五話!――Noin old days story
チャラッチャッチャッチャ〜
こんばんは。NNNの時間です。今日は山田太一君からの質問『天界ってどんな所ですか?』に答えたいと思います
天界は地球とは一つズレた世界なんです。基本は地球と変わらないんですよ。まあ皆空飛んだりしてますがね
他にも地集界、水凝界、炎帝界ってあるんだ。あ、確か他にもう一つ在るってママが言ってたっけ
それじゃ続きは後半で
「むか〜しむか〜しあるところに赤い鬼がいました」
突然語り出したノイン日本昔話。俺はもうこいつの突発的奇行には慣れてきた
「赤鬼の名前は吉田勇一。中流家庭に生まれたごく平凡なサラリーマンです。そして吉田には家族も居ました。仲慎ましく愚民共からの略奪生活をエンジョイしています」
のっけから物騒極まりないな
「しかし愚民の中には稀に屈強な愚民が産まれ鬼社会を揺るがしていました」
ノインの語りに熱が入りドンドンヒートアップしていく
「そこに現れたのは青鬼の留吉郎です。彼は従来の略奪生活に新しい道を作りました。それは集団戦闘です。留吉郎は資金を集め武器を作り、統率の取れた戦闘を行えば城の一つや二つ楽に落とせると皆に広めました。鬼は喜び募って資金をだし会いました」
あ、そろそろ野菜関係食べないと傷んでくるな〜
ナレーター
「それで皆さんは青鬼さんに資金を渡したんですね?赤鬼の吉田(仮名)さん」
(※音声の一部を変換しております)
「ええ。皆よろこんで出していました。中には千両も出した奴もいましたから。それがまさか詐欺だなんで誰一人疑ってませんでした」
「・・・・・・・・おいノイン。何の話だ」
「泣いた赤鬼」
「俺泣いた赤鬼の話覚えてねーけど今のは絶対違うからな」
「え〜!そうなの?天界じゃこんなんだよって保育園で教わったもん」
くそっ、天界への情報伝達してる奴誰だよ
「じゃあ他はどんなのがあるんだ」
「え〜と、桃太郎もあるよ」
むか〜しむか〜しあるところに鉈を片手に山中を駆け回り、出来の良いタケを狩る鬼爺さんと川上から川下の村々に向けて菌類細菌類を含んだ洗濯物を洗う鬼婆さんがすんでいました
鬼婆さんが洗濯をしているとドンブラコ〜ドンブラコ〜と効果音付で桃が流れてきました
鬼婆さんは通り過ぎて行く効果音付の桃の効果音を聞いて『ドップラー効果』と名付けました
「え?桃太郎拾われないの?お婆さんが著名になって終わり?」
「まだまだ続きがあるよ。大人しく聞いてなさい」
桃は川を流れること3日。中の赤子は桃を食べ逞しく生きていました
すると見知らぬお婆さんが桃を拾い、家まで持って帰りました
お婆さんはお爺さんの前に桃を置きます
お爺さんは刀を持つと気合いの雄叫びと共に桃を居合い斬りしました
しかし刀は中心を通過せず何故か止まりました
中では赤子が鬼の形相で刀を白羽取りしています
「ふっ、やるな小僧。よかろう、今日よりお主はわしの弟子じゃ」
桃太郎と名付けられた赤子は血の滲む修行に15年耐え、遂に師を越えたのでした
「桃太郎、最後の試煉じゃ。此より鬼ヶ島に向かい鬼をこらしめ財宝を奪い返すのじゃ」
お婆さんは秘密のきび団子をくれました。お婆さん曰く、絶対自分で食べるなとの事だ
桃太郎が鬼ヶ島に向けて出発して間も無く、一匹の犬を見付けました
桃太郎は素通りしました
犬は悲しい目でこちらを見てきますが無視しました
何故なら所詮犬だからです。犬にすら負ける鬼などゴミなのです
「犬よ。コレをあげるから家に帰りなさい」
それはマル秘きび団子です。
一口で食べた犬の目はキュピーンと輝きます
勢いよく二足歩行になり四肢を内側に折りたたみ、鋼のボディーが体を覆い、頭を前に倒すと内側からロボフェイスが現れたのは
「トランスフォーマー!ドックラック見参!」
マル秘きび団子は科学の結晶でした
「よし、家来一号にしてやろう」
桃太郎は現金に育っていましたが無視しましょう
その調子で残り二匹の家来を捕まえ、遂に鬼ヶ島に着きました
「たのも〜!」
桃太郎は声高らかに叫びました
一方鬼ヶ島では
「大将。そろそろ改築しませんかね」
「それもそうだな。ここ数年節約に励んだしたまには贅沢するか」
大将は島中の鬼を集め久しぶりの宴会をすることにしました
鬼達は毎日毎日節約に励み、各村々を回って奉仕活動をし、賃金を貰って生活してるのです
たのも〜
おや?誰かがやってきたぞ。鬼達は門の方を向きます
二匹の門番が駆けて行こうとした瞬間門の隙間から輝く光が溢れ出る
「鬼共。終幕の金が鳴り始めたぞ」
「めでたしめでたし」
「めでたく無いって。もう子供にそんなの教えたらいかんだろ!」
魚を返しながら鍋に野菜を加える。あ、醤油醤油〜
ノインはえ〜とか言いながら部屋を転がり回っている
ズゴン
あ・・・・・・痛そ〜
「・・・・典時・・」
めちゃめちゃ泣きそうな顔でこっちを見てる
「今の気持ちを言ってみろ?」
「泣いたノイン」
結局ノインは泣きました
は〜い。それじゃ続きだよ〜
私達は世界の事をまとめてホラルって呼んでて各々が役所を持ってるの
ちなみに天界は地球の気象関係なんだよ。台風とか台風とか台風とか
「あらノインちゃん。こんなとこにいたの?」
ま、ママ!何でここに!なんでスタジオに来てるの?
「スタジオ?ここって作間さんのお部屋じゃなかったかしら?」
うわ〜ん。ママ空気読まないよ〜