表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/17

二話!――金欠教師襲来

チャラチャチャ〜



こんにちは。NNNの時間です!

早速今日は一枚目のおはがきです。

「ピタゴラスってどんな人なんですか?」

ん〜、良い質問ですね〜。ピタゴラスは昔チュニジア辺りで畑作をしていた農業の人なんですよ!もうジャガイモをザックザック掘ってたんですよ〜。じゃあここで一旦CMで〜す

いつも通り適当に授業をサボり屋上で昼寝をする俺


既に教師からは問題児とされているが別に喧嘩も万引きもやらない。そんなつまらない事をする程ガキではない

ただ授業がつまらないだけだからサボっているだけだ


暖かい日射しと心地よい風。気持いいもんだ



すると誰かが屋上に上がって来たらしく、鍵を掛けた戸を押したり引いたり叩いたりひっかいたりしている

そして何かを試みる度に

「あれれれ〜?」

「う〜んう〜ん」

「チェストォォォ!」

等の奇声も聞こえる



面倒だが悪い人ではない。仕方なく鍵を開けてやった。そして開けると同時に勢い良く扉が開き、栗色の髪と垂れ目に小柄な体格。ちょっと大きいスーツを着た問題教師がタックルしてきた

「はわわわわ〜〜。扉が急に開いたです〜。まだアバカム使っていないのに〜」

「おい佐々木先生。妄想と現実をブレンドするな。今すぐリアルに戻れ」

佐々木と呼ばれた教師は顔を上げて首を傾げる

「あれ?なんで作間君がここに居るんですか?まだ二時間目の途中ですよ?」

「サボりだ。ついでに言えば二年C組は今アンタの授業の筈だが?」

「まったまた〜。今日は水曜日で二時間目はお休みですよ〜」

「今日は火曜だ」

「・・・・・・マジ?」

「マジ」

「ひわわ〜。先生遅刻ですよ〜!」

「早く教室に走り去れ金欠教師。ついでに部屋のゴミは早く捨てろ。どうせ捨ててないだろ」

「む〜。もう捨てましたよ!」

頬を膨らます金欠教師は腰に手を当て見上げてくる

「学校つまらないですか?サボってばっかで」

「つまらねーな。少なくとも社会で使う事の無い知識を学んで上下決めるのは気にくわね〜よ」

「ふ〜ん。でも学校だけは必ず来ますね。やっぱり御師匠さん仕込みですかね〜」

「言うな。その名は言うな」

すると学校に鳴り響く授業終了の鐘

「はぁぁぁ!しまったです!三日連続授業欠席でクラスの皆にラーメン奢らなきゃいけな〜い」

泣きながら金欠駄目教師は階段を疾走していった




結局午前の授業を全てサボり、平然と昼飯を食べて昼寝。目が覚めた時には六時間目の終了の鐘が鳴っていた



そして当たり前の様に家に帰る。玄関の戸に手を掛け捻る

開け放ち最初の一声は

「ただいま」

そして一歩踏み込むと同時に奥の部屋からノインが突進してくる

「おっかえりぃぃぃ〜」

しかしノインの顔を見事にアイアンクロー

ノインは引っくり返った鮫の様にピクリとも動かず脱力モードである

そのまま奥の部屋に放り投げて冷蔵庫のコーヒー牛乳を飲み、ようやく部屋に入る

「酷いよ典時!流石にアイアンクローは無しでしょ!せめて熱いキッスプリーズ!」

「アホか」

部屋の隅で嘘泣きをするノインを無視して私服に着替えて台所に向かう

調理中ノインが『タマネギスラァァァァァッシュ!』と奇声を放ちながら高速で玉葱を擦りおろし、濁流の様に涙を流して奥の部屋を転がり回っている以外いたって普段通りの時間だった

さっきまでは







「ぴんぽ〜ん」

何故かインターホンを押さずに戸の前で大きな声でベル真似をする奇妙な来客。俺はハンバーグを練る手を止めて考えた

居留守を使うか


しかし何も考えない馬鹿精霊はトテトテと玄関に走り確かめもせず戸を開けた

「あれ〜?おうち間違えましたかな?ここって作間君のおうちですか?」

金欠駄目教師と脳無し精霊の御対面だ

「あれ〜典時、この人誰?」

「俺の学校の金欠教師だ。あまり近付くな、貧乏神病が移る」

「会って早々先生をイジメルんですか〜!」

「へ〜。貧乏神の先生なんだ〜」

「うわぁ〜、初対面でハード無礼ですよ!」

佐々木先生は大変御立腹の様だが無視しよう

「それで、こんな時間に何用だ。俺は晩飯準備で忙しい」

「むー。先生は君のことを心配して態々訪ねてきたんですよ。いっつも授業欠席でこのままだと単位落としますよ?いくら入試で上位になっても流石に無理がありますよ」

佐々木先生の上、沈みかけた夕日から視線を反らし先生を見下ろす

「素直に晩飯食べに来たっていったら今回は多目に見るが」

「ご飯下さい」

少し感動した。この素直さに










「いや〜作間君、とってもお料理上手ですね〜パクパク」

「当たり前よ!なんたって食通の私が認めてるんだからムグムグ」

「ん〜ハンバーグのソースがピリカラで美味しいです〜ハグハグ」

「ん〜私好みの味だわ〜流石典時モギュモギュ」



二人は異常な速さでハンバーグを食べている

どちらも量は500g

さらに付け合わせのポテトサラダと茹でた人参5人前

もう無いよ

心の中でちょと泣きながらバスタを茹でてサラダを追加する

両手に皿を持ち部屋へ向かうともう皿は空である

「作間君、お代わりいいですか〜?」

「典時〜お代わり〜」

「おい駄目教師に馬鹿ノイン、貴様等に遠慮はないのか」

『腹が減っては戦は出来ぬ!』

心の中で張り倒した




結局たらふく食った駄目教師は今更ながら聞いてきた

「ところでこの子誰ですか?」

遅いだろ聞くの

「あ〜こいつは〜」

言い訳を考えているとノインが手を上げて大きな声で言いました

「典時の親戚の〜」

おお!馬鹿ノインがまともな返答を。これは馬鹿位は消してもいいかもしれんな

「精霊ノインちゃんで〜す。よろしく」

全て台無しじゃんか!やっぱ馬鹿だこいつ

「へ〜精霊さんですか〜。可愛いですね〜」

馬鹿ここにあり!

「精霊さんはやっぱり空からきたんですか?」

「そうだよ。秘密任務の為に御忍びで来てるんだからね」

嘘をつけ

ノインはオレンジジュース片手にフルーツに手を伸ばす

「ふ〜ん。つまりエリート精霊さんですか〜!へへ〜」

大袈裟に頭を下げてみせる佐々木先生は先程のご飯の間々に何故かクリームパンを食べていた

ハンバーグからクリームパン

人参からクリームパン

ポテトサラダからクリームパン



最悪だなこの教師



とまあ一時間くらい秘密任務の為に来た脳無し精霊は自分の世界を惜し気もなく紹介し、金欠教師はただただ驚いていた


結局九時まで居座った金欠教師は、ノインと共に我家の食糧の4分の1程度を食べつくし、ようやく重い腰をあげた



「いや〜すっかり御馳走になりました〜。おまけにお土産も頂いてありがとです〜」

「おい待て、なんだその肩に背負った野菜は。勝手に持ち帰るな」

「う〜。教え子が先生の小さな冗談分かってくれないよ〜」

「ならば放せ。今すぐ野菜を返せ」

そるから玄関で死闘を繰り広げ、大根と葱で手を打った


「ねえ作間君、先生は君の事とっても凄い子だと思いますよ」

「何を唐突に」

佐々木先生はにっこり笑いながら下から見上げてくる

「だって先生が見る限り作間君は心も体もとっても強いと思いますよ。自分の考えを確り持って、それをする為の力もありますよ」

「・・・・・・」

ただの金欠教師かと思ったが少し見直した

「だからもう少し皆と一緒に頑張ってほしいです。もう少し授業に参加して他の先生を見返してやってください」

えへへ〜っと笑う先生は子供の心を忘れていない珍しい大人なんだな

「そうすれば先生も嬉しいし食堂のおばちゃんからパンのおまけが貰えるんですよ〜」

「この会話は俺が思っていたよりレベルの低い会話なんだな」

酷いですよ〜と怒る駄目教師は帰る前に一言言った

「作間君も大変ですね〜。親戚さんが天然電波さんで」

「典時!典時!今私物凄いイラッとしたよ!」



同族嫌悪だ馬鹿共



はいは〜い。それでは次のおたよりです。

「頭が良くなるにはどうしたらいいですか?」


もう何ですこのおたより!遠回しに私を馬鹿にしてるの!

あ〜もう腹立つ!

典時!お茶!角砂糖7個ね!

え?お茶に砂糖は馬鹿のすること?

なら典時!お茶!シロップ大さじ二杯!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ