表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
11/17

十一話!ーー美味しい貴方は何時までもLOVE!

ちゃらっちゃっちゃっちゃ〜。ちゃららら♪



ひっさびさにNNN!

今日の御便りは東京都千代田区にお住まいの佐藤さんからの質問です

『ブァファリンの半分は優しさだけど残りの半分は何ですか?』


知るか!科学成分だろ!それとも憎しみ?悲しみ?それとも典時に対する私の気持ち?



いやぁぁぁん!もういやぁぁぁん!!


「第一回、典庵杯争奪。『フードゲットin典庵』を開催致します。実況は私、一号と」

「高見沢家に御仕えして42年、執事長の紅蛇(くだ)が御伝え致します」

「宜しく御願いします」

「此方こそ宜しく御願いします。今日は晴天に恵まれ絶好の競技日和ですね」

「はい。気温35゜、湿度75%、風速0.5m。素晴らしいコンディションです。只今午前10時23分。気温はまだ上がります」

「そうですね。今回はさしてハードルが高いとは思えないため救護班は特別休暇で熱海に三泊四日の温泉旅行に行って頂きました」

「それではこれより選手の御紹介に移らせて頂きます」



いちばんこーす

作間典時・・パワー、スピード、冷静さ。全てにおいて上位に立つ最有力候補です

「何故こんな企画に参加せにゃならん。帰るぞ」

なお、愛車の鍵はゴール地点に保管されております。御了承下さい


にばんこ〜す

高見沢利下・・身体的ステータスが不明のダークホース。その心の内を知る者は無し

「やほ〜。がんばっちゃいま〜す♪」

なお、作間様の鍵を提供して頂きました。誠にありがとうございます


さんばんこ〜す

ノイン・・言わずと知れた精霊様。突発的行動が吉と出るか凶とでるか

「爆・食・万・歳!私の前に在るもの全て食!」

なお、負けた場合パラノア様より制裁が御座います。拒否権はありません


よんばんこ〜す

逸樹〜〜以下時間の都合により省略させて頂きます。御了承下さい

「酷くね!俺竜矢です!今後も沢山でま・・・」

逸樹様は有料参加ですので後に請求書が郵送されます。拒否権は無いです




「それでは此よりルール説明です。紅蛇様宜しく御願い致します」

「畏まりました。まず、今回のステージである『典庵』は利下様の御要望により、多数の部屋と多彩な仕掛け、屋根裏や地下を完備し、豊富な数の罠が散りばめられております。致死量では御座いませんのでご安心下さい。鎧武者の皆さんスタンバイお願いします」

「それでは皆様。所定位置に御着き下さい。ノイン様、作間様から御離れ下さい。ノイン様は玄関からです」

「ちょっ!ちょっとルール説明してなくね!」

「五月蝿いです逸樹様」

ポチ

「あぁぁぁ・・・」

「逸樹様は地下13階、心霊コーナーからスタートです。御安心下さい紅蛇様は霊媒師と退魔師の資格を御持ちです。一緒に消えても御了承下さい」




この番組は高見沢グループと、東方不敗の名の下に御送り致します







・・・・・・・

何故こんな事をしなきゃいけなくなったんだ

周囲はコンクリートで固められ、ひんやりした空気が辺りを包んでいる

先程見付けたメモをもう一度読み直す


『ルール。各場所に隠された食材や引換券を数多く持つ者の勝利。居間の中央にある囲炉裏に座った時点で競技終了とし、以後、全員の帰還までその場で待機。一度着席した場合、競技再会は不可とし、他者から奪う行為は特定の部屋で呑み可能とする』




早く終わらせよ

早速上を目指し階段を探す。途中現れる特殊メイク隊に軽く挨拶しながら歩く。まあ大体の人は顔見知りだし

すると一人の落武者が手招きをしている。そちらに向かうとなんとも年期の入った上り階段が現れる

「いつもお嬢様がお世話になってます」

落武者鎧武者に頭を下げられるなんて今後無い体験だな

「ああこれ引換券です。どうぞお持ちください」

「態々すいません大倉さん。頂きます」

ガチャガチャと手を振る皆さんに見送られ次の階へと進んだ










「セイヤァァァ!」

バコォォォン!

「チョイヤァァァ!」

チュドォォォン

「苺ゲットォォォ!」

一粒って少なっ!

すかさず口に放り込みモクモクモク

「うんまぁ〜」

流石キクサゲ!食材は超一級品よ!でも少なっ!


こんな壁なんてプリティーノインに掛かればイチコロよ!セイヤっ!




「・・・・うそ〜。今の避けただろ。ちぇっ」

そこには暗い部屋で半袖短パンの男がトマトジュースを飲みながら懐かしのファミコンで遊んでいた。2Pで声の拡張が出来るアレだ

ピロピロリっポッピ

「またかよ〜。絶対避けたって〜」



ノインは静かに倒した襖を直した

「・・・・ガンバろ。うん・・・ガンバろ私」

・・・あ、ハム見付けた・・・・・輪切りが一枚・・泣いちゃ駄目だよね










「うぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

つか何この悪霊!見える!俺霊感無いのに見えるよ!


「あァあアガァアカぁ」

「ギャァァァァ!」

滅して!誰かこの変な霧に包まれた半腐りの骸を浄化してぇぇ!


※モンスターが現れた

悪霊ABCDEF


「多!無駄に増えた!」


逸樹は集魔の笛を使った

「えぇ!俺そんな相手も持ってねーぞ!」

モンスターが現れた

腐った変死体ABCDEが現れた

「まぁぁぁぁぁぁぁ!」

逸樹は迷宮の奥深くに走り去った







「皆様快調か滑り出しですね」

「その様ですね。それにしてもお嬢様はいつあんな仕掛けを造ったのでしょうか」

「実質被害を被るのは逸樹様だけですので宜しいのではないでしょうか」

「そうですね。おや、ノイン嬢が地下闘技場に到着したようですよ」







「いやあぁァぁアぁぁ」

「もうノインちゃんったらママの顔見て急に叫ぶなんて。ママショック」

「マママママ!何でここにいるの!」

「あら。高見沢さんからご招待してもらったのよ。パーティーだって」

「えぇぇ!キクサゲ何で天界の連絡網知ってんの!私も知らないのに!」

「(ぱくぱくぱく)」

「実の娘に口パクで無能ってママまで本当に酷くなったよね!」

「最近のインターネットは凄いのよ」

「無視したァぁぁ」




※闘技場外周から中心に向いて360゜撮影。そこから頭上にカメラが周り、回転しながら地面スレスレの急降下。そして画面が二つに割れ両者の顔が映る


『暴風児ノインVS天風鬼神パラノア』(草書体でロゴが飛び出す)




さあいよいよ始まりました地上最高の親子喧嘩。ノイン嬢VSパラノア婦人。実況兼解説は高見沢邸放送部部長、吉田孝路がお伝えします


「勝負よノインちゃん!私に勝ってみなさい!」

「無理絶対!ママってパパより強いじゃん!」

「勝った商品はステーキ700gよ!」

「先手必勝超空気砲!」


おおっとノイン嬢不意討ちで強力空気砲だぁ!

直撃だ!此はダメージ有りかぁ!?

「んふふ。未々甘いわよノインちゃん」


無傷だぁぁ!軽く突き出すその手で全て受けきった様です。流石親子。特性は熟知してますね

「これが空気砲よ!」

「わぁぁぁぁぁ!」


見えません!全く見えませんがノイン嬢が逃げる後を通過する空気砲は壁を見事に粉々にしてます!当たれば死亡フラグ確定だぁ!

「まだまだ行くわよ〜!『雷帝壱ノ太刀』」

おおっと!パラノア婦人の腕から電撃ブレードが現れたぁ!

「手加減してるから安心しなさい♪」

「出来るわけないじゃん!大人気ないよママ!」


おや?ノイン嬢、辺りをきょろきょろ眺めているぞ・・・・と、逃亡か?出口に全力ダッシュしてるぞ!

「てぇぇぇんじぃぃぃ!会いたかったよぉぉ!」

おお!作間殿見事なカウンターアイアンクロー。ノイン嬢完全に脱力状態です


『暴君作間&暴風神ノインVS天風鬼神パラノア』※再びロゴが飛び出す




「おい、いつから俺も参戦する事になったんだ」


流れに任せてます。勘弁してください

「テンちゃーん。いい機会だから勝負だ!」

「パラノアさん。人間ごときが勝てると思うんですか?」

「心配ないわよ。私手加減するしノインちゃんとくっつけば同じ力が使えるのよ」

「つまり〜・・・・ちょいやっさぁ!」


おお、ノイン嬢作間殿の背中にしがみ付いた。いいですね〜。兄弟を思わせるようだ

「不愉快だ解説者」

パリーン



※カメラ破損につき、作間典時の語りに移ります




つかメンドイな。ノイン投げて上行くかな


「貴方と私は一心同体!いつまでも離れないもん!それが愛なのよ!」


うぜぇ


「それじゃあいくよ〜」

いきなりかよ!咄嗟にノインを盾にしながら後方に飛び退く

「のっけから暴君発動!酷くね?ママも眼がマジだよ!」

両者聞く気無しだ。つかパラノアさん踏み込みが速い。ノイン壁もあんま持たねーな

「持ってたまるかぁ!」

「うるせえ!さっさとお前の力出せ!俺もやべーんだよ!」

「アイアイサー!オーバーソウルINプリティーノインちゃん!」


背中にノインを付け直し、迫る刃を咄嗟に掴む。手の周りを空気が渦巻くのが分かる

「ぶっちゃけ10分しか出来ないからね!まだ幼い私には貴方の全てを受け止めれるほど大人じゃないから」

「ノイン式玉砕砲発射ぁぁぁ!!」

「うそぉぉぉぉ!!」

大気を渦巻くノイン砲は見事にパラノアさんを通過し壁に激突した


「仕切り直しよテンちゃん!これから本番よ!」

「俺は平和主義だ。殺るなら娘と闘え」

「そんな娘復活!」

『・・・・っち』

「うわあぁぁあぁぁん」













「つか助けてぇぇぇ!」

逸樹は逃げていた

「登場少なっ!」







「お嬢様。お茶が入りました。一号様も如何ですか?」

「謹んで御辞退させて頂きます。私は機械人形故食事は出来ません」

「これは失礼しました」

「あはは。イチちゃん人間そっくりだもんね〜」


放送部の吉田です。何故か参加者であるお嬢様は庭にセットされている放送席の隣でゆったり寛ぎながら玄米茶を飲んでいらっしゃいます。こら三崎、サボるんじゃねぇ

「か〜じ〜君もお茶飲も〜よ。ミッ君も疲れたでしょ〜」

『紅蛇先輩ご判断を!』

「・・・・・お嬢様が宜しければ」

『いやっほぉぉ!!』

無礼講万歳だぜ!

お前等アイスは数少ねーから先輩に回しとけ!群がるなアホ!俺たちゃアイスコーヒーだ!

つうわけで後の解説作間殿宜しく!









「・・・・・・」

「テンちゃんなんか眼がマジになったね」

「何かイラッとした」

つかノイン。さっさと戻ってこい。お前のせいで上に行けねーんだよ

「てゆうかママ。何で典時と闘うの?」

「だって可愛い愛娘を護れないのに旦那さんになられたら嫌なんだもん」

おいこらそこのバカ娘の母親。いや馬鹿母

「典時は私の事ゾッコンLOVEよ!そして二人揃えばラブラブ石破天狂拳よ!」

デスクロー&アルゼンチンバックブリーカー。そこからバックドロップ

「おいノイン。少し口チャックしておけ」

「あ、あいあいー」

「それがテンちゃんの愛情表現か〜。後でパパにやってあげよ♪」

殺るの間違いだろ









「うわあぁぁあぁん」

逸樹は逃げていた

「短っ!しかも前回と同じかよ!酷くね!?」

魑魅魍魎ABDが現れた

白骨死体ABが現れた

白骨死体ABは砕けた

「鬼ぃぃ!悪魔ぁぁ!」

逸樹は逃げ出した


回り込まれた!

「あぁぁあぁぁ!!」

憑依された

「あぁぁァぁァァぁ」












くそっ、踏み込めん。相手が相手だから仕方無いが・・・・

「くぉらぁノイン!前にしがみ付くんじゃねぇ!動き辛いんだよ!」

「びぇぇ!ゴメンしゃあい!盾にしないでぇ!」

漸く後に這い回ったか

一息吐く間も無く下から空気の渦が突き上げて来る。咄嗟に相殺させ距離を取る。ノインのお陰でかなりの距離を稼げた

「テンちゃん、まだ本気ださないの?」

「出しませんよこればっかは。師匠にも止められてるんですよ」

「え〜つまんないな〜。ねぇ一回だけいいでしょ?ねぇーねぇーねぇ〜」

おい、幼児化した母親どうにかしろ。同族だろ

「無理だよ。あんなになったママ止めたこと無いもん。もう諦めてやるしかないよ」


「テンちゃんテンちゃんしょーぶしょーぶ♪」

いくつだよこの駄目親

「え〜っと33歳だったかな?詳しく教えていくれないから」

若っ!俺の母親より若いぞ。いいのか祖母。こんな速い結婚と出産を



ぴんぽんぱんぽ〜ん




『競技に励む皆様方。まもなく競技終了の時刻になります。此より戦闘を一時中断し、御早めに囲炉裏の間に御集まり下さい。地下空間の封鎖に取り掛かります』



「・・・・・・・っち」

「パラノアさん。上行きますよ」

「む〜。分かった」

ご機嫌斜めの駄目親子を引き連れ上の階へと急いだ。途中弓や槍や落武者やドッペルゲンガーや悪霊の逸樹等を撃退し、寸での所で地下より脱出した


『御疲れ様でした。これより地下空間の封鎖を開始致します。所定の位置より内側に身を乗り出さないよう御協力御願い申し上げます』



地響きと共に30cmはゆうにある厚さの隔壁がゆっくり動き出す。下では悪霊達が蠢き宛ら地獄絵図の様だ

隔壁が閉じ、何重にもロックが施され、完全に地下通路の入り口は閉鎖された

「みんなお疲れ〜」

囲炉裏の間で手を振る利下と利下が集めたのであろう食材を整頓している料理班

俺は落武者組の人から貰った引換券を渡し腰を卸す。止めろ馬鹿親子。引っ張るな、引っ付くな

片方を瞬発的に黙らせもう片方に玩具として進呈する。5分持てばいい方か。何だ喧しいぞ。大人しくそこで親と戯れていろ。俺は知らんがな

「御疲れ様でした作間様。御無事で何よりです」

「おう。つうか鍵返して。馬鹿が手を出す前に」

素早く鍵を取り出した一号さんは何故か俺の顔をまじまじと見る。何だ、顔になんか付いてるか

「申し訳御座いません。此方をどうぞ」

鍵を渡した一号さんはそそくさと料理班の中へと消えていった

何だったんだ?



それから集まった食材でどんちゃん騒ぎが始まった。元々利下は此処で働く連中を雇うというより一緒に暮らすと考えてるからいつも一緒に騒ぎまくっている。主従関係は強くない分信頼みたいなのは何処よりも強いんだろうな

俺はコソコソするノインの頭を鷲掴みにして上下にシェイクシェイク


「あっ!秘蔵のアイテムが!何すんのさ典時!」

「ガキが酒なんざ飲むな。大人しくトマトオレ(薄味)でも飲んでろ」

「ノイン様。パラノア様が御呼びです」

「の〜いんちゃ〜ん。このむのう♪」

「うわぁぁぁぁぁん。典時、てんじぃぃぃ」

「ノインちゃん可愛いな〜。よ〜しみんなバンバン飲も〜」

『イエッサーお嬢様!ヒャホォォォイ!』


本当毎度毎度歪んでるよ










とある一号さんの毎日の記録。第22


高見沢様より作間様の幼少時代の記録を拝見させて頂いた。幼少期の作間様は現在と比べ大変御静かな方だと推測される。とても貴重と判断し、メモリー最高機密で永久保管を実行する







「♪〜♪♪〜」

鼻唄混じりにキーボードの音がリズミカルに重なり、画面には作間典時の戦闘シーンが貼り付けられた

「んふふ〜。テンちゃんダイアリーにまた新たな一ページ♪さぁどんどん増やすぞ〜」


地下秘蔵部屋は完全なる盗撮&罠操作部屋だった










後日

学校に行くと逸樹がいた。皆と挨拶を交わし席に座る。俺に気付くと爽やかに手を振ってきた

あの日逸樹を見ていないが目の前の逸樹は眼が何処か濁っている



アレが本物なのか第2の逸樹なのか。俺に知る術は無く、俺は自分の教室へと歩を進めた

ちゃらっちゃっちゃっちゃ〜。ちゃららら




いやぁぁぁん!もういやぁぁぁん!!




ノイン様が行動不能の為、私一号が引き続き御送り致します


神奈川県厚木市、大川様からの御便りです

『一号さんの他に何人ぐらい仲間がいるんですか?』


私0001はプロトタイプ。そして私のプログラムを基礎に01号から72号まで製造されております。我々精巧人形はイマ様の身の回りの御世話や派遣、暴動の鎮圧等様々な分野に対応出来る様設計されました。そして今現在作間様の御自宅にて御世話になっております



いやぁぁぁん!もういやぁぁぁん



それでは皆様。良い一日を。次回のNNNは私が御送り致します

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ