第五章
新調した服を着て、キリムは足取りも軽く登城する。お付きはジョクーである。
届けられた入城許可証を掲げ、二つの門をくぐり、歴史あるバルバーレ城の中でも一際古惚けた建物に入る。王宮の書庫だ。
二重の扉を開き屋内に入る。微かな陽射しがあり、しんと静まり返っている。
闇に目が慣れると、そこは書の小宇宙であった。六角形をしたアーチ型の天井には『三才を記す女神』のフレスコ画が描かれ、六面ある壁は全て書棚。腰の辺りから天井まで書籍が詰まっている。数千冊はあるだろうか。どれも立派な表紙の、重そうな本ばかりである。
ジョクーが本音を漏らす。
「蔵書は見事だけれど埃臭い場所だな。それに、こう薄暗くちゃ何も読めないだろうに」
キリムが得意げに話す。
「本を傷めない様に太陽を遮っているんだ。暖房や灯がないのは火事を起こさない為だし、貴重な書物を保存する場所はどこでもこんな感じだよ」
「それでどうやって読むんだ?」
「目的の本を持って別室で読むのだろうね」
「お目当ての本はありそうかい?」
「う~ん、どうだろう」
「俺も探すのを手伝おうか」
「ここにある本は全部知っているよ」
「全部って、これを全部か!」
ジョクーは自分達をぐるりと囲む本の山を見ながら、信じられないでいる。
キリムが嘯く。
「実際に読んだ訳じゃないけれど、内容は知っている」
「分かったぞ! 術で読んだんだな」
「あはは、まあ術の一種かも知れないね。母に教えて貰ったんだ」
「三国一の知恵者とか言う母親か?」
「実際に三国一かどうかは分からないけれど、書物や口伝、詩歌、碑文なんかを集めるのが好きな人だったよ」
「変わった趣味だな」
「そう言う家柄だったんだ。知識を集めて、王に助言をしていたらしい」
「それこそ珍しい職業だ」
「だからかな? 難しい本でも平易な表現を使って教えるのが上手かった」
「どんな風に?」
「例えばこれ」
キリムは書棚から紺の表紙をした本を取り出した。ジョクーはそれを受け取る。
「ほお、『律令論』って書いてある。法律書だな。こりゃ難しそうだ。それに分厚い」
「真面目に理解しようと思っても、それまでに何十と別の本を読んで知識を蓄えなければ読み解けないだろうね」
「俺は駄目だ。そんな根気はない」
「実は、そんなに難しい本じゃないんだ」
「そうなのか? どんな内容なんだ」
「いろいろな事が書いてあるけれど、結論は一つ。法律を作ったら、法官がそれを扱うべきって話」
「まだちょっと分かり辛いな。具体的に説明してくれ」
「世の中には様々な法律があるでしょう? それを守らせているのは誰だと思う?」
「そりゃあ王様だろう。地方に行けば、その土地を治める貴族だね」
「その人達が難しい法律を全部理解しているの?」
「していないんじゃないか?」
「だったら、誰が判断するの?」
「そりゃお前、適当に、雰囲気でだな・・・・」
「それでは民が困ってしまう。何をしてはいけないのか分からない」
「じゃあ、どうするんだ?」
「法律の事をよく知っていて、正しく判断できる法官が必要だとこの本には書いてある」
「法官ね。法律専門の官吏か」
「そう。彼らは法律の事しか頭にない。だから有力貴族に胡麻を擂ったり、民同士の問題でも袖の下で判断を曲げたりしないだろうと」
「法官って、そんなに大勢いるのかい」
「いないよ。この本の著者が法官だから、法官を一杯増やすべきだと書いたのだろうね」
「そうか。だからその官吏の事が都合良く書かれているんだな。袖の下を欲しがらない役人なんていないのに」
「そう言う事」
「凄いな、お前さんは。でもそれっぽっちの事を説明するのに分厚い本が必要なのか?」
「必要ないよ。でも反論を封じる為に理屈が捏ねてあって、こんな本になったんだ」
「ひょっとして、ここにある本全部がそんな感じで、一行二行で説明できる事をわざわざ難しく書いてあるものばかりなのか?」
「正解!」
「ああ、愚かしい。馬鹿の極地だ」
「本なんてね、そんなものなんだよ」
「だったら、どうして『自由に書物を読ませてくれ』と王様に嘆願したんだ?」
「本が目的じゃないんだよ」
「本が目的じゃない?」
「その人に逢いたくてね」
「どの人だって?」
ジョクーは、キリムが視線で示した辺りに目を遣った。いつの間にか、自分の傍らに老婆が佇んでいる。
「ひぃっ」
「人様を見て悲鳴を上げるとは失礼な奴じゃ」
「こんにちは、大陸で唯一の術士殿」
キリムはその小さな人に頭を下げた。
場所を書庫に隣接している離れ家に移す。彼女はここに住みながら、本の面倒を見て暮らしているらしい。
二人は勧められるまま椅子に座り、出された茶を啜っている。
「このお方が、いつかお前さんが言っていた『バルバーレの術士』さんか」
「そうだよ」
「成る程そんな感じだ」
黒い頬被りをした老婆は、腰を深く曲げてよぼよぼと歩き、自分も椅子に座った。
「王から聞いていたよ。若い客が書庫にくるだろうと」
キリムが尋ねる。
「えっと、お婆さんの事は何と呼べば良いのかな」
「婆で良い」
「母からは、婆様が単独で数万の敵兵を撤退させたって聞いていたけれど」
「そんな事もあったかの」
「しかも二度も」
「回数なら確かに二回じゃな。それ以上でも以下でもない」
ジョクーが堪らず口を挟む。
「すげえ、数万かい」
「若者よ、人数はそんなに問題じゃないんだよ。日中なら寧ろ多い方が良いとも言える」
「そんなもんかね」
「そんなもんさね」
老婆は何だか楽しそうだ。
ジョクーが続けて聞く。
「どんな術だったんだ?」
「王女から聞いたが、少年が南方でやった術と大差ない代物だよ」
「ありゃあ手妻らしいぜ。暗示とか何とか」
「暗示と術に境目なんてないさ。言い方が違うだけで同じものを指している」
「じゃあ、婆さんも掌を刺したのかい」
「ちと違う」
「どうしたんだ?」
「こうやった」
老婆は頬被りを上げた。そこには皺だらけの顔、鷲鼻、そして白目になった両眼がある。
「目か!」
「そうじゃ。自分の目玉を抜き取った」
「痛かっただろうに」
「痛かったわいな。悲鳴も上げた」
老婆は顔を引き攣らせ、硬直した両の指をわなわなさせて、大音量で再現した。
「ひぃぃぃぃぃ~、とな」
「ひぃ~」
ジョクーとキリムも悲鳴を上げる。思わず抱き合ってしまった。
「まあ、敵さんもそんな感じで悲鳴を上げておった」
元山賊は感心している。
「そこまで国に殉ずるとは、見上げた婆さんだ」
「いやな、目を患っておってな、元から殆ど見えぬ状態だったのじゃ」
「あら、そうなんだ。しかし効きそうな術だ。二回目でも効いただろうな」
「効いた効いた。二度目はもっと効果的じゃった。実際に失明した兵士もおったと聞く」
「どうしてだ?」
「一回目でこの術自体が有名になった。更に、両眼を失えば完全に光を失う訳じゃから、より悲壮な覚悟がいるじゃろう?」
「初手から見えなかったくせに」
「敵さんはそれを知らん」
「これだから術士って奴は・・・・」
「でも痛かったわいな」
「それだよ。暗示に過ぎないと言っても、術者が苦痛を感じなきゃ効かないんだ」
キリムには何か思うところがあるらしい。
「ジョクーには前に理屈を話したよね」
「それは聞いたが?」
「あれは強ち嘘じゃないと思うんだ」
「婆もそう思う」
元山賊は少し驚く。
「あんたもその理屈を知っているのか?」
「知っているも何も、それを考え出したのはこの婆じゃよ。そして、この子の母に伝えたんじゃ」
「後継者と見込んで、秘法を伝授したんだな」
「いや、聞かれたから教えたまでじゃよ」
「勿体ない」
「そんな事があるものか。金貨を貰ったしな」
「親父が言っていたよ。金に勝る術は無し、ってね」
「上手い事を言いよる」
「キリムよぉ、これから大変だな。敵と対峙する事になったら、お前さんはその立派な目玉を抜き取らなきゃならない」
少年は微笑む事でその心配を否定した。
「それでね、僕はちょっと違う術を考えたんだ」
「ほう、やはり目は惜しいか」
「それもあるけれど、理屈上はこっちの方が効きそうだからね」
「ふむ、どんな術だ?」
「婆様の術も、僕がこの前試した術も、肉体の苦痛を伝播させるものだったでしょう?」
「ああ、痛いところから『気』が飛んで、目や耳から相手に伝わるんだったな」
「そう。でもね、肉体的な苦痛は一時的なものだし、心の痛み程苦しくはない」
「そうだな。心の痛みは耐え難いものだ」
ジョクーはしみじみと応える。彼とて悲しい記憶は多い。
キリムは話を続ける。
「もしも、心の痛みを伝播できたら?」
「そんな事ができたら、凄い術になるだろうな」
「どんな心の痛みを『気』にするつもりなんじゃ?」とお婆も興味津々だ。
少年は語り出す。滔々と、淀みなく。それは、彼が毎夜自分に課している義務だった。
悲しみが劣化しない様に、床に就けば思い出し、繰り返し再現させていた。今では苦労しなくても夢で見られる。この四年、更に言えば実母が死んでからずっと行ってきた苦行である。その内容は生々しい。整理された物語ではなく、年端も行かぬ少年らしい経験談である。小説よりは詩歌に近いのかも知れない。聞いた相手が自身の想像力で補完しなければ理解できる話にならない。しかし、その分悲しみが深く伝わる。
嘆きと憂いと、後悔と懺悔とが。
少年の語りはジョクーの心に染み通ってゆく。彼の感情の水面に静かな波紋を拡げる様に。キリムの発する痛みが、確実に、ジョクーへと伝播しているのだ。誦文を唱えているのではない。暗示を試みている訳でもない。ただ、言葉を尽くしているだけなのに。
人は、結局のところ、他人の事が分からない様にできている。だから下らない戦争なんてものが連綿と続いているのだろう。ならば言葉は何の為にあるのか。人は人に気持ちを伝えたくて、悲しみや喜びを分かち合いたくて、言葉を創ったのではないのか。
山賊は自分の役目を理解した。
「この話は俺が広める。そして、お前さんがその痛みを術で解放するだろうと言い触らしてやる。大陸中にだ」
キリムは破顔した。
「君がそれをしてくれなきゃ、この術は効かない。意味を成さないんだ」
老婆が付け加える。
「二人して作り上げる壮大な術になるだろう。大地が戦慄く程のな」
彼女は生きる楽しみができたと喜んだ。
二人は婆様の家を後にした。戸口の老婆は、その見えない目で二人を見送っている。
「キリムよ、あの婆さん、まだ居るぜ。すっかり夜も更けたってのに」
「あの人には昼も夜も関係ないんじゃないかな」
「でも寒かろうに」
「そうだね・・・・」
キリムはジョクーのこんな所が好きだ。他人の痛みを自分のものとして感じている。それだけ大人なんだろうと思う。いつかは自分もジョクーの様な大人になれるだろうか。
王宮の最奥、国王執務室。その畏れ敬うべき場所に、夜陰に紛れる様にして一人の客が訪れた。序列の厳しい王宮にあって、唯一、身分を超越している人物である。客は、継ぎの間に詰めていた侍従長に退室を命じ、ノックも無しに扉を開いた。
「入るぞえ」
「おお、婆様か。こちらに来て頂けるとは珍しいな」
王は書類に走らせていた筆を止めて、手ずから席を用意した。老婆はその椅子に当然の如く座った。感謝の意を述べる事もせずに。それでも王は笑っている。
「わざわざ来られたからには、何か重要なお話があるのでしょうな」
「そうじゃ、坊よ」
「私も四十になる。そろそろ『坊』はご勘弁頂きたい」
「この婆にしてみれば、お前様はいつまで経ってもただの『坊』じゃよ」
王は嬉しかった。今では万人に傅かれている身だが、二人の関係だけは昔と何も変わらない。
「お話とは、ユルグとの戦の件でしょう」
「ほお、少しは知恵が付いた様じゃな。ならばその戦、どうするつもりなのじゃ?」
「私の覚悟を聞いてらっしゃるのですな」
「覚悟というか、判断を聞きたい」
「それは?」
「戦には種類が二つある。それをどう見極めるのじゃ?」
「二つ?」
「そう。『してはならぬ戦』と『してもよい戦』の二つ」
「分かる様な、分からぬ様な例えですな」
「それは分かっておらぬという事じゃよ」
「教えて下され」
「よかろう」
王の素直な言葉に満足し、老婆は話を続ける。
「まず『してもよい戦』とは、勝つ戦の事じゃ。必ず勝てると判断したなら、どうしようが構わない。お前様の好きにすれば良かろう」
「そうでしょうな」
「そして『してはならぬ戦』とは、負ける戦の事じゃ。更に言えば『勝つかどうか分からぬ戦』もそれに含まれる。明日にも起こりうるユルグとの戦はこれに充たると思う」
「確かに今の段階では敵軍の規模も分からぬし、判断するには情報が少ない。だからと言って、向こうから仕掛けてきたなら避けようがないではないか」
「それでも避ける。それがお前様の努めなのじゃよ」
「しかし、我らがどうしようが、もう止められないと思うが」
ユルグは一方的に通商を拒否し、更には一個大隊で南方国境を侵している。実害はなかったものの、既に開戦していると判断してもよい状況なのだ。
「そう思うのなら、全く別の働き掛けをするのじゃな。早々に白旗を揚げてしまうのも、その一つじゃ」
「それはできぬ。私が王としての地位を守れなくなる」
「ふむ。では、戦に勝つ方法を考えて、実践するしかなかろう」
「それも難しい。何度も言うが情報がないのだ」
「想像するんじゃよ。予測とも言う。最悪の場合を考慮しつつ、それに打ち勝てる状況を作り出せばよい」
王は自分に問い掛けてみる。我が軍は強い。けして負けない。そう信じてきた。だが、婆様と対峙していると、その絶対的な自信が蜃気楼の様に希薄なものとなってしまう。この人に嘘は吐けないのだ。ちゃんとした裏付けがなければ、一笑に付されてしまうだろう。
彼女は『想像しろ』と言っている。敵に関しては憶測しても的外れになりそうだ。一方、我が軍に関する情報ならば頭の中に揃っている。
バルバーレは大国であり、充分な富の蓄積があり、軍も強大だ。だが、実戦から遠離って久しいのも事実である。隊はちゃんと動くだろうか。指揮官の力量は? 高級武官達の顔を思い浮かべても口先ばかりが達者な年寄り揃いだ。できもせぬ事をできると主張し、いざとなれば尻込みするのではないか。
「婆様!」
「何じゃ?」
「分かりました。するべき事が」
「そうか。お前様は考えた。そして思い至った。それが何かは聞かぬ。お前様を信じておるからの」
その小さな人は、そう言い放つと早々に立ち去ってしまった。長居すれば、王宮の官吏達に煙たがられる事を知っているのだろう。
王は、改めて老賢者の凄みを知る思いがした。
ユルグがとうとう動き出した。その事実を知ってから漠然と思い悩むばかりであったが、こうして彼女と逢い、少しばかり会話するだけで成すべき事が見えてきた。自分が幼かった頃からそうなのだが、彼女は、必要としている時に必要な分だけ手を差し伸べてくれる。それに、こちらから泣き付かずとも察してくれて、こうやって訪れてもくれる。
王にとって、親代わりとも言える存在なのである。
隊商が出立する。今や国交がない隣国へと赴き、宝石を高く売り付ける為である。
ギーゾを隊商長に計算高そうな商人達が付き従う。屈強な護衛とうら若き女性もいる。どちらも、いざという時に役立ってくれる事だろう。そして、いつでも呑気な顔付きのジョクーも同行する。
ウティホが心配そうに言い添える。
「ジョクーよ。あれこれと頼み事をしてしまったが、お前が無事でいる事が最も大切なのじゃぞ。保身をしっかりな」
「そうだよ。争い事には加わらずに隠れてやり過ごすのが一番だよ」とノンモもいつになく心配そうだ。そして金貨の入った革袋を差し出した。
「これはね、お前さんがお役目を果たす為の資金だよ。残そうと考える必要はない。どう使っても良いお金だからね」
男は笑顔を止めて受け取る。金そのものよりも夫婦の優しさが嬉しかった。
キリムが堅く握手する。
「どうか地上で一番呑気なこの男が、地下でも呑気でいられるか試したりしません様に」
「良い誦文だな。少しはきりっとした顔になって帰ってくるぜ」
すっかり商人に化けた男は、笑顔で旅立って行った。大陸の北端、ユルグ教国との国境地帯へと。夫婦は揃って溜息を漏らす。
「彼奴と知り合って日は浅いが、いなくなると辛いもんじゃな」
「全くだよ。そうだ、無事に事を成し遂げたならウチの息子にしてやろうじゃないか」
「おお、それは良い考えじゃな。儂らの家督を継がせてやるか」
本人の意思は無視されたまま、元山賊の未来が決定してしまったらしい。
少年はまた孤独になった。雑事を夫婦に任せ、一人で城内を散策している。こうして歩いていても、煩く付き纏う相方はもういない。
目的のない時間を過ごしていると、いろんな発見があるものだ。
城内で最も忙しそうなのは国王だ。朝から官吏を相手に仕事、昼からは貴族達と、夜になっても執務室の灯りが消えない。責任が重い人物がその分忙しいのは理屈に合っているし、またそうあるべきだとは思うが、何が楽しくて王なぞしているのだろうと思ってしまう。
その訳を、途中から散歩に付き合ってくれているマウ・リサが教えてくれた。
「高貴であると言う事はそれだけ多くの義務を背負うと言う事なの。そして王たる者、泣く事も逃げる事も、疲れて仕事を放擲する事も許されない。父はそう言っています」
「大国の王様ってさ、想像していたのと全く違ったよ。毎日働き詰めで、それでも喜々としているなんて」
「実際のところ、どうなのかしら。まさか父に『楽しいの?』とは聞けないし」
「そりゃそうだ。マウ・リサも同じだよね。執政官として南方にいれば、楽しいかどうかを行動基準にしないだろうし」
「そうね。自分の役割を果たすのに必死で、楽しいとか嬉しいとか言う感情はなかったわね。でもキリム陛下も国王の元で暮らしておいでだったのでしょう?」
「陛下は止めてよ。あのね、国王って言ってもアスマンは小国だったし、商売事と兼業だったしね。専業の王様は違うと思っていたんだ。もっとこう、毎日笑いながら遊んで、食事して、女を侍らしている様な」
「それでは変態ですわ。キリム様はそうなりたいのかしら」
「いや、その・・・・」
気まずい雰囲気になったところに助け船がきた。侍従長が王女を呼びにきたのだ。
「殿下、王がお呼びです。キリム様もご同行下さい」
「僕も?」
二人は小走りで移動した。
官吏達の待機する継ぎの間を抜けて、王宮の最奥というべき国王の執務室へと入る。
通常の会議ならば会議場が別にある。ここで行うのだから、余程機密性の高い議題なのだろう。室内には巨大な楕円の卓が設えてあり、既に十名程の人物がそこに着いている。
最後の二人を待っていた貴族や高級軍人達が一斉に視線を浴びせる。小僧どもが何をしにきたのだ、と言わんばかりだ。キリムはそんな事に頓着しない。マウ・リサも同じ。王女は国王の横に位置し、少年は誰もが遠慮して座らなかった中央の席に腰を下ろした。
王が口火を切る。
「さて諸君、我が国の主要な顔触れがこれで揃った。二年振りの軍議を始めよう」
まずは王女によって新しく任命された老兵士、南方方面軍旅団長による現状報告である。
「約一月前、ユルグ遊撃大隊一隊が南の国境を割って侵入し、我が国土の南方一帯を威力偵察しました」
官吏の長たる侍従長が議事進行を勤める。
「被害はどうでしたか?」
「特にありません。南方の軍備が手薄だと知られてしまった事を除けば」
「それからの敵の様子は?」
「今現在の状況は知り様もありませんが、私が任地を離れるまでは、新たな動きはありませんでした」
「南方方面軍の対処は?」
「王女殿下の訓導を得まして、国境の監視強化と伝令網の充足、国境防壁の建設を完了したところです」
王女が尋ねる。
「出城ではなく防壁を築いたのですね。良い考えだと思います。その場所と規模は?」
「国境の森を抜けた箇所に築きました。一本道である貿易行路とその周辺の平地に蓋をする様に。敵が南方から再侵入するとすれば、四つ足でさえ踏破困難な密林を抜けるか、石造りの防壁を壊さなければならないでしょう」
聞き手が侍従長に戻る。
「まずは安心できそうですな」
「ユルグ軍が一個連隊四個大隊を以って侵攻してきたなら、そうですな、四日は安心できるでしょう」
その言に一同は色めき立った。貴族の誰かが声高に叫ぶ。
「国王の兵士を大勢預かっておいて、それでたったの四日とは」
他の連中も同意の様だ。老将への批判が集中する。矛先に晒された老兵士は平然と構えていたが、王女は顔を赤くして憤っている。今はそんな論争をすべき時ではないのだ。
「皆様、どうか建設的な意見を述べて下さい」
「やれやれ、こりゃ愚にも付かない会議だね」
突如、キリムが口を挟んだ。
貴族の中でも長老らしき人物が応じる。
「黙らっしゃい。其方はあくまで部外者に過ぎぬ。王命もあって参加を許したが、そもそもこの重要な会議に参加できる身分ではないのだと心得えられよ」
「身分だって? 身分が相応しければ、おつむが空でも構わないのかな」
「何たる暴言!」
「暴言じゃなくて至言のつもりだったのだけれどね」
矛先が少年に変わった。囂々たる批難が浴びせられる。
「黙れ!」
王が一喝した。
「若きアスマンの王よ、よろしければご意見を賜りたい」
少年が足を組み替えて言い直す。
「バルバーレには丈夫が多いと聞いていたけれど、どうやらそれも昔話みたいだね」
王が応じる。
「確かに、我が軍は戦から遠離って久しい。まだ戦闘を好む気風は残っているが、組織的な現代戦となると、頼りになるのかどうか怪しいものだ」
「王よ・・・・」
貴族達は王の口振りに落胆した。キリムが話を続ける。
「今『組織的な』って話が出たから言うけれど、組織は常に変化させなきゃ駄目なんだ。特に戦っていない暴力組織はね。浜に上げられた魚も、干したり火を加えたりして変化させなければ腐っちゃうでしょう? 戦を知らない軍隊は機能しなくなる」
王は自分の軍を省みる。
「南方方面軍の旅団長を除いて、軍の人事で変更があった事はない。どの隊も指揮官はここにいる様な年寄りばかりだ」
「この際だから、みんな挿げ替えれば?」
「罪無き臣を馘首にはできぬ」
「戦争がなかったんだ。失敗する機会がなかっただけでしょう? そして今度の戦でそれをするんじゃないかな」
「いや、北方では何度か戦役があった」
「二度ね。そのどちらも婆様が一人でやっつけてしまった。それ以外のいざこざも、アスマンの取り成しで事無きを得てきたでしょう?」
「その通りかも知れぬ。それでも我が臣達を辱める事はできぬな」
「それじゃあ、こうしましょうか。バルバーレでも図上演習はなさるでしょう? それで僕と戦って下さい。現在国境を守っている千名強の兵士で、一個連隊のユルグ軍を相手に四日以上国境を保てられれば良し。そうでなければ、旅団長閣下を批難した事に謝罪して、軍の役職から外れて頂きましょう」
「うむ。一度口にしたならば、それも他人を貶めたならば、代わりに自ら実践してみせねば大言壮語との誹りを受けても仕方あるまい。御事と戦わせよう」
貴族や高級軍人どもは血の気が引くのを覚えた。彼らの中に戦術家はいない。ざわめき立て、軍師の立場を譲り合っている。一方、王女は少年が心配でならない。負けてしまえば少年こそが大言壮語を吐いた事になってしまう。もう城へはこられないだろう。
机上に南方の地図が拡げられた。高低差も記載された最新の地図に、新しく設置された防壁が書き加えられる。
防壁の設計図が紹介される。それによれば、高さは背丈の四倍程度。先端は丸く成形され、梯子が掛かりにくい構造をしている。しかも上には足場がない。敵軍が何とか壁を越えたとしても、向こう側に降りるにはまた梯子か、縄を伝って降りるしかないのだ。短期間で設置しなくてはならない状況が生み出した、単純で攻め辛い防壁である。守る側の立場で言えば、狭間の位置が低く相手側に打撃を与える事は難しい。あくまで受け身一辺倒の戦術しか採用できないだろう。
賽と駒が準備された。審判は王自身が勤める。バルバーレ側はようやく軍師を決めたらしく、立派な口髭の貴族が少年と対峙している。賽の目が決めた順で少年が先攻となった。
<一日目・朝>
キリムはユルグ軍一個連隊を千、千、四百と三分割し、その一隊を防壁に向かわせた。 続いてバルバーレ軍が動く。防壁を守る兵の数は二百。守備はできても打撃力は無いに等しいだろう。但し、四日以上保てば良いのだから、ここは防壁を守り通す事に専念する。二百人の部隊を二分割し、十二時間毎の交代で防戦させる準備をする。
<一日目・昼>
ユルグ軍は先行部隊で交戦を挑む。十倍の兵力で挑み掛かり、守る側に有利な状況であっても一割の損害を与えた。
バルバーレ側はほくそ笑んでいる。敵の攻勢は侮れないが、離れた場所にある南方方面軍の兵営所にあと千の余剰兵があり、二日目の夜には守備隊の交代要員として二百の兵が補充される事になっている。この調子が続いても一ヶ月は保つだろう。更に賽を振って良い目を出し、九十名の兵士だけで敵九十人を倒した。口髭の貴族は喝采を浴びている。
<一日目・夜>
少年は先行部隊を撤退させた。そして審判たる王に耳打ちして、賽だけを振る。
貴族はその秘匿会話が気になったが、攻めてこないのならば兵を休ませたい。念の為に数名の見張りを残して、他全員を休ませる。
<二日目・朝>
翌日はバルバーレ軍が先行となる。する事もないので部隊を再編し、九十、九十、十の三部隊として十名を索敵に回した。森へ侵入させて敵の動向を探るのだ。残念ながら賽の目に見放され、敵は見付からなかった。
ユルグ軍は猛攻に出る。千名の部隊を二つ同時に進攻させ、賽を二度振る。一隊で十人、更にもう一隊で三十人を屠った。更に賽を振って終了する。
<二日目・昼>
口髭の貴族は敵の三度目の賽振りが気に入らない。三部隊が活動している証拠なのだ。しかし、まずは部隊を立て直さねばならない。残り百五十名の部隊を三分割する。百、二十五、二十五とし、最初の部隊で防戦、二十五騎で索敵、もう二十五騎で方面軍兵営所への伝令を使わした。残る味方を全て出させる為だ。索敵は二十五騎でも少ない。どこを探させるのか指定しなければ成功率は上がらないのだ。
ここで審判の「待て」が入った。伏兵である。昨夜から森を抜ける経路でユルグの歩兵が侵攻していたのだ。その数は二百五十。速度を重視し、遅れた半数の兵を捨て置いて、防壁と方面軍詰め所の間に陣取っている。たった二十五騎の伝令は瞬殺されてしまった。
ユルグ軍の攻め番となる。バルバーレの防壁守備隊は虚を衝かれる形となった。後方からユルグ軍歩兵二百五十が襲い掛かる。賽が振られ、防壁の占有者が入れ替わってしまった。バルバーレ軍は索敵に散った二十五騎と捕虜になった数名を残すのみとなり、更に二千の全ユルグ軍に国境を越えさせる結果となった。
たった一日半の攻防である。血気盛んだった貴族連中はすっかり萎んでしまった。一方の少年はにこりともせず、掌で賽を遊ばせている。
王が尋ねる。
「我が軍の敗因はどこに?」
「それは、防壁を作った旅団長閣下に聞いて欲しいな」
請われて老将が私見を述べる。
「思うに、どうして最初から伝令を出さなかったのか不思議です。それに無用に兵を分割し過ぎですな。私なら二、三騎の伝令を走らせ、残り百九十七名で防戦させます」
「僕もそうしただろうね。四年前の戦争の時、アスマンは国境全体に長い防壁を築いていた。それでも易々と攻め込まれたんだ。ましてやにわか作りの防壁で、しかもたった二百人の兵士だけで何ができるって言うんだ? 敵の侵攻と規模及びその編成を南方方面軍兵営所に、更には王都に伝えるのが最優先なんだ。それさえできれば、たとえ一日で突破されようが褒めてやろうと思っていたけれど、賞賛に値する行動が一つもないなんて、逆に感心するよ」
王は俯き黙したまま聞き入っていたが、やがて顔を上げて厳しい表情を顕わにした。
「このままでは敵を利するばかりか、勝手に自滅する軍隊になってしまう。個々の兵が優秀でも、指揮官が無能では戦に勝てない。それがよく分かった」
貴族と高級軍人の面々は全員退場となった。彼らにしてみれば戦から遠離る事ができて一安心だったのかも知れない。武張った顔付きをしていても中身はただの地方領主であり、武人ではなくなっていたのだ。彼らには戦時における国内の治安維持と各々の領地の保全に尽力して貰う事にして、残った者は新たな指揮官を指名しなくてはならない。
王と王女、老将、それに部外者たるキリムの四名で軍議を続ける事となった。
改めて王自身が進行役となる。
「さて、かなりこぢんまりしてしまったが、会議を再開しよう。敵の出方を予想しつつ、軍の編成を考えたい」
少年が姿勢を正して語る。
「王様、それだったら僕に考えがあります。とは言っても簡単な理屈なんだけれど」
「拝聴しよう」
「まずはこれを教えて欲しいな。王様は今の段階でユルグに攻め込む事を考えている?」
「いや、それはない。敵が疲弊していて一気に突き崩せそうだと分かれば話は別だが、そもそもこちらには進攻する動機がないのだ」
「そうでしょうね。現状で充分幸せにやっているのだから。じゃあ、防戦って事になるのだけれど、どこを守るの?」
「それは決まっている。国土全てだ」
「駄目だね」
「駄目か?」
「あのね、戦争における一般的な常識として『攻める方と守る方では守る方が有利』って言われているけれど、攻める方が有利な面もあるんだ」
「それは?」
「戦争の主導権を握れる事。どこに攻め入るかを自分の意思で決められるでしょう?」
「それはそうだな」
「一方、国土全部を平等に守ろうとしたら、全て兵力が足りない薄っぺらな布陣になっちゃうよ」
「ではどうすれば良いのだ?」
「この国は人口の殆どが大河バルバーレの流域に集まっている。折角守り易い作りになっているのだから、そこだけを守れば良いんだよ」
「つまり?」
「つまりね、敵が北からこようが南からこようが、王都から兵を動かさず、そこで決戦を挑むんだよ」
「兵力の集中か!」
「その通り。この国の兵力は大部分が南北の国境地域に布陣されているよね。北方も南同様、新たに索敵と伝令部隊を布いて、残りは王都に戻らせるんだ」
「北には防壁を作らぬのか?」
「北方の国境地域の事はよく知らないのだけれど、南の様に森に囲まれていたりして、大軍を動かし難い土地なの?」
「いや、一面の荒れ野だ」
「それだったら防壁の意味がない。貿易行路を封鎖しても、その横を擦り抜けられちゃうよ。アスマンとユルグの間にある国境防壁は百年以上掛かって作った代物なんだけれど、それと似たものを作ろうとしたら、時間が幾らあっても足りなくなる」
「だから索敵と伝令だけ残して撤退するのか」
「そう。ついでに各地に散らばった駐屯部隊も全部王都に集合させる。ああ、南方の防壁守備隊は残してね」
「今度の侵攻も南方からとお考えか?」
「ううん。僕には敵が北から進攻してくるとしか思えないんだ」
「根拠がありそうだな」
「これも単純な話だよ。南の国境付近は大部隊を効率よく動かせる程広くはない。森があり谷があって、急峻な傾斜に早瀬、岨の蟻径と、どう考えても大人数の移動に向かない」
「過日の侵攻は南方からであろう?」
「あれは揺動だと思うんだ」
「敵の目的は威力偵察であったと聞く。ならば、きたるべき大侵攻を模したものにせねば意味がないであろうに」
「そりゃそうだけれど、その『威力偵察』って『打撃力を有する情報収集部隊が戦いながら敵の動向を探る事』でしょう? 本来は、その後すぐに大攻勢がなきゃおかしい」
「あれから一ヶ月か。確かに時期は過ぎている」
「だからね、あれは偵察兼揺動作戦だったんじゃないかな。嘗て戦役があった北方は今でも充分過ぎるくらい手厚く守られていて、ユルグとしても侵攻し辛い。だから、少しでも敵の数を減らしておきたい筈だよね。揺動で南方への増援を出させて、北方が手薄になったところでそこから侵攻するんだ。ほら、敵の意図が明白でしょう?」
「成る程な。そこまで分かれば話が早い」
後は侃々諤々と議論を続け、細部に渡って編成案を詰めた。
バルバーレ軍は全軍で約十万名の規模である。北方を堅めている二個師団四万名と王都詰めの近衛兵が四万、後は各地に分散配置されている二万を掻き集めた数だ。南方全域には一旅団五千名がいるが、国境地域を監視する二個大隊千二百名を残し、その他も王都に集結させる。
敵侵攻を北からと断定するには早いが、それを前提として作戦を練った。
全軍五個師団の長は王自身が勤める。そして各師団の指揮官と配置は以下の通りとした。
まず、人口の密集する大河バルバーレ中流の両岸に一師団づつを配する。敵の侵入方向が判明した時点で渡河し、一方に集中させる。その二個師団は王と王女の推薦する勇猛果敢な人物に任せる事となった。バルバーレで最も賢く猛々しい人物、それは術士の老婆である。彼女は生きる伝説であり、自身が動き回らなくても補佐を願い出る兵士は多いだろう。できない事はないのかも知れない。
王女が一個師団を遊撃隊として率い、更に一個師団を王直属として王都に詰めさせる。 掻き集めの残り一師団は南方方面軍の老将が指揮する。そしてその補佐役としてキリムが加わる事になった。若干十二歳の作戦士官としてである。
何とも頼りない、しかし熱意と意思の統一だけは天下一品の軍師達だ。
指揮官が定まれば、後は各々の師団の充実を図らねばならない。
勅命を受けた婆様は早速動き出す。彼女が担当するのは北方に位置している二個師団である。撤退の準備をさせ、更には大河中流域に拠点を作らねばならない。伝令を走らせ、資材を調達し、人員運用計画を練り、目の回る忙しさとなる。兵士二人に担がせた輿に乗り、城内をあちらこちらと動き回っている。
屈強な男達が老婆を担ぎ運ぶ姿は滑稽で、事情を知らされていない貴族どもの失笑を買っていた。だが実際は、官吏や兵士を効率よく動かしており、見た目とは裏腹に恐ろしい程の知恵者振りである。
老将は少年と計画を詰める。この師団がやるべき事は多い。準備が整っている南方は良いとしても、北方から王都までの伝令と索敵、工兵による主戦場の整備を任じられている。王都決戦とはいえ、中州で戦う訳には行かない。その手前で迎え撃つ必要があるのだ。
王都の北側には丘陵地が拡がっている。そこで野戦となる可能性が高いと判断し、詳細な地図の作成から拠点作りまでをしておく。
住民を避難させ、貿易行路沿いの民家を廃棄させる。彼らにとってはよい迷惑だろうが、戦場の直中で日常生活は送れない。多少の金銭を渡し、当座の生活費に充てさせた。
国王直属軍と王女の遊軍は取り敢えずやるべき事がないが、遊んでいる訳には行かない。事務的な活動としては兵糧等の物資を充実させ、兵士達には厳しい訓練を課した。
王にも直属の一個師団があるが、自身は城を離れられない。代わりにウティホ氏を代理指揮官に指名し、郊外での訓練を任せる事にした。
では王は何をしているのかというと、官吏を使って兵士と兵器の増強を計画している。 職人は元より狩師、漁夫、農夫から職工兵を徴用した。そしてキリムからアスマン弩に関する知識を受け取り、その新先端の兵器を量産すべく準備を進めている。
バルバーレには『戦は兵士が行うもの』という気風があり、また兵士自身もその気概がある。それはそれで立派な考え方なのだが、裏返せば『平民に手柄を上げさせたくない』という特権階級特有の差別意識の現れでもあるのだ。その考え方にウティホもキリムも反対であった。国の危機は全ての住人にとっての危機であり、貴族も民も関係ない。これがアスマンの流儀であり、恐らくはユルグもそう考えているだろう。
宗教国家であるユルグは、広く民全体から兵士を募っている。勿論、職業軍人もいた筈だが、彼らは佐官であり、前線で戦闘行為を行うのは志願して入営した平民達である。職業軍人より志願兵が劣るとは一概に言い切れない。それに数だ。現段階で得られている情報は少ないが、民の数そのものが多いユルグ軍がバルバーレ軍よりも小規模であるとは考え難い。下手をすれば数万もの兵力差がありそうだ。なればこそ、徴兵であろうが傭兵であろうが、でき得る限りの増強策は打っておきたいところだ。




