っているか?弟が成人してから、働いて金を貯めてから旅にいくのか?お前が勝てば、俺が旅の金を出してやろう。悪くないと思うが、どうする?」
どうしてアーサーが旅に出たいことを知ってるの?確かに。私は民の税金で生活させて貰っている。税金で旅行させてくださいなんて・・・。旅に行くのに、お金のことなんて考えたことなかった。お金が必要だ。
「わかった!条件とかある?」
「条件はない。オーウェンに直接自分がスミレだと名乗ってもいいぞ。あぁ、ただ期限はある。お前の誕生日までの一ヶ月だ。」
なんだか、ワクワクしてきた!帰ったら、ネリーに報告しなくては!とりあえず、オーウェン王子に会いに行こう。最初は信じてくれないかもだけど、優しいオーウェン王子のことだ。話は聞いてくれるはず。
オーウェン王子の部屋どこだろ?リリーに着いてきてもらえば良かったかな・・・。あれ?アゼル様?アゼル様に聞いてみよ。アゼル様を呼ぼうとした瞬間、いきなり扉が開いて、中に引きずりこまれた。
振り返るとオーウェン王子が微笑んでいた。
「こっちに来て、ヴァネッサ。」
えっ?いつもはヴァネッサ様って呼ぶのに・・・。オーウェン王子の後をついて行くと、大きな鏡があった。
「ここに座って。」
鏡の前に座らされる。
「ねぇ、見て?凄く醜い顔だと思わない?君の顔って。その顔でアーサーの妻になろうなんてふざけてるよね?アーサーの妃には、ヴィヴィアン王女のように美しい人じゃないと。じゃないと安心できない。アーサーがヴィヴィアン王女と結婚したら、僕はスミレを探しに行くんだ。そして、スミレと幸せに暮らすよ。」
これは・・・。私がスミレですなんて言えない。アーサー・・・・。騙した!




