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十話!――もう手遅れな人と超サディストな人

ちゃらっちゃっちゃっちゃ〜!たららららら〜、たたたらら〜!たたっ!



あけでとうございます! 世界の君主。ツェッペリ〜ノ・アルエル・ノイン様よ!


明けましておめでとう御座います。地集界産0001号。作間様に一号と命名されました。以後御見知りおき下さい



最上段が新年早々失礼かましました。明けましておめでとうごさいます。今後もアホが世界を壊さないよう厳重に保管又は放棄します。苦情は一切受け付けません

今年も一年宜しくお願いします

ぶ〜んぶんぶんぶんぶ〜ん。ぶ〜んぶんぶんぶんぶ〜ん


いつの間にかマナーモードが蝉の鳴き声にされた携帯を開く。おや?珍しい。利下からメールか



『おひさ〜。あ〜そぼ』


・・・・・・・

隣にはノインと一号さん。なんだその期待に満ちた目は。駄目だぞ。連れていかんぞ

「典時お願いにゃ〜」

「没だ却下だ即寝ろ」

「典時、日に日に私の扱い本当に酷くなったよね?酷くなったよね!」

「ノイン様、被害妄想は程々にされた方が宜しいですよ」

まったくその通りだな

「一号さんなんでいっつも典時優先なの!」

「階級の違いです」

即答されテーブルの下に入り泣き始めたノインを無視して返事を返そうとするともう一件急に届いた


『ノインちゃんもよろしく〜by利下ちゃん』


うえぇ










快音で路面を滑るバイクは警察とか白バイがいないことをいい事に法規速度+50kmで爆走している


サイドカーは無理矢理着けたため何時金具が外れてもおかしくない状況である


「そんでなんでアタシがコッチなわけぇぇぇ!」

「俺には何も聞こえん」

「右に同じです」

「一号さん!普通侍女ならコッチでしょ!主人の命を体張って守りましょぉぉぉぉ!」

「ノイン様、『仕方ない』と言う言葉を御存知ですか?」

「話し噛み合ってない上に言い訳ですらないよね!」

「気のせいです」

「右に同じだ」


泣きわめくノインを連れ爆走するバイクは高見沢邸200m手前でサイドカーが崩壊したのは余談だ




「わぁいらっしゃ〜い」

相変わらずただっぴろい屋敷に似つかわしくない質素な部屋だ。畳や木材独特の匂いに迎えられ、利下の向に腰を落とす

「ん?これから夏が始まるのに囲炉裏を増やしたのか」

「うん。でもいっそのこと日本家屋建てようかなって思ってるんだ〜」

「お前の自由だ。好きに建てればいいだろ」

「う〜ん。てんちゃんも一緒に住もうか?」

「遠慮する」

「えぇ〜〜」

つうかてんちゃんいい加減やめれ

そんな俺の悲痛な叫びには目もくれず、さっさと茶の用意を始める利下は漸く一号さんに気付いた

「・・・・・愛人?」

「待て、どの経路を辿ってその答えに至った」

「えっと、後ろの人→女の人→大人な女性→メイド→ノインちゃん不在→愛人かな」

「メイドから一気に飛躍したな。ついでに愛人でも何でもないただの居候だ」

すると一号さんは隣に正座し丁寧にお辞儀をする

「只今御紹介預かりました一号と申します。作間様の御厚意により御自宅にて居候させて頂いております。以後御見知りおきを」

「此方こそ。私は高見沢利下。てんちゃんとは小さい頃から一緒に遊んでるんです。これからもよろしくお願いしますイチちゃん」

あ〜あ。また変なあだ名増えたよ



とまそんなわけでのんびりしてると漸く不在だったノインが到着した。どうした?そんな泣きじゃくって

「酷くね!時速120オーバーから振り落としておいて助けにすら来ないって!」

案ずるなたわけ。何故か無傷じゃないか

「何故か!典時そろそろ私ぐれちゃうよ!?」

やってみろ

「へっ、世の中お先真っ暗だ、ふんだふんだふ〜んだ!」

あぁ。やはりあの子は脳が末期なんだな

近付くな

「うわぁぁぁぁん。きくさげ〜典時が虐める〜」

「よしよしノインちゃん。てんちゃんだって虐めるのにもわけがあるんだよ?」

「ひっく・・わけ?」

ほう、何だ?

「調教♪」

ウォイ!

「きゃっ、典時ったら・・・・・ぽっ」


暴れようか?今この場で暴れ散らそうか?

「作間様。ここは抑えられては。後友人宅でその様な行為は侍女として賛同しかねます」


むう、熱くなり過ぎたか。よし、冷静になろう

「一号さん。今すぐアホを突き落として」

「仰せのままに」

「ウソォォォォォォ!」


静かになったな


相変わらずニコニコ笑う利下は何故か具体的な日本家屋製造計画を立て、何故か主力メンバーに俺他愉快な仲間が加わった


「なまえは〜・・・・・・典庵?」

何処の店だ!結局屋敷名は『典庵』で受理され明日から工事に取り掛かるらしい

晩飯を誘われたが流石に今回は断り帰路に着く



バイクを路上に止めずっと待つ。すると屋敷の方からトポトポ歩いてくるアホ精霊

「あ・・・典庵」

「典時だバカタレ」

このバイクは二人乗り。後ろには既に一号さんが座っている

「ふんだふんだふ〜んだ!いいもん歩いて帰るもん!」

「・・・さっさと乗れ」

俺の前に空く隙間を叩く

「・・・・でぇんじぃぃぃぃ!アイラブユ〜」

猿の赤子の様に腹に抱き着くノインといつもの様に冷静沈着な一号さんを乗せバイクは疾走した



ちゃらっちゃっちゃっちゃ〜!たららららら〜!たたっ!





典時〜、御神籤引いたよ〜!超大吉!


作間様、新年早々大吉は今後の運気を低下させるのでは?


いや、あいつの存在が既に俺等を凶にする。迷惑この上ない


てんちゃ〜ん!大吉三枚引いた〜。わ〜い♪


そうか。よかったな


棒読みなのは何で?


つか典時新年早々相変わらず酷いよね!


気のせいだ

気のせいです

気のせいだよ〜

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